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本編(シャルロ視点)
淡雪の魔術師 ジャック・トライドン
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先ほどまで心を癒してくれた可愛い猫は消え去り、目の前には悩みの種がいる。
「何でレオがっ! てか、服着て! 服!!」
目のやり場に困り思わずシャルロは目を瞑る。その隙に問答無用でソファーに押し倒された。
「これなら顔しか見えねぇからいいだろ?」
レオはシャルロに覆い被さると耳元で囁く。レオの臭いと体温と耳にかかる息と甘い声に、シャルロの体がビクリと揺れた。恐る恐る目を開けると確かに至近距離過ぎて、レオの肩から上しか視界には入らない。
かといってこの状況が良いわけはない。
シャルロはなんとか逃れようともがくも、体を押さえ付けられて逃げることができなかった。
(たいして体格変わらないのになんでだよっ!)
「うううっ……」
「そんな泣きそうな顔するなよ、本格的に泣かせたくなるだろ」
「ヒィッ」
ベロっと頬を舐められてシャルロは悲鳴を発する。舐めるのは猫だから可愛いのであって、レオにやられたら嬉しいやら恥ずかしいやら怖いやら複雑な感情で心臓が止まりそうだ。
「なななな、なんでレオが猫にって言うか、どういうことなんだよこれ! ひぃうっ……耳舐めるな!!!」
調子にのったレオは、シャルロの頬を舐め耳たぶを甘噛みしそのまま舌を耳穴に突っ込み弄る。ぎゃあぎゃあと騒ぎ暴れるシャルロを押さえ込み、レオは暫くの間シャルロの味を堪能した。
「追いかけても捕まえられないなら罠にかけろってエミリアに提案されたから、ジャックに頼んで適当な魔法薬使わせて貰ったんだよ」
(ジャックまで巻き込んだのか?? 人を猫に変える薬とか、そんな萌えアイテム、ゲームに無かったぞ??)
ジャック・トライドン。マッドサイエンティストでレオの一つ年下だが、天才なので飛び級して同級生である。淡いピンクの髪にオパールのような不思議な色合いの瞳をしている。性格もとらえどころがなく不思議キャラだ。
【花の騎士】で、trueやgoodエンドでは平和だが、badエンドはレオが実験台にされ人間扱いをされないという、やはり不幸なものである。
ジャックは幼い頃、レオが苦手だったようでよくシャルロの背中に隠れていたが、いつの間にかレオと仲良くなっていた。仲良しのレオの頼みならジャックも協力するだろう。
シャルロはぐったりと力尽きたまま、視線だけレオに向ける。そこには至極嬉しそうな笑顔のレオがいた。
(逆光のせいかレオの笑顔が怖いっ……)
弱い耳を舐められまくったせいで体が反応しかけていたが、レオの笑顔に恐怖を感じて熱が一気にひゅんっと冷えた。
「エドも言ってたが、二人で話し合おうぜシャルロ」
「わかったから、とにかくなんでもいいから服を着てくれ!!」
(その隙に逃げよう。なんか怖いし……)
本能的に身の危険を感じてそう決意したものの、再びニヤリと笑うレオの顔に背筋が凍る。固まったシャルロを気にも止めずに、レオはシャルロのシャツのボタンをはずし始めた。
「って??? なんでおれの服を脱がすんだよ?!」
「なんでもいいんだろ? シャルロって結構着痩せするよな」
再び笑ったレオの瞳が全く笑っておらず、シャルロは大人しく服を剥がされることにした。それで少しでもレオの機嫌が直るなら、いや、隙が出来るならと考えたのだ。
その選択は自分を追い詰めるだけなのだが、レオの執着も自分の流されやすさも理解していないシャルロは気付かない。
「れ、レオ。落ち着いて話をしようじゃないか、な? えっと着ないなら下着は返して……」
シャツと下着を脱がされ上半身は一糸纏わぬ姿にされたというのに、なぜかレオはシャルロから奪ったシャツだけを羽織る。シャルロの言葉にレオは笑顔のまま下着を無慈悲にも放り投げた。
「返すわけないだろ……ああ、シャルロの肌だ……白いな」
「ま、待てレオ、落ち着い……ひゃあっあっ、だめ、だめだって!」
レオは再び覆い被さるとシャルロの首筋に吸い付いた。そのままレロッと鎖骨を舐める。その生暖かい感触にシャルロは思わず声をあげた。
「何でレオがっ! てか、服着て! 服!!」
目のやり場に困り思わずシャルロは目を瞑る。その隙に問答無用でソファーに押し倒された。
「これなら顔しか見えねぇからいいだろ?」
レオはシャルロに覆い被さると耳元で囁く。レオの臭いと体温と耳にかかる息と甘い声に、シャルロの体がビクリと揺れた。恐る恐る目を開けると確かに至近距離過ぎて、レオの肩から上しか視界には入らない。
かといってこの状況が良いわけはない。
シャルロはなんとか逃れようともがくも、体を押さえ付けられて逃げることができなかった。
(たいして体格変わらないのになんでだよっ!)
「うううっ……」
「そんな泣きそうな顔するなよ、本格的に泣かせたくなるだろ」
「ヒィッ」
ベロっと頬を舐められてシャルロは悲鳴を発する。舐めるのは猫だから可愛いのであって、レオにやられたら嬉しいやら恥ずかしいやら怖いやら複雑な感情で心臓が止まりそうだ。
「なななな、なんでレオが猫にって言うか、どういうことなんだよこれ! ひぃうっ……耳舐めるな!!!」
調子にのったレオは、シャルロの頬を舐め耳たぶを甘噛みしそのまま舌を耳穴に突っ込み弄る。ぎゃあぎゃあと騒ぎ暴れるシャルロを押さえ込み、レオは暫くの間シャルロの味を堪能した。
「追いかけても捕まえられないなら罠にかけろってエミリアに提案されたから、ジャックに頼んで適当な魔法薬使わせて貰ったんだよ」
(ジャックまで巻き込んだのか?? 人を猫に変える薬とか、そんな萌えアイテム、ゲームに無かったぞ??)
ジャック・トライドン。マッドサイエンティストでレオの一つ年下だが、天才なので飛び級して同級生である。淡いピンクの髪にオパールのような不思議な色合いの瞳をしている。性格もとらえどころがなく不思議キャラだ。
【花の騎士】で、trueやgoodエンドでは平和だが、badエンドはレオが実験台にされ人間扱いをされないという、やはり不幸なものである。
ジャックは幼い頃、レオが苦手だったようでよくシャルロの背中に隠れていたが、いつの間にかレオと仲良くなっていた。仲良しのレオの頼みならジャックも協力するだろう。
シャルロはぐったりと力尽きたまま、視線だけレオに向ける。そこには至極嬉しそうな笑顔のレオがいた。
(逆光のせいかレオの笑顔が怖いっ……)
弱い耳を舐められまくったせいで体が反応しかけていたが、レオの笑顔に恐怖を感じて熱が一気にひゅんっと冷えた。
「エドも言ってたが、二人で話し合おうぜシャルロ」
「わかったから、とにかくなんでもいいから服を着てくれ!!」
(その隙に逃げよう。なんか怖いし……)
本能的に身の危険を感じてそう決意したものの、再びニヤリと笑うレオの顔に背筋が凍る。固まったシャルロを気にも止めずに、レオはシャルロのシャツのボタンをはずし始めた。
「って??? なんでおれの服を脱がすんだよ?!」
「なんでもいいんだろ? シャルロって結構着痩せするよな」
再び笑ったレオの瞳が全く笑っておらず、シャルロは大人しく服を剥がされることにした。それで少しでもレオの機嫌が直るなら、いや、隙が出来るならと考えたのだ。
その選択は自分を追い詰めるだけなのだが、レオの執着も自分の流されやすさも理解していないシャルロは気付かない。
「れ、レオ。落ち着いて話をしようじゃないか、な? えっと着ないなら下着は返して……」
シャツと下着を脱がされ上半身は一糸纏わぬ姿にされたというのに、なぜかレオはシャルロから奪ったシャツだけを羽織る。シャルロの言葉にレオは笑顔のまま下着を無慈悲にも放り投げた。
「返すわけないだろ……ああ、シャルロの肌だ……白いな」
「ま、待てレオ、落ち着い……ひゃあっあっ、だめ、だめだって!」
レオは再び覆い被さるとシャルロの首筋に吸い付いた。そのままレロッと鎖骨を舐める。その生暖かい感触にシャルロは思わず声をあげた。
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