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第一章

小学生のわたし。

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小学6年生になり、私は塾に通い始めました。

両親どちらも共働きで鍵っ子だった私は、行きは歩きで通っていました。
その日の夕方、いつもの道で塾に向かっていました。
前から私の事をじっと見つめて歩く中年男性の姿がありました。
私は、気にせず男性の横を通り過ぎようとすると男性は、私の目の前で立ちました。
私は、怖くて男性の顔を見れず下を向きながら後退りし走って塾に駆け込もうと思いましたが、またしても男性は、私を追いかけ目の前で止まりました。

私は、恐怖しか無かったけど勇気を出して

「何ですか」

そう男性に問いかけました。

男性は、数分黙り静かに私の目の前から姿を消しました。
私は、怖くて急いで塾に駆け込みました。

塾が終わり父親が迎えに来てくれて今日の事を話しました。

「また、その男を見かけたら教えて」

そう私に言いました。

次の日の放課後、塾に行くのが凄く嫌でした。
また、あの人に会ったらどうしよう怖い帰りたい行きたくない
そんな気持ちをぐるぐるさせながら昨日あの男と出会った場所に到着しました。

私は、駆け足で塾に向かいました。

でもその時、見覚えのある男性が目の前に現れました。
昨日私の前に立った中年男性だったのです。

私は、怖くて足が動かなくなりその場に立ち尽くしてしまいました。
男性は私の目の前に立ち私の事をじっと見つめていました。

私は、男性が何処かに行くのを待つしか無く数分その場で固まっていました。
男性は、また静かに私の目の前から姿を消しました。

塾が終わりまた、父親に今日の事を話しました。

「警察に相談するか」

そう言い、翌日私を連れて警察署に向かいました。
警官に相談し塾周辺を巡回してくれる事になりました。

巡回してくれるようになり中年男性は、現れなくなりました。

その出来事から3週間経ち私は、両親と近所のスーパーで買い物していました。
父親と何気ない会話をしながらふとよそ見をしていたら見覚えのある中年男性を見つけました。

「お父さん、あの人私の目の前に立ってた人だよ」

父親は、血相を変えその男性を呼び止めました。

「あなた何度か俺の娘の前に立ってた様ですが何かご用でしょうか
何かあるなら父親の俺が聞きますよ」

そう言うと男性は、何も言わずその場から走って逃げて行きました。

警官の巡回、父親の声掛けがあってかその中年男性は、二度と私の目の前に現れる事がありませんでした。

今思っても不思議な体験でしたが、恐怖しかありません。
もしもその時誘拐されてたら、私はきっと将来も今の生活も無くこの世から消えていたと思います。
第三者からすれば走って逃げたら良い
きっとそう思う筈です。私もそう思っていました。
でも、自分がそう言う立場になれば恐怖で声を出すのも精一杯で、足は石のように重く硬くなり一歩も動けなくなります。

怖い体験をしましたが、それから後も塾は、休まず通い続けました。

そして、気付いたら修学旅行シーズンが近づいておりまたまた波瀾万丈な学校生活を送る事になるとは、思ってもいませんでした。
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