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第一部 名も無き島の小さな勇者とお姫様
第2話 お嫁さんがやって来た
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小さな勇者の視点
今日の獲物は大きな白身魚だ。
いつものように黄金鳥のピーちゃんと磯で釣りを楽しんでから、勢いよく我が家の扉を開いて、固まった。
「おう。帰ったか。レオ」
「ただいま。父さ……」
「おかえりなさい」
いつもとは違う。
見なかったことにして、扉を閉めた。
バタンとかなり、大きな音がしたがそんなことを気にしている余裕はない。
何で彼女がいるんだ!?
確認の為にもう一度見てみた。
父さんはいつもの席に座っている。
そして、僕の席の隣に当たり前のように座っている女の子が問題だ。
紅玉色の瞳を輝かせているのは……
「レオく~ん」
間違いない。
遠いところにいるはずの彼女。
ヘルヘイムを離れる時、会いに来てくれなかったお姫様だ。
ヒラヒラと小さく手を振っている姿は相変わらず、かわいい。
再び、扉を閉めた。
まずは深呼吸をしよう。
「すーはーすーはー」
認めるよ。
ピーちゃんと同じくらいかわいいって、認めるよ。
でも、彼女が僕のことを君呼びしてくる時は何か、悪いことを企んでいる。
一緒に旅をした時間は短かったけど、スゴイ長い時間を一緒にいたような変な気分だったし、不思議なくらいに彼女のことが分かったんだ。
だから、分かる。
あの表情は何かを企んでいる顔だ。
少し、落ち着いてきたぞ。
考えるんだ。
どうして、彼女がここにいるんだろう?
僕は神様に連れて行ってもらって、島に帰って来たんだ。
スゴイ遠いはずなんだ。
この島は船でしか、来られないぜっかいのことうだって、父さんも言っていた。
ここ数日どころか、最近、見かけた船影はない。
どうなってるんだろう?
考えていたせいか、全く気が付かなかった。
ふわっと香る花の匂いは心地良く、僕の鼻をくすぐって、何だか変な気分がしてくる。
体も温かく感じると思ったら、彼女に背中から抱き締められていた。
細い腕のどこにそんな力があるのかというくらい、しっかりとホールドされていて、逃げられない……。
彼女の胸は父さんや僕と違って、柔らかくて、顔にあたると不思議な気分になるんだ。
僕にお母さんがいたら、こんなだったのかな。
「レオ君。今、何か、失礼なことを考えてたよね?」
「な、なんで!? そ、そんなことないよ」
目が笑っていないのでちょっと怖い。
彼女の目が猫みたいだからだろうか?
睨まれているネズミの気分が分かった。
本当に動けないや。
「丁度、お舅様とレオ単語君の話で盛り上がっていたところなの」
「父さんは僕の父さんでリーナのお父さんじゃないよ?」
僕がそう言うとリーナ姫はまだ、男女の違いが何かと分からない僕でもドキッとするような笑顔を浮かべた。
「わたしは君のお嫁さんになったの。だから、わたしのお父さんでもあるわ」
「何、それ? お嫁さんって、何?」
僕の体をしっかりとホールドしていた手を離したリーナ姫は「そうだったわ。そういう子だった……」とこめかみを押さえている。
僕は何か、変なことを言ったんだろうか?
今日の獲物は大きな白身魚だ。
いつものように黄金鳥のピーちゃんと磯で釣りを楽しんでから、勢いよく我が家の扉を開いて、固まった。
「おう。帰ったか。レオ」
「ただいま。父さ……」
「おかえりなさい」
いつもとは違う。
見なかったことにして、扉を閉めた。
バタンとかなり、大きな音がしたがそんなことを気にしている余裕はない。
何で彼女がいるんだ!?
確認の為にもう一度見てみた。
父さんはいつもの席に座っている。
そして、僕の席の隣に当たり前のように座っている女の子が問題だ。
紅玉色の瞳を輝かせているのは……
「レオく~ん」
間違いない。
遠いところにいるはずの彼女。
ヘルヘイムを離れる時、会いに来てくれなかったお姫様だ。
ヒラヒラと小さく手を振っている姿は相変わらず、かわいい。
再び、扉を閉めた。
まずは深呼吸をしよう。
「すーはーすーはー」
認めるよ。
ピーちゃんと同じくらいかわいいって、認めるよ。
でも、彼女が僕のことを君呼びしてくる時は何か、悪いことを企んでいる。
一緒に旅をした時間は短かったけど、スゴイ長い時間を一緒にいたような変な気分だったし、不思議なくらいに彼女のことが分かったんだ。
だから、分かる。
あの表情は何かを企んでいる顔だ。
少し、落ち着いてきたぞ。
考えるんだ。
どうして、彼女がここにいるんだろう?
僕は神様に連れて行ってもらって、島に帰って来たんだ。
スゴイ遠いはずなんだ。
この島は船でしか、来られないぜっかいのことうだって、父さんも言っていた。
ここ数日どころか、最近、見かけた船影はない。
どうなってるんだろう?
考えていたせいか、全く気が付かなかった。
ふわっと香る花の匂いは心地良く、僕の鼻をくすぐって、何だか変な気分がしてくる。
体も温かく感じると思ったら、彼女に背中から抱き締められていた。
細い腕のどこにそんな力があるのかというくらい、しっかりとホールドされていて、逃げられない……。
彼女の胸は父さんや僕と違って、柔らかくて、顔にあたると不思議な気分になるんだ。
僕にお母さんがいたら、こんなだったのかな。
「レオ君。今、何か、失礼なことを考えてたよね?」
「な、なんで!? そ、そんなことないよ」
目が笑っていないのでちょっと怖い。
彼女の目が猫みたいだからだろうか?
睨まれているネズミの気分が分かった。
本当に動けないや。
「丁度、お舅様とレオ単語君の話で盛り上がっていたところなの」
「父さんは僕の父さんでリーナのお父さんじゃないよ?」
僕がそう言うとリーナ姫はまだ、男女の違いが何かと分からない僕でもドキッとするような笑顔を浮かべた。
「わたしは君のお嫁さんになったの。だから、わたしのお父さんでもあるわ」
「何、それ? お嫁さんって、何?」
僕の体をしっかりとホールドしていた手を離したリーナ姫は「そうだったわ。そういう子だった……」とこめかみを押さえている。
僕は何か、変なことを言ったんだろうか?
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