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【完】G
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煌びやかな王宮。この国は貧しいと聞いていたが、ここは違うらしい。
(私を引き受ける際、お金をもらっていたと言っていたわね)
もしかすると、そのお金のおかげかもしれない。騎士は宣言通り1日で王都に到着した。王都に着いたビオラはそのまま王宮へと迎え入れられ、待ち構えていた侍女たちに洗われた。
「あら? スミレ様、この腕輪は外しておきましょうね。仮にも妃候補ですから」
騎士から大方の事情は聞いたらしい、1人の侍女がビオラのはめていた腕輪に手をかけた。
「その手を離しなさい」
パシリとビオラはその手を振り払う。
「はい?」
「その手を離しなさいと言ったのです」
「なっ! 庶民のくせに生意気ね!」
ビオラの物言いにカッとなった侍女が意地でも腕輪を外してやろうと手を伸ばす。
「ひっ!」
だが、ビオラの鋭い眼光に気をされて引っ込めた。
(誰であろうとリンがくれた腕輪に触れるのは許さない)
ただでさえ妃候補にされているのも我慢ならなかったビオラ。その上、夫婦の証である腕輪まで取られるような事があれば、何をするか分からない。それほどビオラの先程の表情は危機迫っていた。
「じ、自分が他の人よりちょっと綺麗だからって、調子に乗って! あんたなんか絶対に妃には選ばれないわ!」
むしろ選ばれたくないですわ、とビオラは負け惜しみのように叫ぶ侍女に心の中で反論した。
(当たり前じゃないの。私はリンの妻よ。妃になるわけないわ)
「はっ、もういいわ。気分を害した王子様に痛い目に遭えばいいのよ!」
そう言って侍女は去って行った。
「ごめんなさいねぇ、あの子は新人で……貴女は無理矢理連れてこられたと聞いているわ。腕輪は外したくないのよね?」
別の年配の侍女は困ったように息を吐いた。
「はい」
「じゃあ、この布を手首に巻いておきなさい。王子に不敬になってしまいたくないならその腕輪は隠しておくのが賢明よ」
「……」
無理矢理連れてこられたとはいえ、不敬罪になってリンの元へ帰れなくなるのはもっと嫌だ。ビオラは渋々布を受け取って手首に巻いた。
「ええ、いいわ。さぁ、王子がお待ちよ。行きましょう」
侍女に手を引かれるまま、王子がいるという部屋へと向かう。
ーーーーだが、そこには王子はいなかった。
「ルビー⁇」
「な、なんで⁇」
よろりと足元がふらつく。
「髪が……」
誰が想像しただろう? この国にもと婚約者がいるだなんて。
慌てて踵を返そうとしたビオラは強い力で腕を掴まれ引き戻される。
「ルビー! 貴女はやはり悪魔になど憑かれていなかったのですね!!!!」
「いいえ! 私は悪魔に憑かれております!!!!」
反射だった。叫ぶように告げる。
「いいや、貴女は天使だ。女神の御使だ。その美しい髪が何よりも証拠」
強く抱きしめられ、皇子の肩に顔を押し付けた体勢のビオラ。その髪を皇子は愛おしそうにスルリと撫ぜる。
「お、皇子。やめてくださいませ。私には旦那がおります」
もうこの際どうでもいい! と、ビオラは震える声でそう言った。
しかし、皇子の彼女を撫でる手は止まらなかった。だんだんと降りてくる手は、そのまま腰にまで到達する。
「ルビー、そなたのことだ。無理矢理結婚させられたのだろう? それでなければここにいるはずが無い。そなたの夫は貴女を売ったんだ」
「ーーーーっ!?」
囁くような声と共に、湿ったリップ音がビオラの耳に響く。震えと声にならない悲鳴がビオラの口から漏れた。
皇子はこんな人だっただろうか? 常に穏やかで良識のある人ではなかったか⁇
だんだんと頭が朦朧としてくる。皇子がビオラの抵抗を封じようと肩に顔を押し付ける力が強すぎるのだ。そのせいで、息が満足にできない。ビオラの意識が遠のく。
しかし、その意識を取り戻させる者がいた。
『すみれ!!!!!!!! 今行く!!!! 待ってて!!!!』
頭の中で響くビオラの最愛の人。
「あ、き……」
「いま、何と⁇」
皇子の驚く声がする。しかし、ビオラはそれどころではなかった。
『りん! りん!!!! 助けて!』
『待ってて、今行くから!』
空間が歪む。それは凛が日本に戻るときに使っていた魔法にも似ている。
「すみれ!!!!!!!!」
この場にいるはずのない人の声が聞こえたと思った瞬間、ビオラは力強い馴染みのある腕に抱かれていた。
「あき!!!!」
「そなたは誰だ!?!?」
訝しげに凛を見る皇子に、凛は堂々と名乗る。
「すみれ、いや、ルビーの夫だ」
そして、ちゃっかり着いてきたビオラの母も名乗っていた。
「そして、私の義息子でもあるのよぉ」
「め、女神様!?!?」
当然、その場は大混乱。
しばらく落ち着いてから、ビオラの母こと女神はニコニコしながら告げた。
「ウチの子が可愛いのはよ~く知ってるわ。でもね、貴方にはお嫁に行かせられないの。だってもうこの子には運命がいるから。諦めてちょーだい! それと、そちらで監視していらっしゃる王子と教皇様もよぉ⁇ うちの子モテモテだけどあげられないわぁ~もし、奪おうとしたらお仕置きしちゃうから!」
ぶわりと女神が浮かぶ。そして凛とビオラを祝福するように光のベールで覆い、パチンと指を鳴らした。
パンッと弾けた光は部屋を明るく照らし、どう見ても2人は女神に祝福を受けていると見せつけた。
「この世に干渉しないのでは…?」
「それは時と場合によるのよ。もうスリルは味わってもらったから、お母さん、あとは2人には甘々な生活してほしいわぁ」
締まりのない言葉で締め括った女神は微笑みながら天に帰った。
「あー……」
「えー……」
「うぅ……」
「では、失礼致します。今後、私たちに接触しないでいただきたい」
消化不良の王子たちを残して、ビオラと凛は家へ帰ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「皇子……」
茫然としている皇子に従者が声をかける。
「そうか、ルビーは女神の愛し子だったか……謝ることも許されぬのだな」
皇子の絶望した声だけが静かな部屋に溶け込むようにして消えていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この日以降、教会はルビーの捜索を取りやめた。そして、ルビーを攫おうと企んでいた村長の息子は待ち伏せしていた場所に運悪く雷が落ちたらしい。
みみず腫れのような跡が顔にできてしまい、不吉といわれ女性から逃げられているそうだ。
ガラパは手に入れた金貨を賭博に使い、それ以降中毒のように賭博場に入り浸るように。結局、賭博のための資金に借りた借金が何十倍にも膨らんでしまったそうだ。彼は今、必死に借金返済のために鉱山で働いている。しかし、それらの収益は微々たるもので返す頃には死んでいるだろうと言われているそうだ。
そして、この物語の主人公であるビオラと凛は新しく土地を見つけ今は幸せに暮らしているそう。2人がいる村は幸運が舞い降り、後に商売の聖地となった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「すみれ、おいで!」
「りん!」
見目麗しい2人が仲睦まじい様子で商店街を歩く。それを村人はほっこりとした様子で見守るのだった。
「なんたってあの子らは私達の癒しだからねぇ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【おしまい】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ありがとうございました!!!!
(私を引き受ける際、お金をもらっていたと言っていたわね)
もしかすると、そのお金のおかげかもしれない。騎士は宣言通り1日で王都に到着した。王都に着いたビオラはそのまま王宮へと迎え入れられ、待ち構えていた侍女たちに洗われた。
「あら? スミレ様、この腕輪は外しておきましょうね。仮にも妃候補ですから」
騎士から大方の事情は聞いたらしい、1人の侍女がビオラのはめていた腕輪に手をかけた。
「その手を離しなさい」
パシリとビオラはその手を振り払う。
「はい?」
「その手を離しなさいと言ったのです」
「なっ! 庶民のくせに生意気ね!」
ビオラの物言いにカッとなった侍女が意地でも腕輪を外してやろうと手を伸ばす。
「ひっ!」
だが、ビオラの鋭い眼光に気をされて引っ込めた。
(誰であろうとリンがくれた腕輪に触れるのは許さない)
ただでさえ妃候補にされているのも我慢ならなかったビオラ。その上、夫婦の証である腕輪まで取られるような事があれば、何をするか分からない。それほどビオラの先程の表情は危機迫っていた。
「じ、自分が他の人よりちょっと綺麗だからって、調子に乗って! あんたなんか絶対に妃には選ばれないわ!」
むしろ選ばれたくないですわ、とビオラは負け惜しみのように叫ぶ侍女に心の中で反論した。
(当たり前じゃないの。私はリンの妻よ。妃になるわけないわ)
「はっ、もういいわ。気分を害した王子様に痛い目に遭えばいいのよ!」
そう言って侍女は去って行った。
「ごめんなさいねぇ、あの子は新人で……貴女は無理矢理連れてこられたと聞いているわ。腕輪は外したくないのよね?」
別の年配の侍女は困ったように息を吐いた。
「はい」
「じゃあ、この布を手首に巻いておきなさい。王子に不敬になってしまいたくないならその腕輪は隠しておくのが賢明よ」
「……」
無理矢理連れてこられたとはいえ、不敬罪になってリンの元へ帰れなくなるのはもっと嫌だ。ビオラは渋々布を受け取って手首に巻いた。
「ええ、いいわ。さぁ、王子がお待ちよ。行きましょう」
侍女に手を引かれるまま、王子がいるという部屋へと向かう。
ーーーーだが、そこには王子はいなかった。
「ルビー⁇」
「な、なんで⁇」
よろりと足元がふらつく。
「髪が……」
誰が想像しただろう? この国にもと婚約者がいるだなんて。
慌てて踵を返そうとしたビオラは強い力で腕を掴まれ引き戻される。
「ルビー! 貴女はやはり悪魔になど憑かれていなかったのですね!!!!」
「いいえ! 私は悪魔に憑かれております!!!!」
反射だった。叫ぶように告げる。
「いいや、貴女は天使だ。女神の御使だ。その美しい髪が何よりも証拠」
強く抱きしめられ、皇子の肩に顔を押し付けた体勢のビオラ。その髪を皇子は愛おしそうにスルリと撫ぜる。
「お、皇子。やめてくださいませ。私には旦那がおります」
もうこの際どうでもいい! と、ビオラは震える声でそう言った。
しかし、皇子の彼女を撫でる手は止まらなかった。だんだんと降りてくる手は、そのまま腰にまで到達する。
「ルビー、そなたのことだ。無理矢理結婚させられたのだろう? それでなければここにいるはずが無い。そなたの夫は貴女を売ったんだ」
「ーーーーっ!?」
囁くような声と共に、湿ったリップ音がビオラの耳に響く。震えと声にならない悲鳴がビオラの口から漏れた。
皇子はこんな人だっただろうか? 常に穏やかで良識のある人ではなかったか⁇
だんだんと頭が朦朧としてくる。皇子がビオラの抵抗を封じようと肩に顔を押し付ける力が強すぎるのだ。そのせいで、息が満足にできない。ビオラの意識が遠のく。
しかし、その意識を取り戻させる者がいた。
『すみれ!!!!!!!! 今行く!!!! 待ってて!!!!』
頭の中で響くビオラの最愛の人。
「あ、き……」
「いま、何と⁇」
皇子の驚く声がする。しかし、ビオラはそれどころではなかった。
『りん! りん!!!! 助けて!』
『待ってて、今行くから!』
空間が歪む。それは凛が日本に戻るときに使っていた魔法にも似ている。
「すみれ!!!!!!!!」
この場にいるはずのない人の声が聞こえたと思った瞬間、ビオラは力強い馴染みのある腕に抱かれていた。
「あき!!!!」
「そなたは誰だ!?!?」
訝しげに凛を見る皇子に、凛は堂々と名乗る。
「すみれ、いや、ルビーの夫だ」
そして、ちゃっかり着いてきたビオラの母も名乗っていた。
「そして、私の義息子でもあるのよぉ」
「め、女神様!?!?」
当然、その場は大混乱。
しばらく落ち着いてから、ビオラの母こと女神はニコニコしながら告げた。
「ウチの子が可愛いのはよ~く知ってるわ。でもね、貴方にはお嫁に行かせられないの。だってもうこの子には運命がいるから。諦めてちょーだい! それと、そちらで監視していらっしゃる王子と教皇様もよぉ⁇ うちの子モテモテだけどあげられないわぁ~もし、奪おうとしたらお仕置きしちゃうから!」
ぶわりと女神が浮かぶ。そして凛とビオラを祝福するように光のベールで覆い、パチンと指を鳴らした。
パンッと弾けた光は部屋を明るく照らし、どう見ても2人は女神に祝福を受けていると見せつけた。
「この世に干渉しないのでは…?」
「それは時と場合によるのよ。もうスリルは味わってもらったから、お母さん、あとは2人には甘々な生活してほしいわぁ」
締まりのない言葉で締め括った女神は微笑みながら天に帰った。
「あー……」
「えー……」
「うぅ……」
「では、失礼致します。今後、私たちに接触しないでいただきたい」
消化不良の王子たちを残して、ビオラと凛は家へ帰ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「皇子……」
茫然としている皇子に従者が声をかける。
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皇子の絶望した声だけが静かな部屋に溶け込むようにして消えていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この日以降、教会はルビーの捜索を取りやめた。そして、ルビーを攫おうと企んでいた村長の息子は待ち伏せしていた場所に運悪く雷が落ちたらしい。
みみず腫れのような跡が顔にできてしまい、不吉といわれ女性から逃げられているそうだ。
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そして、この物語の主人公であるビオラと凛は新しく土地を見つけ今は幸せに暮らしているそう。2人がいる村は幸運が舞い降り、後に商売の聖地となった。
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「すみれ、おいで!」
「りん!」
見目麗しい2人が仲睦まじい様子で商店街を歩く。それを村人はほっこりとした様子で見守るのだった。
「なんたってあの子らは私達の癒しだからねぇ」
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【おしまい】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ありがとうございました!!!!
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