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第一部 名も無き島の小さな勇者とお姫様
第12話 小さな勇者の奮闘
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小さな勇者視点
リーナと湖を見に行ったら、温泉が見つかった。
あのスゴイ水の柱が温泉なのかと思うとワクワクしてきた。
それでリーナをおんぶしようとしたら、チビって言われた……。
そりゃ、リーナの方が背は高いよ。
でも、僕は彼女のことを心配して、おんぶしようと思ったのに酷いや。
それなら、抱っこしかない!
彼女が目を逸らして、隙があったから横抱きに抱えて、走ることにしたんだ。
なぜか、リーナは頬が赤くなっていて、まるで恥ずかしがってるみたいで……かわいいと思った。
走っているから、ドキドキするのかな?
それともリーナを抱えているから、ドキドキしているんだろうか?
どっちなのか、分からないけど、リーナはどう思っているのかがスゴク気になった。
そのせいで彼女の様子に気が付かないまま、走ったのが悪かったらしい。
リーナは色が白くて、透き通った肌をしている。
今は青白くて、目は泳いでるし、喋り方までおかしくなっていた。
僕が思い切り、走ったので目が回っちゃったんだ。
彼女には木陰で休んでもらって、島のみんなを呼んだら、びっくりしていたなあ。
驚くとリーナの猫みたいな目がまん丸になって、かわいいんだ。
でも、急に悲しそうな目になって、妙なことを言った。
僕はそんなこと、気にしない。
リーナはリーナなんだ。
彼女が何だって、関係ない。
そう言ったら、また目がまん丸になっていた。
ちょっと潤んでいたから、どうしたんだろうと思ったら、吐き気がぶり返したらしい……。
リーナが具合が悪くなったのは目が回っただけ。
それで終わりだと思っていたんだ。
その日の夜も僕はリーナの抱き枕扱いだった。
さすがに何も着ないで寝るのはやめたみたいだ。
それでも薄着だから、彼女の白い肌がチラチラと見えて、気が散る。
新しい家になって、部屋もベッドも広くなったから、余裕があるはずなのになぜか、彼女はぴったりくっついて寝ようとするんだ。
リーナは体温が低いのか、島の夜は熱帯夜で寝苦しいから、僕も丁度良かったりするんだけど。
彼女は彼女で僕にくっついていると「温かくて、心地良いから」と微妙に視線を逸らして、恥ずかしそうに言ってたなあ。
顔が赤くなっていて、かわいいんだけど、それを言うと「勘違いしないで」と急に怒り出すから、よく分からない。
おかしなことが起きたのは翌日の朝だった。
すぐ隣にリーナの顔があって、なぜか、安心する。
すやすやと気持ちよさそうにしている彼女の寝顔はきれいで目を離せない。
でも、何か、違和感を感じたんだ。
ヌルッとするものが僕の腰にべったりと付いていた。
赤い。
血だ!
僕の血じゃない。
どこも痛くないし、怪我はしてない。
じゃあ、リーナのだ!
「リーナ! 大丈夫!」
「うぅ。痛い……」
「え!? どこが痛いの? 大丈夫?」
「始まっちゃった……」とリーナは良く分からないことを言っているけど、昨日よりも明らかに具合が悪そうだった。
僕は何か、出来ないのかとおろおろするだけで何も出来ない。
何が起きているか、分からなかったんだ。
「シーツを汚して、ごめんなさい」
「そんなことは気にしないでよ。僕に出来ることない?」
「ないわ……」
リーナはとても辛そうなのに助けることが出来ない。
それがただ、悔しかった。
結局、リーナは朝食にも起きてこれないで部屋からも出てこない。
彼女がまともに食事をとったのは夕食だけだ。
本当に辛そうだった。
ずっとお腹を押さえているし、顔色も悪い。
僕に出来ることはリーナの手を握って、声を掛けてあげるくらいだ。
「大丈夫? こんなことしか、出来なくてごめん」
「いいの。こうしているだけでもちょっとは楽だから」
辛いのに無理をして、はにかむような笑顔を見せてくれるリーナは優しい。
彼女は僕のことを優しくて、いい子と言うけど、それは君のことなのにと思うんだ。
今もこうして、僕のことを気にかけてくれる。
僕はどうすれば、いいんだろう。
考えたり、悩むのは苦手だ。
それよりも動いて、どうにかしたいと思う。
彼女がまともに動けない今、僕は何をするべきか。
それは一つしかない。
決めたぞ。
僕は……僕のやれることをやろう!
リーナと湖を見に行ったら、温泉が見つかった。
あのスゴイ水の柱が温泉なのかと思うとワクワクしてきた。
それでリーナをおんぶしようとしたら、チビって言われた……。
そりゃ、リーナの方が背は高いよ。
でも、僕は彼女のことを心配して、おんぶしようと思ったのに酷いや。
それなら、抱っこしかない!
彼女が目を逸らして、隙があったから横抱きに抱えて、走ることにしたんだ。
なぜか、リーナは頬が赤くなっていて、まるで恥ずかしがってるみたいで……かわいいと思った。
走っているから、ドキドキするのかな?
それともリーナを抱えているから、ドキドキしているんだろうか?
どっちなのか、分からないけど、リーナはどう思っているのかがスゴク気になった。
そのせいで彼女の様子に気が付かないまま、走ったのが悪かったらしい。
リーナは色が白くて、透き通った肌をしている。
今は青白くて、目は泳いでるし、喋り方までおかしくなっていた。
僕が思い切り、走ったので目が回っちゃったんだ。
彼女には木陰で休んでもらって、島のみんなを呼んだら、びっくりしていたなあ。
驚くとリーナの猫みたいな目がまん丸になって、かわいいんだ。
でも、急に悲しそうな目になって、妙なことを言った。
僕はそんなこと、気にしない。
リーナはリーナなんだ。
彼女が何だって、関係ない。
そう言ったら、また目がまん丸になっていた。
ちょっと潤んでいたから、どうしたんだろうと思ったら、吐き気がぶり返したらしい……。
リーナが具合が悪くなったのは目が回っただけ。
それで終わりだと思っていたんだ。
その日の夜も僕はリーナの抱き枕扱いだった。
さすがに何も着ないで寝るのはやめたみたいだ。
それでも薄着だから、彼女の白い肌がチラチラと見えて、気が散る。
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リーナは体温が低いのか、島の夜は熱帯夜で寝苦しいから、僕も丁度良かったりするんだけど。
彼女は彼女で僕にくっついていると「温かくて、心地良いから」と微妙に視線を逸らして、恥ずかしそうに言ってたなあ。
顔が赤くなっていて、かわいいんだけど、それを言うと「勘違いしないで」と急に怒り出すから、よく分からない。
おかしなことが起きたのは翌日の朝だった。
すぐ隣にリーナの顔があって、なぜか、安心する。
すやすやと気持ちよさそうにしている彼女の寝顔はきれいで目を離せない。
でも、何か、違和感を感じたんだ。
ヌルッとするものが僕の腰にべったりと付いていた。
赤い。
血だ!
僕の血じゃない。
どこも痛くないし、怪我はしてない。
じゃあ、リーナのだ!
「リーナ! 大丈夫!」
「うぅ。痛い……」
「え!? どこが痛いの? 大丈夫?」
「始まっちゃった……」とリーナは良く分からないことを言っているけど、昨日よりも明らかに具合が悪そうだった。
僕は何か、出来ないのかとおろおろするだけで何も出来ない。
何が起きているか、分からなかったんだ。
「シーツを汚して、ごめんなさい」
「そんなことは気にしないでよ。僕に出来ることない?」
「ないわ……」
リーナはとても辛そうなのに助けることが出来ない。
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ずっとお腹を押さえているし、顔色も悪い。
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「大丈夫? こんなことしか、出来なくてごめん」
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彼女は僕のことを優しくて、いい子と言うけど、それは君のことなのにと思うんだ。
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僕はどうすれば、いいんだろう。
考えたり、悩むのは苦手だ。
それよりも動いて、どうにかしたいと思う。
彼女がまともに動けない今、僕は何をするべきか。
それは一つしかない。
決めたぞ。
僕は……僕のやれることをやろう!
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