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番外編:初夜
しおりを挟む私、アーシャ・プラネットは、リカルド先生と婚姻を結び…今日からアーシャ・サーシェントとなりました。
知り合いだけのささやかな式を挙げ…
ついに、ついに…
初夜なのです!!
診療所の直ぐそばに建てた二人の新居の寝室で、私はガチガチになって夫となったリカルド先生を待っていた。
リカルド先生と想いが通じ合って…どんなにいい雰囲気になろうと、リカルド先生は口付けまでしかしなかった。
全てが初めてな私に合わせてくれているのか…紳士なリカルド先生に甘やかされてきたけれど、今夜は違う。
今夜、この寝台で…
ドキドキと高鳴る胸を押さえながらリカルド先生を待っていると、寝室のドアが遠慮がちに開いた。
「リリリリ、リカルド先生、ふつつかものですが、どうぞよろしくお願いいたします!!」
寝台に正座し三つ指を付いてお辞儀すると、頭上から戸惑うようなリカルド先生の声が聞こえた。
「ははははいっ!こちらこそ、よろしくお願いします!」
真っ赤になったリカルド先生も寝台に正座し、お辞儀を返してくれる。私だけじゃなくて…リカルド先生も緊張してるのかな…と思うと少し心が温かくなった。
医者としてではなく…旦那様として先生に触れられるなんて…心臓が飛び出しそうなくらいドキドキと鼓動が早くなる。
一度処女の証は診てもらっちゃってるから…今更なんだろうけど…医療行為と夫婦の色ごととは…また違うのよね。
「怖いですか…?アーシャが嫌なら今日はこのまま…」
「いいえ!リカルド先生と…その、もっと仲良くなりたい…です」
色ごとを、仲良くと誤魔化してしまったけれど、リカルド先生はわかってくれたようで、少し顔を赤くさせつつ、私の肩を優しく抱いて、ゆっくりと唇が重なった。
「僕も…アーシャを愛したい。優しくします。でも、怖かったら言ってくださいね」
「は…はい」
穏やかなリカルド先生の瞳に、欲情の色が灯る。その熱い眼差しに私の下腹部がきゅんと熱を帯びる。
ゆっくりと寝台へ押し倒され、上からリカルド先生が私を見下ろす。顔が近づき、唇が重なり合い、わずかな隙間からリカルド先生の舌が入り込む。
クチュリとお互いの唾液が混ざり合う音に、頭がぼうっとしてくる。気付けば下着の肩ひもを降ろされ、露わになった胸を先生の温かい手が包み込む。
「何ていうか…小さい頃の貴女を知っているだけに…悪いことをしているような気持ちになりますね」
「んっ…あ…せん…せい」
そう言いつつも、胸を揉み、その先端を舌で転がし、甘い刺激に背を仰け反らせる私を嬉しそうに見ているような…。
いつもの優しいリカルド先生が、男の人に見えて、更に快感が押し寄せてしまう。
「好きです。アーシャ…。下にも触れていいですか?」
すっと脚を開かされ、先生の手が太腿へと伸びる。その先が目指すところは、先程から熱い蜜が流れ落ちている。
涙目になりながらも、頷くと、リカルド先生の指が遠慮がちに花芯へと触れる。誰にも触れられたことのない蕾に触れられ未知の甘い痺れに少し怖くなりとっさにリカルド先生に腕にしがみついてしまう。
「ど…どうしよう…リカルド先生、そこに触れられると…へんになるの…」
ぎゅうっと握り締めると、リカルド先生が優しく頭を撫でてくれた。
「変じゃないですよ…。それは、気持ちいいってことですよ」
「わたし…大丈夫…?」
「はい。気持ち良くなっているアーシャはとても可愛いですよ」
先生が優しく微笑むから、きっと大丈夫なんだって、ほっとする。この変な感覚に、身を任せていいんだ。リカルド先生の腕から手を離して、そっとその背中に手を回した。
花芯への愛撫が再開されても、もう怖くは無かった。内側から湧き上がる先生が教えてくれた『気持ちいい』っていう感覚に素直になると、どんどんと甘い感覚が高まっていく。
「あああっ……──」
全身が跳ね上がるように強い刺激に襲われ、一瞬目の前が真っ白になった。はあはあと荒くなる呼吸に流れ落ちる汗…時間が止まってしまったかのような感覚に、茫然としていると
「上手に達せましたね」
とリカルド先生に褒められる。良くわからないけれど、先生が嬉しそうだから、私も微笑み返した。ジュワリと蜜壺からは蜜が流れ出て、それを掬い取りゆっくりと先生の指が入ってきた。
「んっ…」
圧迫感と、少しの甘い刺激に腰が引けてしまう。
「アーシャの中は温かいね。この中に僕を受け入れてくれますか?」
「はい…リカルド先生と…ひとつになりたい…」
「僕もですよ。アーシャになるべく痛い思いさせたくないから、指で解させてね。痛かったり、怖かったりしたら言って下さいね」
指の本数が増やされる。圧迫感が増したけれど、もう怖くなかった。先生と…ひとつになりたい。その為の準備だから。それに、少しずつ…『気持ちいい』感覚が生まれてきている。
「ああっ……──」
つい声が零れてしまい、先生は嬉しそうに私に口付けを落とした。指をゆっくりと抜かれると、とろりと愛液が太腿まで垂れてくるのを感じる。
「アーシャ。充分解れました。アーシャと…ひとつになっても、いいですか…?」
ドキドキと心臓の音がうるさい。ついに…幼い頃から憧れていたリカルド先生と…結ばれる。その幸せに涙が出そうになった。
「はい…。お願いします」
脚が開かれ、先生が覆いかぶさり、耳元で甘く囁いた。
「ずっと…貴女を僕のお嫁さんにしたかった。アーシャ、愛してます…」
「っ………───!」
頭からつま先まで、何かに貫かれたような衝撃で目の前が真っ白になった。
只、ただ…先生の温もりを求めて背中に回した手に力を込める。しがみついていないとどこかに飛ばされてしまいそうな衝動に必死に耐える。ジワジワと痛みを感じ、目尻に涙が溜まる。
ああ、何て…幸せなんだろう…
リカルド先生と、たった今…ひとつに繋がっている。
その事実だけで、天にも昇る気持ちだった。
「アーシャ…大丈夫ですか…?」
ぽつりとリカルド先生の額から落ちた汗が私の顔にかかる。何かに耐えているような先生の表情は、色気が溢れ、きゅんと下腹部が締め付けられる。
「は…い…幸せ…です…、先生」
途切れ途切れに絞り出すように伝えると、リカルド先生は、私の目尻に溜まった涙を指で拭い取り、そっと唇を重ねた。
「僕も…幸せすぎて…怖いくらいです…」
暫く繋がったまた、先生は私を抱きしめてくれた。時々苦しそうな表情をする先生の頬に手をあて、ゆっくりと口付けする。
「先生…もう大丈夫。動いてください…」
苦しげに微笑んだ先生は、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「辛くは…無いですか…?」
それでも私を気遣う先生に心が温かくなり、首を横に振り笑顔を作る。
「大丈夫…先生、『気持ちいい』を教えて…ください」
「アーシャには…敵いませんね…」
余裕をなくしたように先生に深い口付けをされ、先生の腰が徐々に早くなり、グチュグチュと音が響く。正直、痛いしまだ『気持ちいい』は分かりそうもないけれど
口付けに集中しながら、先生の心地よい体温を感じる。それだけで、心が満たされていく気がした。
先生に花芯を触れられ、甘い刺激に身を震わせた瞬間
最奥に先生の温かい熱を感じた──
「アーシャ…──」
「ああっ…先生──…っ」
◆◆◆
「身体は…大丈夫ですか?」
労わるように腰を撫でられ、先程までの情事を思い出し顔が赤くなってしまう。
「は…はい。結構なお手前で…」
って何を言ってるの私!!
私の言葉に心配気にこちらを覗き込んでいたリカルド先生は目を丸くしてくすっと笑った。
「それは良かったです。でも最後は無理させてしまいましたね」
「い、いえ!!」
最後少し『気持ちいい』が分かりかけましたよ、先生。ドキドキする胸を押さえつつ、微笑みかける。
「これから、もっと『気持ち良く』なれるように、毎日頑張りましょうね」
「ふぇ…っ!!??」
穏やかに微笑むリカルド先生の瞳の奥に、妖しい光を感じ取り、ついつい腰が引けてしまった。
「愛してますよ、アーシャ」
これから続くであろう蜜月を思いながら、私は背中に流れる汗に気付かれないように曖昧に微笑み返すのであった──
END
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