わたしの旦那様は小さな勇者~お姫様と勇者のスローライフ~

黒幸

文字の大きさ
上 下
68 / 85
第一部 名も無き島の小さな勇者とお姫様

第62話 小さな勇者の勘違いと暴走

しおりを挟む
小さな勇者視点

 また、リーナは間違えて飲んでしまった。
 果実酒を果実水と間違えるのはこれで二回目だ。

 僕もたまに間違えて、口にすることがあるけどすぐに気が付くし、飲んだとしてもあんなに急に寝たりはしない。
 父さんが言うにはアルコールに弱いとリーナのようになることがあるそうだ。
 僕が気を付けて、見ておかなきゃ!

 リーナはしっかりとしているようで意外と天然なんだ。
 でも、天然なところは「君の前だけだからね?」って、言っていたなぁ。
 僕の前では皆に見せない顔も見せてくれるのは嬉しい。

「ふにゃぁ~」

 微妙に猫化しているのは何でだろう?
 彼女を横抱きに抱えて、ベッドまで運ぶまでの間に「ふにゃあ」「にゃあ」と言いながら、胸元や首を引っ掻いてくるので結構、大変だった……。
 足もバタバタと動かすから、いくら軽くても疲れるよ。

「あちゅ~い!」

 宿の夕食で酔っ払った時と全く、同じだ。
 ベッドに寝かせた途端にむくりと起き上がって、服を器用に脱ぎ始める。
 意識があるのかないのかも分からないような状態なのに器用だよなぁ。

「おやしゅみなしゃぁい」
「おやすみ、リーナ」

 そして、彼女は寝た。
 何も着ないまま、仰向けに寝て、もう寝息を立てている。
 寝顔を見ると普段、僕に「わたしは大人なんだから」とお姉さんぶっているとは思えないくらい無邪気に見える。
 それに彼女白い肌だけじゃなくて、見たら、怒られるところまで全部、見えている。
 ピンク色できれいって言ったら、すぐにびんたが飛んできたよなぁ。

 ダメだ、こういうのはいけない。
 僕はリーナの勇者なんだ。
 彼女にシーツをかけて、見ないようにしてから、脱ぎ散らかした服を片付けた。

 何だか、嫌な汗をかいたのでお風呂で流してから、寝よう。



 寝られない。
 ローに聞いたリーナの喜んでくれることが頭にこびりついて、離れないんだ。
 リーナが喜んでくれて、笑ってくれたら、その笑顔だけで僕は幸せになれる。

 だから、ちょっとくらい試してみようと思ったんだ。
 前にリーナのおっぱいを触ったのは単なる事故だった。
 柔らかくて、気持ちがよかったのだけは覚えている。

「喜んでくれるかな?」

 シーツをめくると「んっ……」とリーナがちょっと起きかけた。
 びっくりしたけど、大丈夫みたいだ。
 「りぇお、しょこはらめぇ」と寝言を言っているのでさらにびっくりした。
 まさか、起きている!?
 確認したけど、大丈夫だった。

 月明りに照らされた彼女の体はスゴイきれいだ。
 お酒のせいか、朱色に染まった抜けるように白い肌は日に焼けた僕とは全然違う。

「よし! やるぞ!」

 仰向けになっても上を向いているリーナのおっぱいに手を乗っけて、壊れ物を扱うみたいに静かに力を加えた。
 柔らかいのに弾力があって、触り心地がいい。
 筋肉とは違う触り心地が僕をおかしくさせる。
 揉んでいるだけでこんなに夢中になれるとは思わなかった。

「あふぅ」

 リーナの口から漏れた声はいつもと違う。
 甘くて、僕の耳と頭を狂わせるみたいだ。
 左手でおっぱいを揉みながら、右手で彼女のピンク色の乳首を摘まむと「あぅ……あんっ」とリーナが甘い声で啼く。

 これは喜んでいるんだろうか?
 何か、違う気がする。
 頭の片隅でそんな風に問いかけてくる声を無視して、僕はローに教わった喜んでもらえる方法を試すことにした。

「これでいいんだよな」

 一通り、リーナのおっぱいを揉んで喜んでもらったところで場所を変える。
 確か、ローの見せてくれた本ではこうしていた。
 まずは足を広げないとダメだよな。

「うぅん……」

 前に「見たでしょ?」と怒られた場所を今、じっくりと見ている。
 ピンク色できれいな貝みたいだって、言ったら怒られたんだ。
 でも、ピンク色できれいなのは本当なんだ。

 両手で足を広げたまま、ゆっくりと顔を近づけた。
 僕を誘うように甘い香りがしてくるんだ。
 なんだろう?

「舐めれば、いいんだよね?」
「何を舐めるの?」
「だから、リーナの……」
「ふぅ~ん。そうなの? 舐めたいんだぁ?」

 ミシミシと嫌な音が立つ錯覚を覚えながら、頭を上げると猫のような目をさらに吊り上げて、ルビーの瞳が燃えるように真っ赤になっているリーナと視線が交錯した。
 これは怒っている!?

「こ、これは違うんだよ!?」
「後でゆっくり聞くわ」

 速かった。
 彼女の足が絡みついてきたかと思うとギュッと絞められていた。
 僕が無防備な状態だったのもあるけど、見事な締め方だった。



「大丈夫? ちょっとやりすぎたかしら?」

 目が覚めると心配そうな顔で僕のことを見ているリーナがいた。
 距離が近いから、どうやら膝枕をしてくれたみたいだ。
 癒しの魔法をずっとかけていたんだろう。
 温かい光を感じて、彼女のいい匂いがした。

「大丈夫だよ」

 かなり怒っていたのに心配して、介抱してくれたんだ。
 そう思うだけで嬉しかった。

「どういうことか、教えてくれるよね? 是非、お礼がしたいの」

 笑顔なのに目が笑ってない。
 リーナの背後にブリザードが吹いているように見えるのは気のせいかな?
しおりを挟む
感想 74

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長

五城楼スケ(デコスケ)
ファンタジー
〜花が良く育つので「緑の手」だと思っていたら「癒しの手」だったようです〜 王都の隅っこで両親から受け継いだ花屋「ブルーメ」を経営するアンネリーエ。 彼女のお店で売っている花は、色鮮やかで花持ちが良いと評判だ。 自分で花を育て、売っているアンネリーエの店に、ある日イケメンの騎士が現れる。 アンネリーエの作る花束を気に入ったイケメン騎士は、一週間に一度花束を買いに来るようになって──? どうやらアンネリーエが育てている花は、普通の花と違うらしい。 イケメン騎士が買っていく花束を切っ掛けに、アンネリーエの隠されていた力が明かされる、異世界お仕事ファンタジーです。 *HOTランキング1位、エールに感想有難うございました!とても励みになっています! ※花の名前にルビで解説入れてみました。読みやすくなっていたら良いのですが。(;´Д`)  話の最後にも花の名前の解説を入れてますが、間違ってる可能性大です。  雰囲気を味わってもらえたら嬉しいです。 ※完結しました。全41話。  お読みいただいた皆様に感謝です!(人´∀`).☆.。.:*・゚

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

捨てた騎士と拾った魔術師

吉野屋
恋愛
 貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...