11 / 52
本編
3
しおりを挟む
ダイエット、といえば何か?
王都を出て、領地に帰った私がまず思いついたのは水泳だ。水の中で歩くだけでも結構カロリーは消費される。
そして、嬉しいことに領地は温泉地帯だった。
「温泉プールを作るわよ!!!!」
「「「「「ええええーーーーーー!?」」」」」
ダイエット計画のために、両親から寄越してもらった使用人達と一緒に温泉プール計画は始まったのだった。
「お嬢様、流石にあの不気味な乳白色の水に入るのだけはおやめください!」
何人もの使用人たちが説得に来たわ。
「いいえ、あのお湯はとてもいい湯なのよ」
そして、何度も同じ回答をした。なんでも、この領地は温泉で栄えているのではなく、熱を利用した農業で栄えているらしかった。促成栽培とかいうものだ。土壌が水捌けがいいため、作物がいい感じに育つのだとか。
「温泉に入った人はいないの?」
「えーー……猿なら……」
日本の名物がここにいた!
「猿……」
動物と入るのは危険なので、猿が来ないところに温泉プールを作る予定だ。日焼け防止に、建物の中に作る。
「お嬢様ぁ、温泉に本当に入るのですか?」
作り始めて約半年、未だに覚悟のないものもいるが概ね温泉プールの土台は整った。排水溝も完備、後は温泉を引くだけ。
「ついに、ついに出来たのね!!!!」
完成した温水プールは、圧巻の一言。領地の郊外に作ったため、どれだけ騒いでも被害にならない。道もそこそこ整備されているので誰でもウェルカム!
「ふふ、長かった。やっと泳げる!!」
プールを作るのは私もダイエット企画で参加したのだ。スコップ持ってえっちらおっちら掘りました。もちろん、食事も改善していて、今ではぽっちゃりさんねぇぐらいまでになった。
「ちょっと、泳いでくる!」
「「「「「え!?」」」」」
「みんなも泳ぐよ!」
作ったんだから入るよね? お嬢様命令だあーーーーーー!!!! と、困惑するみんなの背中を押して、更衣室へ向かう。
そこには、すでにちびっ子たちがいた。
「あれ? いつの間に!?」
「温泉プール入りたいから」
「お姉ちゃんすんごい自慢してたじゃん!」
「ちびっ子プールは端っこにあるんでしょ?」
「早くいこーぜ!」
「イッチバン!!!!」
確かに、作業の合間にちびっ子に自慢したけど……
え、まった。お前たち、本当にいつの間にここに来た!?
混乱する私を置いて、ちびっ子はわぁーーー‼︎ と、歓声を上げてちびっ子専用の浅いプールへと入っていった。
「ご両親の皆さま、ちびっ子が溺れないようしっかり見張っていてください」
呆気に取られるちびっ子の両親を置いて、私も着替えを済ませてプールに入った。
「おお~」
色が乳白色だから、不思議な光景ではあるものの、気持ちがいい。心なしか肌がもちもちになって来たような……
「……肌がツルツルに!?」
お、分かった? 温泉はすごいのよ!
微妙な顔をした使用人たちが、水を得た魚のように温泉ではしゃいでいる。浅いスペースと深いスペースに区切られたプールは、万が一にも間違って子供たちが深い場所に行かないように仕切りがされている。その唯一の通路であるドアを開けて、私は深い方のプールへと入った。
目指すは、クロール50メートル!
バシャっと思いっきり壁を蹴り、懐かしの水泳をたっぷりと堪能した。
王都を出て、領地に帰った私がまず思いついたのは水泳だ。水の中で歩くだけでも結構カロリーは消費される。
そして、嬉しいことに領地は温泉地帯だった。
「温泉プールを作るわよ!!!!」
「「「「「ええええーーーーーー!?」」」」」
ダイエット計画のために、両親から寄越してもらった使用人達と一緒に温泉プール計画は始まったのだった。
「お嬢様、流石にあの不気味な乳白色の水に入るのだけはおやめください!」
何人もの使用人たちが説得に来たわ。
「いいえ、あのお湯はとてもいい湯なのよ」
そして、何度も同じ回答をした。なんでも、この領地は温泉で栄えているのではなく、熱を利用した農業で栄えているらしかった。促成栽培とかいうものだ。土壌が水捌けがいいため、作物がいい感じに育つのだとか。
「温泉に入った人はいないの?」
「えーー……猿なら……」
日本の名物がここにいた!
「猿……」
動物と入るのは危険なので、猿が来ないところに温泉プールを作る予定だ。日焼け防止に、建物の中に作る。
「お嬢様ぁ、温泉に本当に入るのですか?」
作り始めて約半年、未だに覚悟のないものもいるが概ね温泉プールの土台は整った。排水溝も完備、後は温泉を引くだけ。
「ついに、ついに出来たのね!!!!」
完成した温水プールは、圧巻の一言。領地の郊外に作ったため、どれだけ騒いでも被害にならない。道もそこそこ整備されているので誰でもウェルカム!
「ふふ、長かった。やっと泳げる!!」
プールを作るのは私もダイエット企画で参加したのだ。スコップ持ってえっちらおっちら掘りました。もちろん、食事も改善していて、今ではぽっちゃりさんねぇぐらいまでになった。
「ちょっと、泳いでくる!」
「「「「「え!?」」」」」
「みんなも泳ぐよ!」
作ったんだから入るよね? お嬢様命令だあーーーーーー!!!! と、困惑するみんなの背中を押して、更衣室へ向かう。
そこには、すでにちびっ子たちがいた。
「あれ? いつの間に!?」
「温泉プール入りたいから」
「お姉ちゃんすんごい自慢してたじゃん!」
「ちびっ子プールは端っこにあるんでしょ?」
「早くいこーぜ!」
「イッチバン!!!!」
確かに、作業の合間にちびっ子に自慢したけど……
え、まった。お前たち、本当にいつの間にここに来た!?
混乱する私を置いて、ちびっ子はわぁーーー‼︎ と、歓声を上げてちびっ子専用の浅いプールへと入っていった。
「ご両親の皆さま、ちびっ子が溺れないようしっかり見張っていてください」
呆気に取られるちびっ子の両親を置いて、私も着替えを済ませてプールに入った。
「おお~」
色が乳白色だから、不思議な光景ではあるものの、気持ちがいい。心なしか肌がもちもちになって来たような……
「……肌がツルツルに!?」
お、分かった? 温泉はすごいのよ!
微妙な顔をした使用人たちが、水を得た魚のように温泉ではしゃいでいる。浅いスペースと深いスペースに区切られたプールは、万が一にも間違って子供たちが深い場所に行かないように仕切りがされている。その唯一の通路であるドアを開けて、私は深い方のプールへと入った。
目指すは、クロール50メートル!
バシャっと思いっきり壁を蹴り、懐かしの水泳をたっぷりと堪能した。
77
お気に入りに追加
3,740
あなたにおすすめの小説
結婚した次の日に同盟国の人質にされました!
だるま
恋愛
公爵令嬢のジル・フォン・シュタウフェンベルクは自国の大公と結婚式を上げ、正妃として迎えられる。
しかしその結婚は罠で、式の次の日に同盟国に人質として差し出される事になってしまった。
ジルを追い払った後、女遊びを楽しむ大公の様子を伝え聞き、屈辱に耐える彼女の身にさらなる災厄が降りかかる。
同盟国ブラウベルクが、大公との離縁と、サイコパス気味のブラウベルク皇子との再婚を求めてきたのだ。
ジルは拒絶しつつも、彼がただの性格地雷ではないと気づき、交流を深めていく。
小説家になろう実績
2019/3/17 異世界恋愛 日間ランキング6位になりました。
2019/3/17 総合 日間ランキング26位になりました。皆様本当にありがとうございます。
本作の無断転載・加工は固く禁じております。
Reproduction is prohibited.
禁止私自轉載、加工
복제 금지.
悪役令嬢、猛省中!!
***あかしえ
恋愛
「君との婚約は破棄させてもらう!」
――この国の王妃となるべく、幼少の頃から悪事に悪事を重ねてきた公爵令嬢ミーシャは、狂おしいまでに愛していた己の婚約者である第二王子に、全ての罪を暴かれ断頭台へと送られてしまう。
処刑される寸前――己の前世とこの世界が少女漫画の世界であることを思い出すが、全ては遅すぎた。
今度生まれ変わるなら、ミーシャ以外のなにかがいい……と思っていたのに、気付いたら幼少期へと時間が巻き戻っていた!?
己の罪を悔い、今度こそ善行を積み、彼らとは関わらず静かにひっそりと生きていこうと決意を新たにしていた彼女の下に現れたのは……?!
襲い来るかもしれないシナリオの強制力、叶わない恋、
誰からも愛されるあの子に対する狂い出しそうな程の憎しみへの恐怖、
誰にもきっと分からない……でも、これの全ては自業自得。
今度こそ、私は私が傷つけてきた全ての人々を…………救うために頑張ります!
伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦
未羊
ファンタジー
気が付くとまん丸と太った少女だった?!
痩せたいのに食事を制限しても運動をしても太っていってしまう。
一体私が何をしたというのよーっ!
驚愕の異世界転生、始まり始まり。
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります
牢で死ぬはずだった公爵令嬢
鈴元 香奈
恋愛
婚約していた王子に裏切られ無実の罪で牢に入れられてしまった公爵令嬢リーゼは、牢番に助け出されて見知らぬ男に託された。
表紙女性イラストはしろ様(SKIMA)、背景はくらうど職人様(イラストAC)、馬上の人物はシルエットACさんよりお借りしています。
小説家になろうさんにも投稿しています。
闇黒の悪役令嬢は溺愛される
葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。
今は二度目の人生だ。
十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。
記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。
前世の仲間と、冒険の日々を送ろう!
婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。
だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!?
悪役令嬢、溺愛物語。
☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
婚約破棄を望む伯爵令嬢と逃がしたくない宰相閣下との攻防戦~最短で破棄したいので、悪役令嬢乗っ取ります~
甘寧
恋愛
この世界が前世で読んだ事のある小説『恋の花紡』だと気付いたリリー・エーヴェルト。
その瞬間から婚約破棄を望んでいるが、宰相を務める美麗秀麗な婚約者ルーファス・クライナートはそれを受け入れてくれない。
そんな折、気がついた。
「悪役令嬢になればいいじゃない?」
悪役令嬢になれば断罪は必然だが、幸運な事に原作では処刑されない事になってる。
貴族社会に思い残すことも無いし、断罪後は僻地でのんびり暮らすのもよかろう。
よしっ、悪役令嬢乗っ取ろう。
これで万事解決。
……て思ってたのに、あれ?何で貴方が断罪されてるの?
※全12話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる