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後書きと人物設定ネタバレ

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 ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

 この物語、実は『平家物語』……というよりも源平時代の歴史人物をモチーフにして、描かれていました。
 気が付かれた方はほとんど、おられないと思うのでその辺りのネタバレも兼ねた登場人物設定集をちょっとだけ、公開しておきます。
 フォルネウス公爵家が平氏でカラビア家が源氏でした。
 ウィステリア家も出てきますが、あれは実は藤原氏です。



トリスタン(ベアトリス)・フォルネウス
 平家の平知盛。
 主人公の少女。
 前世ではフォルネウス家の三男として、軍を率いていたが本当はフォルネウス家の長女。冥府の女王の気紛れで八歳からの人生をやり直す機会を与えられた。
 銀髪、マリンブルーの瞳で黙っていれば、儚い美少女に見えないこともないが見た目に反して、非常に男っぽいところがある。
 前世では知将だった割にすぐに足を出す脳筋思考。

ナイジェル・フォルネウス
 平家の平宗盛。
 ベアトリスの六歳上の同母兄。フォルネウス家の次男。
 ちょいぽちゃで見た目も丸っこいが人柄も穏やかで丸っこい。
 前世では異母兄ジェラルドが夭折した為、一族を率いる立場になったが優柔不断な性格が仇となってしまった。

キャメロン
 平宗盛の正室・清子。
 ベアトリスの七歳上。ベアトリス兄妹の実母キャサリンの異母妹なので血縁上は叔母にあたる。
 ナイジェルの許嫁で後に妻となる。おっとりふわふわ系令嬢だが、実は夫の手綱をしっかりと握っているタイプ。

ジェラルド・フォルネウス
 平家の平重盛。
 ベアトリスの十五歳上の異母兄。フォルネウス家の長男。
 温厚篤実、質実剛健などの四字熟語が似合う色々な物を持ち合わせたいわゆるスパダリ。
 前世では病により、父親より先に死んでいる。頼りになる後継者を失ったフォルネウス家が緩やかに滅ぶ一因となった。

ツェツィーリア
 平重盛の正室・藤原経子。
 ジェラルドの妻。
 ベアトリスにとって、義姉にあたる人。夫から、領地の経営を任されており、その手腕の高さでも評価されている頼りになる義姉。

コンラッド
 平家の平維盛。富士川の合戦で平家側の総大将を務めた御曹司。
 ジェラルドの嫡男。特に出番はない。

チェニェク・ウィステリア
 藤原経子の兄・藤原成親。鹿ケ谷の陰謀で反平家に与して、殺されている。
 ツェツィーリアの兄。
 官僚としての政務能力は優秀な人。

シリル・フォルネウス
 平家の平重衡。
 ベアトリスの五歳下の同母弟。
 愛らしい容姿に純真無垢な性質とフォルネウス家のいいところどりをしたフォルネウス家の末子。
 前世ではトリスタンの信頼する一族の将として、一軍を率いていた。部下が神殿への焼き討ち事件を起こしたことでカラビアの軍に捕らえられた後、処刑されている。

クローディア・フォルネウス
 平家の建礼門院徳子。
 ベアトリスの三歳下の同母妹。
 従弟であるノエルの元に嫁ぎ、トレーシー(安徳天皇)を産む。
 気が強く、しっかりしているところはベアトリスと同じで母親似。

キース・フォルネウス
 平家の棟梁・平清盛。
 フォルネウス公爵家の当主で鬼のキースの異名を持つ大貴族にして、やり手の政治家。意外と家庭的で愛妻家(恐妻家?)としても知られている。
 子供にも甘く、長女のベアトリスも溺愛気味。

ダリル・フォルネウス
 歌人としても知られる平家の平忠度。
 キースの異母弟。ベアトリスよりも八歳上の叔父だが、年が近いせいか兄のような存在。
 武人としても優れた人だが、ベアトリスが頼りにする人として名が挙げられただけで出番はない。

キャサリン・フォルネウス
 平清盛の正室(継室)・平時子。
 キースの継室。前妻と死別したキースの元に嫁ぎ、ナイジェル、トリス、シリル、クローディアを産んだ。
 美貌と才覚で知られ、貴婦人の鑑のように言われているが気の強さと裏表の切り替えの早さはフォルネウス随一。

マリエッタ・ノルドヴィーア
 北条政子。
 ベアトリスの五歳下の族妹。
 東方の貴族の娘で学院に通う為、フォルネウス家が養女扱いで面倒を看ている。
 リチャード・カラビアのことが大好き。

マクシミリアン
 後白河天皇。
 皇帝。
 老練な政治家であり、年上のキースとモーガンを相手にしても一切、妥協しない名君の誉れ高い王。ただし、出番はない。

ノエル
 高倉天皇。
 従姉にあたる姐さん女房のクローディアを妻に迎える。八歳で皇太子となる。

ジュリアナ
 平滋子。高倉天皇の母。
 キャサリンの妹で皇后。
 前世では三十四歳で病の為に死去。ノエルの母。

ザカライア(・ウィステリア)
 信西入道(藤原通憲)。
 政界の怪物と呼ばれる枢機卿。
 マクシミリアンの腹心。

ノーマン
 能円。平時子の異父弟。
 キャサリンの異父弟でザカライア枢機卿の部下。
 都で起きようとしている異変について、フォルネウス家に知らせてくれた人。

ブランドン・ウィステリア
 藤原信頼。信西と対立した院政派の政治家。
 マクシミリアンに仕える近臣の一人。
 ザカライアとは対立関係にある。
 前世ではカラビア家と結び、ザカライアを殺害したが事態を収めたフォルネウス家に処断されている。

エリカ・ラビクル
 モデルはなし。
 ラビクル男爵家令嬢。ベアトリスの親友。
 隠れフードファイターの素質があり、自分が大食いであるという自覚はない。

モーガン・カラビア
 源氏の棟梁・源義朝。
 カラビア家当主。
 金髪、孔雀色マラカイトグリーンの瞳のイケオジ。
 若い頃から、社交界で名の知れたプレイボーイだった。
 キースとは親友というよりも悪友。

ライオネル・カラビア
 源氏の源義平。
 モーガンの庶長子。トリスの十二歳上。
 悪鬼喰らいイービルイーターの異名を持つ英雄でもある。
 金髪、苔色モスグリーンの瞳の美丈夫だが、どこか捻くれている。
 前世ではベアトリスと出会う前に内乱の罪で一族とともに処刑されている。

リチャード・カラビア
 源氏の源頼朝。
 モーガンの嫡男。トリスの五歳上。
 巻き毛のような癖の強い金髪、艶の無い緑マットグリーンの瞳をしたどこか、冷たい雰囲気を纏った少年。
 氷の貴公子などとも呼ばれているが、実はコミュ障気味なだけ。

ネイト・カラビア
 源氏の源義経。
 トリスの三歳下。モーガンの三男。
 ライオネル、リチャードの異父弟。
 前世ではカラビアの軍を率いて、フォルネウスを追討し、滅ぼした英雄だった。トリスタンとも何度も激突し、最後の戦いとなるダンケルクでも相対している。

メイナード・カラビア
 源為義。源義朝の父。
 モーガンとタイタスの父親。
 本編が始まる前に故人になっている出番が無い人。
 特に優れた人物ではない。

タイタス・カラビア
 鎮西八郎。源為朝。
 トリスの十四歳上。モーガンの異母弟。
 やや左手が長く、長身のライオネルよりもさらに一回りは大きい巨躯を誇る英傑。
 見た目は恐ろしいが、気は優しくて力持ちなので子供には人気がある。

ホリー・カラビア
 坊門姫。源頼朝の同母妹。
 トリスの二歳下。モーガンの娘。
 リチャードの同母妹であまり友人が多いとはいえないベアトリスの数少ない友の一人。

ユーフェミア・カラビア
 由良御前。源頼朝の母親。
 リチャードの母。既に故人。

カルヴィン・ファンダメント
 源氏の源義仲。
 トリスの二歳下。
 カラビア家の子息らとは従兄弟関係にあるが、辺境の地で育った為にかなり独特の感性を持つ野生児。
 ただし、見た目だけはカラビア家の特質を継いできれいなのでギャップがすごい人。

トゥーナ・ウェルダラネス
 源義仲の側室・巴御前。
 カルヴィンの許嫁。
 ファンダメント家に仕えるウェルダラネス家の娘で見た目は美少女だが、訛りが強いん。
 また、小柄で華奢な見た目に反して怪力の持ち主で片腕だけで大の大人を簡単に持ち上げられる。
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