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第90話 真夏の決闘・ゆりな対麗央①猫科系歌姫
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ゼノビアが提灯小僧の首を落とそうと画策するちょっとしたトラブルに見舞われたものの無事、提灯小僧は歌姫ファミリーの一員に迎えられた。
プロデュースも成功し、『歌姫』ファミリーは向かうところ敵なしである。
提灯小僧は件の怪異専用集合住宅に入居し、あれ以来、日本各地を回り、積極的な活動を続けている。
イリスとイザークはダリアの協力もあり、コラボレーション企画として、知る人ぞ知る穴場の怪奇スポットを可愛い女の子とかわいいわんこのトリオが訪問するライブで好評を博していた。
『歌姫リリー』の唄で覚醒た人々を管理する団体・世界覚醒者管理協会も正式に活動を始めている。
怪異退治やダンジョン内部の探索をYoTubeでライブ配信出来るのもそう遠くない日に迫っていた。
ゼノビアも雷邸を離れ、得意な諜報活動に勤しんでいる。
ユリナが義母である光宗博士から、秘密の依頼を受けたからだった。
内偵すべき人物二名を探るべく、まずは中部地方のN市へと飛んだ。
雷邸には珍しく、ユリナと麗央の二人きりである。
正確には二人きりではないが……。
屋敷の維持に必要な使用人の亡霊が複数人、控えてはいるのだ。
ただし、彼ら亡霊はユリナの許可か、呼び出しがない限り、姿を現さない。
だから、二人きりである。
ユリナは思った。
どうして、私、こんな水着を着たの? と……。
麗央は思った。
何で俺、水着のユリナとこんなことしてるんだ? と……。
二人がそのような状況に陥った理由を知るには少々、時を巻き戻さねばならない。
事の発端は些細なものだ。
邪魔者がいてもいなくても二人の距離感はあまり、変わらない。
ほぼ零距離に等しく、ぴったりと寄り添っている。
麗央は日課ともなっている愛用の刀である『雷切』の手入れに集中していた。
稲妻そのものが刀の形を成していると称せられる雷切である。
切れ味の鋭さは言うまでもなく、当然のように取り扱い注意なのだが、こういう時、ユリナの反応が面倒なことになるのだ。
自分の方を向いていないと気付いたユリナは動き始める。
もっとかまえと言わんばかりに麗央の腕に自分の体を押し付ける。
自重を思い切りかけるものだから、麗央はたわわな二つの果実をもろに肌で感じることになる。
これが冬場であれば、長袖を纏っているからいいもののまだ、暑い盛りのことである。
年頃の男子である麗央にとって、堪ったものではない。
集中したいのに集中出来なくなる要因が、ぴったりくっついているのだ。
「かまえにゃ☆ もっとかまえにゃ☆」とまとわりついてくる猫のようだが、より質が悪い。
ユリナは麗央が反応していることを理解したうえで行動しているのだから。
プロデュースも成功し、『歌姫』ファミリーは向かうところ敵なしである。
提灯小僧は件の怪異専用集合住宅に入居し、あれ以来、日本各地を回り、積極的な活動を続けている。
イリスとイザークはダリアの協力もあり、コラボレーション企画として、知る人ぞ知る穴場の怪奇スポットを可愛い女の子とかわいいわんこのトリオが訪問するライブで好評を博していた。
『歌姫リリー』の唄で覚醒た人々を管理する団体・世界覚醒者管理協会も正式に活動を始めている。
怪異退治やダンジョン内部の探索をYoTubeでライブ配信出来るのもそう遠くない日に迫っていた。
ゼノビアも雷邸を離れ、得意な諜報活動に勤しんでいる。
ユリナが義母である光宗博士から、秘密の依頼を受けたからだった。
内偵すべき人物二名を探るべく、まずは中部地方のN市へと飛んだ。
雷邸には珍しく、ユリナと麗央の二人きりである。
正確には二人きりではないが……。
屋敷の維持に必要な使用人の亡霊が複数人、控えてはいるのだ。
ただし、彼ら亡霊はユリナの許可か、呼び出しがない限り、姿を現さない。
だから、二人きりである。
ユリナは思った。
どうして、私、こんな水着を着たの? と……。
麗央は思った。
何で俺、水着のユリナとこんなことしてるんだ? と……。
二人がそのような状況に陥った理由を知るには少々、時を巻き戻さねばならない。
事の発端は些細なものだ。
邪魔者がいてもいなくても二人の距離感はあまり、変わらない。
ほぼ零距離に等しく、ぴったりと寄り添っている。
麗央は日課ともなっている愛用の刀である『雷切』の手入れに集中していた。
稲妻そのものが刀の形を成していると称せられる雷切である。
切れ味の鋭さは言うまでもなく、当然のように取り扱い注意なのだが、こういう時、ユリナの反応が面倒なことになるのだ。
自分の方を向いていないと気付いたユリナは動き始める。
もっとかまえと言わんばかりに麗央の腕に自分の体を押し付ける。
自重を思い切りかけるものだから、麗央はたわわな二つの果実をもろに肌で感じることになる。
これが冬場であれば、長袖を纏っているからいいもののまだ、暑い盛りのことである。
年頃の男子である麗央にとって、堪ったものではない。
集中したいのに集中出来なくなる要因が、ぴったりくっついているのだ。
「かまえにゃ☆ もっとかまえにゃ☆」とまとわりついてくる猫のようだが、より質が悪い。
ユリナは麗央が反応していることを理解したうえで行動しているのだから。
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