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2.まさか…こんな日が来るとは
しおりを挟む「診察台に横になってください」
そう言われ、診察台に横たわる。
ふわっとタオルを掛けられ、
「下を脱いでくださいね」
と言われ、ぼっと顔が赤くなるのを感じた。
そうよね…その…
つまり──
いや、考えたら駄目よ。
これは医療行為なんだから。
ワンピースのスカートをたくし上げ、下着を外す。
「では、すぐに終わりますからね」
リカルド先生が私の脚に触れ、そっと開いていく。誰にも見られたことがないはずの、私の中心をリカルド先生に診られれいると思うと、脚が震えてしまう。
冷たい感触がして、器具で中を押し広げられる感じがした。
ドキドキと心臓が飛び出しそうな音を立てる。
一瞬が長い時間に感じた。
「はい。終わりました。お疲れ様です。下着を付けてゆっくり起きてくださいね」
さっと背を向けるリカルド先生の背中を見ながら、不安で胸が押しつぶされそうだった。
ど、どうだったんだろう…
下着をつけて、ゆっくりと起き上がり、リカルド先生と向き合って座る。
リカルド先生…少し顔赤くないですか?
なんて突っ込めないくらい緊張する。
「結果を言うと、処女膜が確認できました。アーシャは昨夜何もなかったので無いかと思います」
「ほ…本当ですか!?…ああ、良かった…」
ほろりと涙が溢れた。
誰か分からないひとと、いつだか分からないうちに一線を越えてしまって処女を失ってしまっていなくて…本当に良かった…
「良かったですね。本当…安心しました」
ぽんぽんと、子ども頃に撫でてもらったように頭を撫でてくれるリカルド先生に胸がきゅんと締め付けられた。
「本当に良かった…。初めては好きな人とって思ってましたから…。リカルド先生じゃなかったら、絶対嫌でしたもん」
ついほっとして口を滑らせてしまった。
あら…
もしかしたらリカルド先生に好意を持っている事…ばれてないわよね…?
背中に嫌な汗が流れる。
リカルド先生は目を丸くしてこちらを見ている。
「アーシャ…?それって…僕以外には見せたくないってことですか?」
伺う様にこちらを見つめてくるリカルド先生に、顔が真っ赤になってしまった。これじゃあ、好きって言ってるようなものじゃない!!
ああ、幼い頃から密かに想っていたのがこんな形でばれちゃうなんて…
「……。そうです、リカルド先生にしか…見せたくない」
観念してぼそっと言うと、リカルド先生はボッと音が出るくらい真っ赤になってしまった。
「え…リカルド先生…?」
「ちょっと待ってください…その、落ち着くのでちょっとこっち見ないでくださいね」
顔を手で隠し、深呼吸を繰り返すリカルド先生に、私まで胸がドキドキしてしまった。
リカルド先生も、少しは私を意識してくれているのだとしたら…夢みたいな話だ…
「ごめんなさい。僕にいいように解釈してしまいました。えっと、主治医として、という意味ですよね」
「いいえ!男性としてです!私、先生のことが…好きだから!」
押すならここしかない!と当たって砕けろ精神で告白すると、ガタガタっと音がして、リカルド先生が椅子から滑り落ちていた。
「リカルド先生!?」
「ほ…本当ですか?え…夢?」
明らかに動揺しているリカルド先生の顔は真っ赤になっていた。
床に座り込んでしまったリカルド先生に向き合うように座り込む。
「本当です!小さい頃から…リカルド先生のことが…大好きでした」
咳が止まらなくて苦しかった時に、ずっと背中をさすってくれたこと、治ったときには一緒に喜んでくれたこと、いつも温かくて穏やかなリカルド先生が大好きだった。
一生懸命伝えようと言葉を選ぼうとするけど、大好きが大きすぎて中々言葉にできないでいると、ふわっと先生に抱きしめられた──
「まさか…こんな日が来るとは…思ってもみませんでした…」
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