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第2章 自由都市リジュボー

第56話 推理をする暇を与えてくれません*

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 アンがギルドの受付で教えてもらった宿は『かもめの水兵亭』というちょっと変わったお名前でした。
 「何でも店主のイシドロさんが元海兵だったからそうですよぉ」という話ですけど、詳しく聞くと正確には海兵ではないことが分かります。
 専属料理人として、軍船に乗っていた軍属が正しいのです。

 でも、専属料理人として、辣腕を振るっていた方なら、宿の料理の味はかなり期待出来るのではなくって?
 ギルドが推薦するだけあって、セキュリティの面でもしっかりとしているようですし、問題ありませんわね。

「共通点は男性である点と死因だけではないですわ」

 ベッドにうつ伏せに寝そべりながら、ギルドの用意してくれた調書に目を通し、疑問を感じた点を口にします。
 レオの視線が何だか、一点を見つめているようですけど。

「リーナ、その姿勢だと胸が…」

 彼が何を言いたいのかは分かりますわ。
 これでも前よりは多少、育った気がするのです。
 ただ、うつ伏せになっても苦しくはありません。
 そこまでは育ってないということかしら?
 余計に潰れるので仰向けになれと言いたいのかしら?
 それなら、仰向けに寝るべきよね。
 薄い寝衣を着てますから、仰向けに姿勢を変えただけで肩紐のリボンが外れ、少々、乱れてしまったようです。
 レオしか、いないのですから、別に多少見えたとしても気にする必要はないですけど。

「年代もバラバラ、容姿に共通点もないように見えますでしょ?でも、一つだけ大きな共通点があって…やぁん。レオ?」

 レオは胸の形が崩れるのを気にしていたのではなく、単に興奮していただけですのね?
 調書に集中するあまり、彼の顔を良く見てなかったのが悪かったとしか、思えませんもの。
 全く、気付かなかった私が迂闊だったということですわ。

 ただ、気付いていたとしても、どうにか出来たかは怪しいかしら?
 結ばれたリボンを次々と静かに解いていくレオの指。
 リボンの次に選んだ標的は胸の蕾でした。
 摘まんで感触を楽しむように転がしてきます。
 前よりもうまくなってません?
 気のせいではないと思いますの。
 揉みながら、摘まんだり、抓ったりが上手すぎて、駄目ですわ。

「どうしたの、リーナ?続けていいよ」
「あんっ。そこはダメだってば、真面目に話を…んっ」

 レオに啄むように唇を奪われると抵抗しようにも身体に力が入りませんから、もうされるがままになってしまいます。
 先程まで話そうとしていた内容なんて、どこかへ飛んでしまって、彼の首に腕を絡めてしまいました。
 自分から強請ねだる行為をはしたないと思いつつもレオを求めてしまう本能は止めることが出来ません。
 何度も口付けを交わしている間に生まれたままの姿にされています。
 『どうしてこんなに手慣れてますの?』と疑問に思う暇すら、与えてくれませんのね?

「それ、すごいの…あんっ、やぁ」

 胸の蕾を口に含んだレオが舌先でそれを弄ぶように転がしたかと思うと歯で優しく、噛んだのです。
 噛んでから、また口に含んで優しく吸ったり、舌先で刺激してくるから、ただ翻弄されるだけですわ。
 今度はちょっと強めに蕾を齧られて、軽く意識が飛びました。
 胸を弄ばれただけで達するなんて、まずいですわね…。
 気づかれたのかしら?
 そんな私の様子を見たレオったら、さも満足そうに薄っすらと微笑むんですもの。
 体勢を変えられて、気づいた時には両膝をしっかりと掴まれてました。
 思った以上に力強く掴まれましたから、焦りを感じたのですけど、時すでに遅しだったのです。

「やだぁ…それ、恥ずかしいってばぁ」

 膝を掴まれ、足を広げられた状態にされているのでレオの前に大事な部分が完全に晒しているのです。
 顔から火が出るどころか、恥ずかしくて心臓が止まりそうなのですけど!

「あんっ」

 見られているだけでも刺激が強いんですのよ?
 もう少し、手加減をしてくれてもよろしいのではなくって。

「舐めてもいいよね?」

 駄目って、言ってもするのでしょう?
 快感に流されるまま、無言で頷いてしまいました。
 熱い息遣いが入り口に当てられるのを感じ、ザラザラとした彼の舌が秘裂をゆっくりとなぞるように舐め始めます。
 あの舌、本当に刺激が強いんですもの。
 あんなのでかき回されたら、もっと気持ちがいいのかも…上から下まで何度も丁寧に舐められただけで己を見失うほどの妄想を始める自分が怖いですわ。

「いやぁ…あんっ、あっ……いいのぉ」

 嫌なのに嫌ではなくて。
 気持ちいいと感じるのは頭がおかしくなったからですの?
 涙で潤んで滲む視界のまま、レオを見つめるとその瞳に籠る熱量は尋常ではありません。
 欲望に滾った一人の男がそこにいるのに拒むことが出来ません。
 いいえ、むしろ受け入れたいのです。

「リーナ、いいかな?」

 分かっているのに聞くなんて、意地悪ですわ。



 解放されたのはそれから、二時間後です。
 『いいかな?』と聞くから、てっきり…その…あの……してくれるのかと思ってましたのにすぐにはしてくれなかったんですもの。
 散々、舌と指で息が絶え絶えになるまで弄ばれて、ぐったりしたところをおいしく頂かれました。
 レオが達するのは相変わらず、ちょっと早くて。
 でも、回復するのも早いから、繋がったままで何回も愛されて、すごく幸せで…。
 などと言っている余裕ないのですわ!
 夕食までなんと一時間を切ったのです。
 お風呂に行きませんと二人とも汗をかいていますし、その…あの…ええ、とても汚れてますから。

 船旅が終わったので転移の魔法を使っても安心です。
 当然のようにお城の大浴場に向かったのですけど、それが良くなかったのかしら?
 慣れている場所ですから、盛り上がったのですわ。

「レオってばぁ…間に合わなくなっちゃうって…んっ、これダメぇ。深い…やぁ、いいのぉ」
「すごいよ、これ。気持ちいい?」

 返事の代わりに嬌声を上げて、頷くことしか出来ません。
 洗い場に座るレオに跨って、身を預けたら、凄かったんですもの。
 彼のモノが肉を分けいるように入ってきて、奥深くまでも貫くのですから。
 コツンと扉をノックされるような。
 妙な感覚を覚えましたわ。
 そして、膣中なかに放たれたレオの熱い精も感じました。

 いつもの体位では感じない深い位置に挿入はいってくる彼の怒張から与えられる強い刺激にいつしか、ただ快感を貪るだけになってしまって。
 レオはレオで私の体を貪って、愉しむのに夢中で。
 時間を忘れていたのです。

 お風呂できれいになるどころか、余計に汚れたのではないかしら?
 でも、終わりではなかったのです。
 それから、互いの身体をきれいにするという名目で止まることなく、求め続けてしまったのですから。

 結局、夕食が一時間遅れになってしまいレオともども、アンに軽く説教されることになるのですけれど、それはまた別の話ですわね。
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