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2.お兄様
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「ルビー、目が覚めたんだって?」
目の前に、金髪碧眼の美男子がいる。優しそうな垂れ目の目を細め、にっこりと柔らかな笑みを浮かべる美男子。しかし、私は騙されない。何故なら、彼の目は笑っていないからだ。
「つかぬことをお聞きしますが、お兄様は今何歳でいらっしゃいますか?」
「ん? 今年で10になるな」
「そーですか……」
いや、10歳にして目が笑わない笑みを浮かべられるとかやばくない⁉︎
「そーいえば、ルビー。いつもは僕のことをアレンくんって呼んでたのにどうしてお兄様呼びになったの?」
それはね、あなたが乙女ゲームの攻略対象者で私があなたに馴れ馴れしくしすぎると殺されてしまうからだよ。なーんてそんなことは言えないので、笑って誤魔化しておいた。
「やっぱりお兄様の方が響きがかっこいいと思いまして……」
ちなみにお気づきだろうか? 私の口調がお嬢様口調になったことを。それも、このアレンお兄様のせいだ。アレンお兄様の顔を見た瞬間、私の中でこの世界がどのような世界なのか確定したから。
「ふーん、そっか。ま、いいけどね。体調には気をつけるんだよ?」
「はい」
ニコニコと愛想笑いを浮かべる私を訝しげに見たお兄様だけど、諦めたように一言述べて部屋から出て行った。もちろん、私の心臓はその間もドキドキのバクバクだった。
「か、鏡! やっぱり鏡がないとまだ分からないし!」
急いで、ベットから降りて鏡が収めてありそうな場所を物色する。
あった!
鏡は案外近くの棚に仕舞われていた。恐る恐る鏡を覗き込む。が、
「おぉ~……見事なミニ悪役令嬢」
鏡の中には、お兄様と同じような垂れ目の優しそうな美少女が写り込んでいた。まさに、私が知っている悪役令嬢の子供時代である。
このまま行けば、遅くて18歳でお亡くなりになる方のお顔であった。
「は、ははは……うっそだぁ! 誰が嘘だと言ってくれ~‼︎」
部屋には乾いた笑い声が響いたのだった。
目の前に、金髪碧眼の美男子がいる。優しそうな垂れ目の目を細め、にっこりと柔らかな笑みを浮かべる美男子。しかし、私は騙されない。何故なら、彼の目は笑っていないからだ。
「つかぬことをお聞きしますが、お兄様は今何歳でいらっしゃいますか?」
「ん? 今年で10になるな」
「そーですか……」
いや、10歳にして目が笑わない笑みを浮かべられるとかやばくない⁉︎
「そーいえば、ルビー。いつもは僕のことをアレンくんって呼んでたのにどうしてお兄様呼びになったの?」
それはね、あなたが乙女ゲームの攻略対象者で私があなたに馴れ馴れしくしすぎると殺されてしまうからだよ。なーんてそんなことは言えないので、笑って誤魔化しておいた。
「やっぱりお兄様の方が響きがかっこいいと思いまして……」
ちなみにお気づきだろうか? 私の口調がお嬢様口調になったことを。それも、このアレンお兄様のせいだ。アレンお兄様の顔を見た瞬間、私の中でこの世界がどのような世界なのか確定したから。
「ふーん、そっか。ま、いいけどね。体調には気をつけるんだよ?」
「はい」
ニコニコと愛想笑いを浮かべる私を訝しげに見たお兄様だけど、諦めたように一言述べて部屋から出て行った。もちろん、私の心臓はその間もドキドキのバクバクだった。
「か、鏡! やっぱり鏡がないとまだ分からないし!」
急いで、ベットから降りて鏡が収めてありそうな場所を物色する。
あった!
鏡は案外近くの棚に仕舞われていた。恐る恐る鏡を覗き込む。が、
「おぉ~……見事なミニ悪役令嬢」
鏡の中には、お兄様と同じような垂れ目の優しそうな美少女が写り込んでいた。まさに、私が知っている悪役令嬢の子供時代である。
このまま行けば、遅くて18歳でお亡くなりになる方のお顔であった。
「は、ははは……うっそだぁ! 誰が嘘だと言ってくれ~‼︎」
部屋には乾いた笑い声が響いたのだった。
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