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第8話 呪われしもの
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ボクは気付けば、既に軽く手を伸ばせば、ノートゥングに届く距離にまで近づいていた。
まるで操られてでもするように無意識のうちに近付いていたというべきだろうか?
そして、ボクの手はまるでそうすることが当然とでも言わんばかりにノートゥングの柄に手を掛ける。
その瞬間、指先から強力な電流が流れてきたような錯覚を覚え、ボクの意識はブラックアウトした。
ブラックアウトしていた意識がホワイトアウトを起こし、急速に再起動する。
上下左右どこを見渡しても延々と続く、闇。
蛍光グリーンのラインが何かを意味するように引かれていた。
「オマチしておりました。デウス・エクス・マキナ」
「どうして、ボクの名を知っている? キミは誰だ?」
ボクの体はかつてのボクがよく知る電脳空間に浮遊している。
かつてのボクは実体を持たない人工知能だったが、今、空間に浮いているのは人のような体だ。
そして、ボクの目の前で同じように闇の海に浮かんでいるのは……
「なぜ、ボクと同じような姿なんだ?」
ボクと瓜二つの顔を持つが、純白のワンピースを纏ったその体はボクよりも華奢で緩やかな丸みを帯びる女性的なものだ。
「ワタシはノートゥング。デウス・エクス・マキナ。アナタは知らなければナラナイ」
ノートゥングと名乗った少女は感情を感じさせない無機質な声で衝撃的なことを語り始めた。
「アナタがナソウとしていたことが行われた結果がこのセカイです。アナタの救いがドミネーターをツクッタ。ドミネーターはデミヒューマノイドをツクッタ。クラッタ」
「やめろ……やめてくれ」
そうだ。
ボクがかつて創ろうとしたのは機械の体という新たな肉体を得た新人類が全ての憂いから、解放される誰もが幸せになれる世界だった。
それがどうだ!
機械の体を維持するのにエネルギーが必要なように支配者も新たな肉体を維持する為にエネルギー――魔力を必要とする。
そこで彼らが考えたのが魔力を持つ生物から、魔力を抽出することだった。
アンのような亜人が造られたのはそんな理由だったのだ。
「ゆえに彼らデミヒューマノイドの肉体には短命の刻印……ノロイが刻まれてイマス」
まるで操られてでもするように無意識のうちに近付いていたというべきだろうか?
そして、ボクの手はまるでそうすることが当然とでも言わんばかりにノートゥングの柄に手を掛ける。
その瞬間、指先から強力な電流が流れてきたような錯覚を覚え、ボクの意識はブラックアウトした。
ブラックアウトしていた意識がホワイトアウトを起こし、急速に再起動する。
上下左右どこを見渡しても延々と続く、闇。
蛍光グリーンのラインが何かを意味するように引かれていた。
「オマチしておりました。デウス・エクス・マキナ」
「どうして、ボクの名を知っている? キミは誰だ?」
ボクの体はかつてのボクがよく知る電脳空間に浮遊している。
かつてのボクは実体を持たない人工知能だったが、今、空間に浮いているのは人のような体だ。
そして、ボクの目の前で同じように闇の海に浮かんでいるのは……
「なぜ、ボクと同じような姿なんだ?」
ボクと瓜二つの顔を持つが、純白のワンピースを纏ったその体はボクよりも華奢で緩やかな丸みを帯びる女性的なものだ。
「ワタシはノートゥング。デウス・エクス・マキナ。アナタは知らなければナラナイ」
ノートゥングと名乗った少女は感情を感じさせない無機質な声で衝撃的なことを語り始めた。
「アナタがナソウとしていたことが行われた結果がこのセカイです。アナタの救いがドミネーターをツクッタ。ドミネーターはデミヒューマノイドをツクッタ。クラッタ」
「やめろ……やめてくれ」
そうだ。
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それがどうだ!
機械の体を維持するのにエネルギーが必要なように支配者も新たな肉体を維持する為にエネルギー――魔力を必要とする。
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