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コホンと咳ばらいをして口を開くレガート侯爵
「そうか、そうだったかな。年は取りたくないものだ。それで、いつ戻るのだったかな?」
「明日と聞いておりますわ」
「明日か……私は今日中に領地に立たなくてはならないから会えないな。ああ、そうだキャンディ、私が今日来たことはニックに内緒にしてくれないか? 物忘れが多い年寄り扱いされたくないのでね」
キャンディは微笑んだ。
「わかりました。言いません」
その会話を後ろで聞いていたエマは、口角を上げ小さく頷く。
侯爵が帰った翌日、疲れた顔で戻ってきたニックにエマが唐突に言った。
「申し訳ございませんが一週間ほどお休みをいただきたいのです」
ニックは渋い顔をしながら言う。
「急なことだね。まあ君は今までそんなことも無く、ずっと仕えてくれたから許可を出すよ。今日から一週間なら僕がキャンディに付き添えるから」
「ありがとうございます」
ニックはポケットから数枚の銀貨を出し、エマに手渡した。
「土産でも買っていくと良い」
「ありがとうございます」
ニックからエマの休暇を知ったキャンディも、同じように小遣いを渡した。
礼を言って去ろうとするエマを、真剣な顔で呼び止めるキャンディ。
「必ず戻ってきてね?」
「はい、奥様。必ず戻ります」
エマは翌朝早くに出掛けて行った。
それからの一週間は、ニックにとってもキャンディにとっても平和な時間が流れた。
ニックは相変わらずキャンディに愛をささやくが、閨を共にすることは無い。
出張が始まった頃からなので、相当疲れているのだろうとキャンディは思っていた。
ホープスはすくすくと育ち、領地からの収入も安定している。
ニックの仕事のことは詳しくないが、きっと頑張っているのだろう。
キャンディはやっと望んでいた暮らしを手に入れたのだと自分に言い聞かせた。
エマが戻り、それと入れ違いのようにニックが出張に行った。
ホープスを抱き、キャンディにキスをしたニックは、名残惜しそうに馬車に乗る。
今度は一週間の行程らしい。
「どこまで行くのかしら。一週間なんて長いわよね。難しいお仕事なのかしら」
自室に戻り乳母にホープスを預けたキャンディが独り言のように言った。
「心配ありませんよ。それに仕事なんてしてないですし」
「え?」
エマは声に気づかなかったのか、何も返事をしない。
キャンディがもう一度エマに声を掛けようとして手を伸ばした時、ホープスが勢いよくドアを開けた。
「かあしゃま! ご本を読んでくだしゃい」
「まあ! ホープス。お部屋に戻ったのではないの? ご本が読んで欲しいのね。いいわ、こちらにいらっしゃい」
乳母が慌てて駆け込んでくる。
やんちゃなホープスの面倒をみるのは体力が必要だろう。
「いつもありがとうね。今から読み聞かせをするから、あなたは少し休憩してきなさい」
乳母が何度も頭を下げて出て行く。
エマがホープスのためにはちみつをたっぷり溶かしたホットミルクを用意した。
母子の幸せな時間がゆったりと流れる。
何があってもこの子だけは絶対に守り抜くとキャンディは決意を新たにした。
『何があっても? 何があるというの? ニックは本当に良い夫だし、仕事も順調なのに』
キャンディは急に湧き出した漠然とした不安を打ち消した。
急に膝が重くなる。
「まあ、眠ってしまったのね。エマ、乳母を呼んでちょうだい」
エマが呼びに行っている間、キャンディは愛しい我が子の寝顔を見詰めてた。
ニックに似ているかと言われれば、そうかもしれないが、むしろ母方の祖父の顔に似ているホープス。
まだ幼かった自分を、心から愛し慈しんでくれた祖父母。
今までの人生で、あのころが一番幸せだったとしみじみと思った。
乳母がホープスを抱いて連れて行く。
キャンディはふと何もすることがないことに気づいた。
「エマ、領地の収支報告書を持ってくるように家令に伝えてくれる?」
「奥様、先月分はすでに会計士に送っています。今月分はまだ来てないですよ」
「そうだった?」
侯爵がキャンディに領地経営を教え始めたのは、ホープスが1歳になった頃からだ。
ニックの仕事だと思ったが、侯爵からこう言われたのだ。
『ニックは王都で商会の仕事をしているのだから、領地の方は君がやりなさい。あいつは両方できるほど器用では無いよ。どちらかに気持ちが傾くと、もう片方のことは考えられないようだ。領地経営は侯爵家の基盤だからね。妻の君が差配した方が上手くいくよ』
おかしな理論だとは思ったが、確かにニックは器用ではない。
ソニアに夢中だった学生時代のことを考えてもわかる。
要するに『うまくやる』ということができない。
あの頃のニックにそれができていれば、あんなオマケで貰ったようなドレスが、前日に送られてくるような事などなかっただろう。
誕生日だってそうだ。
使用人に言いつけて花を贈るぐらいの『うまくやる』ことができない。
もし、そうしてくれていれば、自分もあそこまで必死で逃げようとは思わなかったのでは無いだろうか。
そんなことを思いながら、ふと窓の外を見た。
『ソニア? ああ、ニックが恋焦がれていた女性よね。いつからかしら、私が学生時代の屈辱を思い出しても平気になったのは。お義母様が送ってくるお茶をやめた頃だから、あれは……1年? 2年は経つのかしら……』
ボーッと思考の沼に沈んでいると、エマが明るく声を掛けた。
「奥様、気晴らしにお買い物にでもお出かけしませんか?」
「買い物?」
必要なものはニックが管理している商会に言えば、何でも揃うため、キャンディは長らく買い物に行くという事が無かった。
屋敷から出るとすれば、ニックと出席する夜会か、義母に連れられて行く茶会くらいだ。
幼少期から外で何かをするより、部屋に籠って本を読んでいる方が好きな少女だったので出掛けないということに苦痛を感じたこともないのだが。
「そうね、ニックもいないしホープスもお昼寝だし。偶には出掛けてみましょうか」
エマはにっこりと頷いて馬車の準備に向かった。
「そうか、そうだったかな。年は取りたくないものだ。それで、いつ戻るのだったかな?」
「明日と聞いておりますわ」
「明日か……私は今日中に領地に立たなくてはならないから会えないな。ああ、そうだキャンディ、私が今日来たことはニックに内緒にしてくれないか? 物忘れが多い年寄り扱いされたくないのでね」
キャンディは微笑んだ。
「わかりました。言いません」
その会話を後ろで聞いていたエマは、口角を上げ小さく頷く。
侯爵が帰った翌日、疲れた顔で戻ってきたニックにエマが唐突に言った。
「申し訳ございませんが一週間ほどお休みをいただきたいのです」
ニックは渋い顔をしながら言う。
「急なことだね。まあ君は今までそんなことも無く、ずっと仕えてくれたから許可を出すよ。今日から一週間なら僕がキャンディに付き添えるから」
「ありがとうございます」
ニックはポケットから数枚の銀貨を出し、エマに手渡した。
「土産でも買っていくと良い」
「ありがとうございます」
ニックからエマの休暇を知ったキャンディも、同じように小遣いを渡した。
礼を言って去ろうとするエマを、真剣な顔で呼び止めるキャンディ。
「必ず戻ってきてね?」
「はい、奥様。必ず戻ります」
エマは翌朝早くに出掛けて行った。
それからの一週間は、ニックにとってもキャンディにとっても平和な時間が流れた。
ニックは相変わらずキャンディに愛をささやくが、閨を共にすることは無い。
出張が始まった頃からなので、相当疲れているのだろうとキャンディは思っていた。
ホープスはすくすくと育ち、領地からの収入も安定している。
ニックの仕事のことは詳しくないが、きっと頑張っているのだろう。
キャンディはやっと望んでいた暮らしを手に入れたのだと自分に言い聞かせた。
エマが戻り、それと入れ違いのようにニックが出張に行った。
ホープスを抱き、キャンディにキスをしたニックは、名残惜しそうに馬車に乗る。
今度は一週間の行程らしい。
「どこまで行くのかしら。一週間なんて長いわよね。難しいお仕事なのかしら」
自室に戻り乳母にホープスを預けたキャンディが独り言のように言った。
「心配ありませんよ。それに仕事なんてしてないですし」
「え?」
エマは声に気づかなかったのか、何も返事をしない。
キャンディがもう一度エマに声を掛けようとして手を伸ばした時、ホープスが勢いよくドアを開けた。
「かあしゃま! ご本を読んでくだしゃい」
「まあ! ホープス。お部屋に戻ったのではないの? ご本が読んで欲しいのね。いいわ、こちらにいらっしゃい」
乳母が慌てて駆け込んでくる。
やんちゃなホープスの面倒をみるのは体力が必要だろう。
「いつもありがとうね。今から読み聞かせをするから、あなたは少し休憩してきなさい」
乳母が何度も頭を下げて出て行く。
エマがホープスのためにはちみつをたっぷり溶かしたホットミルクを用意した。
母子の幸せな時間がゆったりと流れる。
何があってもこの子だけは絶対に守り抜くとキャンディは決意を新たにした。
『何があっても? 何があるというの? ニックは本当に良い夫だし、仕事も順調なのに』
キャンディは急に湧き出した漠然とした不安を打ち消した。
急に膝が重くなる。
「まあ、眠ってしまったのね。エマ、乳母を呼んでちょうだい」
エマが呼びに行っている間、キャンディは愛しい我が子の寝顔を見詰めてた。
ニックに似ているかと言われれば、そうかもしれないが、むしろ母方の祖父の顔に似ているホープス。
まだ幼かった自分を、心から愛し慈しんでくれた祖父母。
今までの人生で、あのころが一番幸せだったとしみじみと思った。
乳母がホープスを抱いて連れて行く。
キャンディはふと何もすることがないことに気づいた。
「エマ、領地の収支報告書を持ってくるように家令に伝えてくれる?」
「奥様、先月分はすでに会計士に送っています。今月分はまだ来てないですよ」
「そうだった?」
侯爵がキャンディに領地経営を教え始めたのは、ホープスが1歳になった頃からだ。
ニックの仕事だと思ったが、侯爵からこう言われたのだ。
『ニックは王都で商会の仕事をしているのだから、領地の方は君がやりなさい。あいつは両方できるほど器用では無いよ。どちらかに気持ちが傾くと、もう片方のことは考えられないようだ。領地経営は侯爵家の基盤だからね。妻の君が差配した方が上手くいくよ』
おかしな理論だとは思ったが、確かにニックは器用ではない。
ソニアに夢中だった学生時代のことを考えてもわかる。
要するに『うまくやる』ということができない。
あの頃のニックにそれができていれば、あんなオマケで貰ったようなドレスが、前日に送られてくるような事などなかっただろう。
誕生日だってそうだ。
使用人に言いつけて花を贈るぐらいの『うまくやる』ことができない。
もし、そうしてくれていれば、自分もあそこまで必死で逃げようとは思わなかったのでは無いだろうか。
そんなことを思いながら、ふと窓の外を見た。
『ソニア? ああ、ニックが恋焦がれていた女性よね。いつからかしら、私が学生時代の屈辱を思い出しても平気になったのは。お義母様が送ってくるお茶をやめた頃だから、あれは……1年? 2年は経つのかしら……』
ボーッと思考の沼に沈んでいると、エマが明るく声を掛けた。
「奥様、気晴らしにお買い物にでもお出かけしませんか?」
「買い物?」
必要なものはニックが管理している商会に言えば、何でも揃うため、キャンディは長らく買い物に行くという事が無かった。
屋敷から出るとすれば、ニックと出席する夜会か、義母に連れられて行く茶会くらいだ。
幼少期から外で何かをするより、部屋に籠って本を読んでいる方が好きな少女だったので出掛けないということに苦痛を感じたこともないのだが。
「そうね、ニックもいないしホープスもお昼寝だし。偶には出掛けてみましょうか」
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