14 / 68
14 ドイル家での夕食
しおりを挟む
夕食と聞いて立ち上がったジョアンに聞きました。
「ジョアン、図鑑はお部屋に戻しておいてもらう?」
「ここでいい」
「そう?じゃあそのままにしておきましょうね」
三人で手をつないで廊下を歩いていると、玄関でエヴァン様の声がします。
「ただいま!みんな揃ってるの?遅くなっちゃったかな。これでも皇太子を振り切って帰ってきたんだけど」
「お帰りなさいお兄様。今から夕食ですって。早く着替えていらして?」
「わかった。急ぐよ」
食堂に入るとドイル伯爵とリリアナ夫人はすでに席についていた。
「お待たせしました」
「大丈夫よ、私たちも今来たところだし、エヴァンが帰ってきたみたいだからもう少し待ってやってね」
美しく盛られた前菜が食欲をそそります。
ジョアンは既にフォークを握っていました。
「お待たせしました」
エヴァン様が席につき、夕食が始まりました。
和やかな雰囲気の中、楽しく食事が進み、デザートが配られました。
今日はイチゴのジェラートです。
私はドイル伯爵夫妻とエヴァン様に言いました。
「少し相談にのっていただきたいのですが、いつでも結構ですのでお時間をいただけませんか?」
するとみなさん優しい笑顔で頷いて、すぐに応接室に行こうと言ってくださいました。
ララは気を利かせてジョアンを誘って部屋に戻りました。
皆さんはワインが、私はアイスティーが用意されました。
「相談というのは何かな?」
ソファーに座ると、さっそくドイル伯爵が口を開きました。
「お時間をいただいて申し訳ございません。厚かましいとは思ったのですが、私には他に相談できる大人の人がいないので…」
「むしろ頼ってくれて嬉しいわ。何でも言ってちょうだいね」
リリアナ夫人が優しく声を掛けてくださいました。
「実は領地のことなのです。アランとはこんなことになってしまいましたが、私の生活費を出してもらっているのはハイド子爵家ですので、一度帰って今後のことを相談しなくてはいけないと思っているのです」
「そうだね。成人したらロゼが伯爵位を継ぐことになるから、領地経営をどうするかというのは早いうちに決めておくべきだろうね」
エヴァン様が同意してくれました。
「はい。でもなんだかおじ様たちに申し訳なくて。私は爵位とか領地とかよくわからないのです。そもそも私一人が継ぐなんて考えたことも無かったものですから」
ドイル伯爵は少し考えてから口を開きました。
「成人したら爵位を継ぐことはできるけど、ロゼはやりたいことがあるんだろう?ドイル家は商会経営が主で領地を持っていないけれど、領地経営というのはなかなか大変だと聞くから、片手間でできるとは思えないね」
リリアナ夫人が質問しました。
「ロゼちゃんがワンド伯爵領を継いだらハイド子爵家はどうするの?」
「おそらくは、もともとの領地に戻られると思います」
「でも昨日の話だとアランは廃嫡されてハイド子爵領もロゼが継ぐことになったんじゃない?」
「そうなんです、それで困ってしまって。それって本当のことなのでしょうか」
ドイル伯爵が言いました。
「ハイド子爵は相当怒っているみたいだね。うちの商会の情報網にもアラン廃嫡の件はすぐに流れて来たよ。ハイド子爵は本気だ」
「困ったわ、どうするのが良いのでしょう」
「継がないとしたらどういう方法がありますかね?」
エヴァン様が伯爵に質問しました。
「両方とも継がないなら放棄手続きをすればいいけど、そうなるとロゼちゃんが平民になってしまう。それよりも一旦はあちらの申し出通りに継いで、ハイド子爵に売るという方法はどうかな。売るのは両方でもハイド家の方だけということもできる。財産は持っている方がいい」
「爵位は継ぐべきね。でも子爵がそれで納得するかしら?」
リリアナ夫人が頬に手を当てて言いました。
「納得はしないだろう。彼としては息子がやらかしたことに相当な責任を感じているだろうから。子爵領を慰謝料として差し出して、自分たちは平民になるくらいの覚悟はしているだろう」
「そんな!それはダメです」
「うん、ロゼならそういうだろうと思った。でもアランがやらかしたことはそれ位のことなんだ。ホントにバカなことをしたものだ。まあ私にとっては良かったけど」
「エヴァン?」
リリアナ夫人が目を細めてエヴァン様の顔を見ました。
ドイル伯爵が苦笑いをしておられます。
「エヴァン、それは別の話だ」
「はい、すみませんでした。話を戻しますね。実はロゼの受け継ぐべき領地について少し調べてみたのですが、山地も農地も実に上手くいっています。でも一番の財産はロゼの父親であるワンド伯爵が設立した地質研究所ですね。ここの所長はロゼの名前になっていました。ロゼは知ってた?」
「知りませんでした」
「やっぱり。副所長がワンド伯爵を今でも崇拝していて、ロゼ以外の所長を認めなかったらしい。ここの研究成果は素晴らしいもので国家としてもかなり期待しているんだ」
「そうなのですか?」
「皇太子はできれば王家直営にしたいと考えているんだけど、その副所長が絶対に首を縦に振らない。でも研究成果はきちんと報告してくれていて、それもワンド伯爵の遺志なのだそうだ。君のお父様ってホントに欲が無い」
「その方たちのお給料って誰が支払っているのでしょう?」
「研究成果に対する特許料が収入源だよ。例えば…今ではポピュラーな土壌改良剤もここの特許を使っているから、それだけでもかなりの額だ」
「お給料が滞ってないなら良かったです」
「必要経費を引いた余剰金は貯蓄されているのかな?一度調べた方がいいかもね」
「調べるって?」
ドイル伯爵が優しい声で言いました。
「それは私の方で動いてみよう。ということはエヴァン、ワンド家にはその研究所があって、ハイド家には交易港があるってことだね?なかなかすごい領地だな」
「ええ、手放すなら王家直轄地にしたいとカーティスなら考えるでしょうね」
「私としては、それならそれでも良いですけど」
「「「それは絶対にダメ!」」」
皆さんが口をそろえて反対されました。
そんなに?
「それより爵位は継承するとして、領地をどうするかだよね?私としてはハイド子爵の意志を尊重して、ロゼが継ぐならそれでいいと思うんだ。その上で、領地経営は今まで通りハイド家に委託するという形はどうかな」
「経営を委託するというのは?」
「名義だけ受け継ぐようなものさ。年に何度かは監査に入るべきだけど、これなら名義が変わるだけで今までと何も違わないし、彼らの意志も尊重できるよね」
ドイル伯爵が頷きながら言いました。
「私もそれがいいとは思うけど、ハイド子爵がどう考えているかだね。一度きちんと会って話すべきだろう」
「そうですね。やはり会って話すべきですよね」
「ひとりで対峙するのは辛いだろう。私かエヴァンが同行できればいいのだが」
エヴァン様が笑顔で頷きます。
「そういうことなら交易港の視察とかいう言い訳で私が同行しますよ。ララも連れて行きましょう」
「それがいいわね。二人だけで行くのはロゼちゃんが心配だけど、ララも一緒なら安心だわ」
「母上?もう少し自分の息子を信じるという気持ちを持たれてはいかがでしょうか?」
「ほほほ。無理ね」
この休暇中にエヴァン様の都合に合わせて帰郷することになりました。
その後は三人で話があるとのことで、私は与えられている客間に戻りました。
予想はしていましたが、ララとジョアンが当然のように迎えてくれました。
「ジョアン、図鑑はお部屋に戻しておいてもらう?」
「ここでいい」
「そう?じゃあそのままにしておきましょうね」
三人で手をつないで廊下を歩いていると、玄関でエヴァン様の声がします。
「ただいま!みんな揃ってるの?遅くなっちゃったかな。これでも皇太子を振り切って帰ってきたんだけど」
「お帰りなさいお兄様。今から夕食ですって。早く着替えていらして?」
「わかった。急ぐよ」
食堂に入るとドイル伯爵とリリアナ夫人はすでに席についていた。
「お待たせしました」
「大丈夫よ、私たちも今来たところだし、エヴァンが帰ってきたみたいだからもう少し待ってやってね」
美しく盛られた前菜が食欲をそそります。
ジョアンは既にフォークを握っていました。
「お待たせしました」
エヴァン様が席につき、夕食が始まりました。
和やかな雰囲気の中、楽しく食事が進み、デザートが配られました。
今日はイチゴのジェラートです。
私はドイル伯爵夫妻とエヴァン様に言いました。
「少し相談にのっていただきたいのですが、いつでも結構ですのでお時間をいただけませんか?」
するとみなさん優しい笑顔で頷いて、すぐに応接室に行こうと言ってくださいました。
ララは気を利かせてジョアンを誘って部屋に戻りました。
皆さんはワインが、私はアイスティーが用意されました。
「相談というのは何かな?」
ソファーに座ると、さっそくドイル伯爵が口を開きました。
「お時間をいただいて申し訳ございません。厚かましいとは思ったのですが、私には他に相談できる大人の人がいないので…」
「むしろ頼ってくれて嬉しいわ。何でも言ってちょうだいね」
リリアナ夫人が優しく声を掛けてくださいました。
「実は領地のことなのです。アランとはこんなことになってしまいましたが、私の生活費を出してもらっているのはハイド子爵家ですので、一度帰って今後のことを相談しなくてはいけないと思っているのです」
「そうだね。成人したらロゼが伯爵位を継ぐことになるから、領地経営をどうするかというのは早いうちに決めておくべきだろうね」
エヴァン様が同意してくれました。
「はい。でもなんだかおじ様たちに申し訳なくて。私は爵位とか領地とかよくわからないのです。そもそも私一人が継ぐなんて考えたことも無かったものですから」
ドイル伯爵は少し考えてから口を開きました。
「成人したら爵位を継ぐことはできるけど、ロゼはやりたいことがあるんだろう?ドイル家は商会経営が主で領地を持っていないけれど、領地経営というのはなかなか大変だと聞くから、片手間でできるとは思えないね」
リリアナ夫人が質問しました。
「ロゼちゃんがワンド伯爵領を継いだらハイド子爵家はどうするの?」
「おそらくは、もともとの領地に戻られると思います」
「でも昨日の話だとアランは廃嫡されてハイド子爵領もロゼが継ぐことになったんじゃない?」
「そうなんです、それで困ってしまって。それって本当のことなのでしょうか」
ドイル伯爵が言いました。
「ハイド子爵は相当怒っているみたいだね。うちの商会の情報網にもアラン廃嫡の件はすぐに流れて来たよ。ハイド子爵は本気だ」
「困ったわ、どうするのが良いのでしょう」
「継がないとしたらどういう方法がありますかね?」
エヴァン様が伯爵に質問しました。
「両方とも継がないなら放棄手続きをすればいいけど、そうなるとロゼちゃんが平民になってしまう。それよりも一旦はあちらの申し出通りに継いで、ハイド子爵に売るという方法はどうかな。売るのは両方でもハイド家の方だけということもできる。財産は持っている方がいい」
「爵位は継ぐべきね。でも子爵がそれで納得するかしら?」
リリアナ夫人が頬に手を当てて言いました。
「納得はしないだろう。彼としては息子がやらかしたことに相当な責任を感じているだろうから。子爵領を慰謝料として差し出して、自分たちは平民になるくらいの覚悟はしているだろう」
「そんな!それはダメです」
「うん、ロゼならそういうだろうと思った。でもアランがやらかしたことはそれ位のことなんだ。ホントにバカなことをしたものだ。まあ私にとっては良かったけど」
「エヴァン?」
リリアナ夫人が目を細めてエヴァン様の顔を見ました。
ドイル伯爵が苦笑いをしておられます。
「エヴァン、それは別の話だ」
「はい、すみませんでした。話を戻しますね。実はロゼの受け継ぐべき領地について少し調べてみたのですが、山地も農地も実に上手くいっています。でも一番の財産はロゼの父親であるワンド伯爵が設立した地質研究所ですね。ここの所長はロゼの名前になっていました。ロゼは知ってた?」
「知りませんでした」
「やっぱり。副所長がワンド伯爵を今でも崇拝していて、ロゼ以外の所長を認めなかったらしい。ここの研究成果は素晴らしいもので国家としてもかなり期待しているんだ」
「そうなのですか?」
「皇太子はできれば王家直営にしたいと考えているんだけど、その副所長が絶対に首を縦に振らない。でも研究成果はきちんと報告してくれていて、それもワンド伯爵の遺志なのだそうだ。君のお父様ってホントに欲が無い」
「その方たちのお給料って誰が支払っているのでしょう?」
「研究成果に対する特許料が収入源だよ。例えば…今ではポピュラーな土壌改良剤もここの特許を使っているから、それだけでもかなりの額だ」
「お給料が滞ってないなら良かったです」
「必要経費を引いた余剰金は貯蓄されているのかな?一度調べた方がいいかもね」
「調べるって?」
ドイル伯爵が優しい声で言いました。
「それは私の方で動いてみよう。ということはエヴァン、ワンド家にはその研究所があって、ハイド家には交易港があるってことだね?なかなかすごい領地だな」
「ええ、手放すなら王家直轄地にしたいとカーティスなら考えるでしょうね」
「私としては、それならそれでも良いですけど」
「「「それは絶対にダメ!」」」
皆さんが口をそろえて反対されました。
そんなに?
「それより爵位は継承するとして、領地をどうするかだよね?私としてはハイド子爵の意志を尊重して、ロゼが継ぐならそれでいいと思うんだ。その上で、領地経営は今まで通りハイド家に委託するという形はどうかな」
「経営を委託するというのは?」
「名義だけ受け継ぐようなものさ。年に何度かは監査に入るべきだけど、これなら名義が変わるだけで今までと何も違わないし、彼らの意志も尊重できるよね」
ドイル伯爵が頷きながら言いました。
「私もそれがいいとは思うけど、ハイド子爵がどう考えているかだね。一度きちんと会って話すべきだろう」
「そうですね。やはり会って話すべきですよね」
「ひとりで対峙するのは辛いだろう。私かエヴァンが同行できればいいのだが」
エヴァン様が笑顔で頷きます。
「そういうことなら交易港の視察とかいう言い訳で私が同行しますよ。ララも連れて行きましょう」
「それがいいわね。二人だけで行くのはロゼちゃんが心配だけど、ララも一緒なら安心だわ」
「母上?もう少し自分の息子を信じるという気持ちを持たれてはいかがでしょうか?」
「ほほほ。無理ね」
この休暇中にエヴァン様の都合に合わせて帰郷することになりました。
その後は三人で話があるとのことで、私は与えられている客間に戻りました。
予想はしていましたが、ララとジョアンが当然のように迎えてくれました。
108
お気に入りに追加
559
あなたにおすすめの小説
言いたいことはそれだけですか。では始めましょう
井藤 美樹
恋愛
常々、社交を苦手としていましたが、今回ばかりは仕方なく出席しておりましたの。婚約者と一緒にね。
その席で、突然始まった婚約破棄という名の茶番劇。
頭がお花畑の方々の発言が続きます。
すると、なぜが、私の名前が……
もちろん、火の粉はその場で消しましたよ。
ついでに、独立宣言もしちゃいました。
主人公、めちゃくちゃ口悪いです。
成り立てホヤホヤのミネリア王女殿下の溺愛&奮闘記。ちょっとだけ、冒険譚もあります。
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
前世軍医だった傷物令嬢は、幸せな花嫁を夢見る
花雨宮琵
恋愛
侯爵令嬢のローズは、10歳のある日、背中に刀傷を負い生死の境をさまよう。
その時に見た夢で、軍医として生き、結婚式の直前に婚約者を亡くした前世が蘇る。
何とか一命を取り留めたものの、ローズの背中には大きな傷が残った。
“傷物令嬢”として揶揄される中、ローズは早々に貴族女性として生きることを諦め、隣国の帝国医学校へ入学する。
背中の傷を理由に六回も婚約を破棄されるも、18歳で隣国の医師資格を取得。自立しようとした矢先に王命による7回目の婚約が結ばれ、帰国を余儀なくされる。
7人目となる婚約者は、弱冠25歳で東の将軍となった、ヴァンドゥール公爵家次男のフェルディナンだった。
長年行方不明の想い人がいるフェルディナンと、義務ではなく愛ある結婚を夢見るローズ。そんな二人は、期間限定の条件付き婚約関係を結ぶことに同意する。
守られるだけの存在でいたくない! と思うローズは、一人の医師として自立し、同時に、今世こそは愛する人と結ばれて幸せな家庭を築きたいと願うのであったが――。
この小説は、人生の理不尽さ・不条理さに傷つき悩みながらも、幸せを求めて奮闘する女性の物語です。
※この作品は2年前に掲載していたものを大幅に改稿したものです。
(C)Elegance 2025 All Rights Reserved.無断転載・無断翻訳を固く禁じます。
婚約破棄宣言は別の場所で改めてお願いします
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【どうやら私は婚約者に相当嫌われているらしい】
「おい!もうお前のような女はうんざりだ!今日こそ婚約破棄させて貰うぞ!」
私は今日も婚約者の王子様から婚約破棄宣言をされる。受け入れてもいいですが…どうせなら、然るべき場所で宣言して頂けますか?
※ 他サイトでも掲載しています
愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)
お言葉を返すようですが、私それ程暇人ではありませんので
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
<あなた方を相手にするだけ、時間の無駄です>
【私に濡れ衣を着せるなんて、皆さん本当に暇人ですね】
今日も私は許婚に身に覚えの無い嫌がらせを彼の幼馴染に働いたと言われて叱責される。そして彼の腕の中には怯えたふりをする彼女の姿。しかも2人を取り巻く人々までもがこぞって私を悪者よばわりしてくる有様。私がいつどこで嫌がらせを?あなた方が思う程、私暇人ではありませんけど?
【完結】もう結構ですわ!
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
どこぞの物語のように、夜会で婚約破棄を告げられる。結構ですわ、お受けしますと返答し、私シャルリーヌ・リン・ル・フォールは微笑み返した。
愚かな王子を擁するヴァロワ王家は、あっという間に追い詰められていく。逆に、ル・フォール公国は独立し、豊かさを享受し始めた。シャルリーヌは、豊かな国と愛する人、両方を手に入れられるのか!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/29……完結
2024/09/12……小説家になろう 異世界日間連載 7位 恋愛日間連載 11位
2024/09/12……エブリスタ、恋愛ファンタジー 1位
2024/09/12……カクヨム恋愛日間 4位、週間 65位
2024/09/12……アルファポリス、女性向けHOT 42位
2024/09/11……連載開始
私達、政略結婚ですから。
黎
恋愛
オルヒデーエは、来月ザイデルバスト王子との結婚を控えていた。しかし2年前に王宮に来て以来、王子とはろくに会わず話もしない。一方で1年前現れたレディ・トゥルペは、王子に指輪を贈られ、二人きりで会ってもいる。王子に自分達の関係性を問いただすも「政略結婚だが」と知らん顔、レディ・トゥルペも、オルヒデーエに向かって「政略結婚ですから」としたり顔。半年前からは、レディ・トゥルペに数々の嫌がらせをしたという噂まで流れていた。
それが罪状として読み上げられる中、オルヒデーエは王子との数少ない思い出を振り返り、その処断を待つ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる