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本編
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「お帰りなさいませ。ユーベルト様」
「あぁ、今帰った。コイツはトカゲの番だ。私の後宮に入れるから部屋を用意しろ。それから、今夜の宴で披露するから衣装もな」
「まぁ、そうですか。分かりました」
え? え? え? え?
後宮? 何言ってんの?
「……嫌ですよ?」
あんなカッコいい龍族の方をトカゲとか言う時点で苦手だったのに、まるで物のような扱いも嫌になる。
「こちらに」
「嫌ですって!」
伸ばされた腕を振り切ろうとすると、途端に身体が動かなくなった。
「コイツは少しジャジャ馬だからな。しょうがない、私が連れて行こう」
「まぁ! ユーベルト様のお手を煩わせるなんて! 申し訳ありません!」
「くくく、いや、いい。面白いからな」
違う、動かなくなったんじゃなくて、怖くて動けなかったんだ。ヒョイッとまたもや俵担ぎにされた私は、高くなった視線に恐れをなして全身が硬直。もはやハニワ同然でされるがまま部屋へと連れて行かれてしまった。
「は、離して、あ、歩きますから。お願いですから、怖いの。お願い」
「ふ、ならば大人しくする事だな。もし、逃げようとするなら風呂も一緒に入ってやる」
やーーめーーろーー! 変態め!!!!
「このっ!!!!」
2人きりになって地面に下ろされた瞬間、私のビンタが神様の頬に炸裂した。脊髄反射だ。しょうがない。
べチンッと微妙な音が神様の頬と私の掌の間から鳴る。
「……は? 私を叩いたのか?」
そーよ! 乙女をあんなにからかって、怖がってるのに!!!!
「叩いたのがいけないの? 誘拐されたのよ私」
「言っておくが、私はこの国の王だぞ?」
「それが何よ」
「虎族だ」
「ふーん」
ルベリオス様の方がかっこいいし、優しいし、男前だもんね。尊敬するなら絶対ルベリオス様だ!!!!
「お前、龍族のことを考えているな?」
「私は物なんでしょう? 物の考えている事なんて知る必要ないし、取るに足らないんじゃないの?」
正直に言おう。この時の私の気分は最悪だった。そりゃあもう、床ドンを連発するうさぎ如き不機嫌さだったのだ。相手が龍族同等、敬うべき種族でそれに加え王であることなど全く頭の隅に追いやられていたのである。
「……私にそのような口をきくとは。さすがは龍族の番だ。だが、それを屈服させてこそ面白いというものだ。まぁ、いい。宴で会おう」
「誰が!」
そう言い返した時点で、不味かったのだと思う。
ユーベルト様が出ていった後に、入ってきた女官? らしき人々に丸ごと洗われて、どこぞの踊り子がきそうなちょっと透けた衣装を着させられた。首には逃亡防止らしき紐が通されている。
「貴女様はユーベルト様の最初に後宮入りをなさる方です。しっかりとお勤めを果たしますよう」
そう言って有無も言わせず、私は宴へと連れて行かれた。逃亡? しようと思ったよ。でもね、女官の方々にことごとく止められた。
「あぁ、今帰った。コイツはトカゲの番だ。私の後宮に入れるから部屋を用意しろ。それから、今夜の宴で披露するから衣装もな」
「まぁ、そうですか。分かりました」
え? え? え? え?
後宮? 何言ってんの?
「……嫌ですよ?」
あんなカッコいい龍族の方をトカゲとか言う時点で苦手だったのに、まるで物のような扱いも嫌になる。
「こちらに」
「嫌ですって!」
伸ばされた腕を振り切ろうとすると、途端に身体が動かなくなった。
「コイツは少しジャジャ馬だからな。しょうがない、私が連れて行こう」
「まぁ! ユーベルト様のお手を煩わせるなんて! 申し訳ありません!」
「くくく、いや、いい。面白いからな」
違う、動かなくなったんじゃなくて、怖くて動けなかったんだ。ヒョイッとまたもや俵担ぎにされた私は、高くなった視線に恐れをなして全身が硬直。もはやハニワ同然でされるがまま部屋へと連れて行かれてしまった。
「は、離して、あ、歩きますから。お願いですから、怖いの。お願い」
「ふ、ならば大人しくする事だな。もし、逃げようとするなら風呂も一緒に入ってやる」
やーーめーーろーー! 変態め!!!!
「このっ!!!!」
2人きりになって地面に下ろされた瞬間、私のビンタが神様の頬に炸裂した。脊髄反射だ。しょうがない。
べチンッと微妙な音が神様の頬と私の掌の間から鳴る。
「……は? 私を叩いたのか?」
そーよ! 乙女をあんなにからかって、怖がってるのに!!!!
「叩いたのがいけないの? 誘拐されたのよ私」
「言っておくが、私はこの国の王だぞ?」
「それが何よ」
「虎族だ」
「ふーん」
ルベリオス様の方がかっこいいし、優しいし、男前だもんね。尊敬するなら絶対ルベリオス様だ!!!!
「お前、龍族のことを考えているな?」
「私は物なんでしょう? 物の考えている事なんて知る必要ないし、取るに足らないんじゃないの?」
正直に言おう。この時の私の気分は最悪だった。そりゃあもう、床ドンを連発するうさぎ如き不機嫌さだったのだ。相手が龍族同等、敬うべき種族でそれに加え王であることなど全く頭の隅に追いやられていたのである。
「……私にそのような口をきくとは。さすがは龍族の番だ。だが、それを屈服させてこそ面白いというものだ。まぁ、いい。宴で会おう」
「誰が!」
そう言い返した時点で、不味かったのだと思う。
ユーベルト様が出ていった後に、入ってきた女官? らしき人々に丸ごと洗われて、どこぞの踊り子がきそうなちょっと透けた衣装を着させられた。首には逃亡防止らしき紐が通されている。
「貴女様はユーベルト様の最初に後宮入りをなさる方です。しっかりとお勤めを果たしますよう」
そう言って有無も言わせず、私は宴へと連れて行かれた。逃亡? しようと思ったよ。でもね、女官の方々にことごとく止められた。
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