【Ｒ１８】一匹狼は愛とか恋とか面倒くさい

高等部 一年目 皐月 ゴールデンウィーク

052 ＧＷ ３日目 ２

＊＊早乙女真琴サイド＊＊

鳳堂学園高等部生徒会副会長の早乙女真琴はΩ専用寄宿舎の自室で朝の情報番組を観ていた。
推しの俳優のインタビューが流れる日だったからだ。

ベテランアナウンサーと対峙しているのは「キヤマタケル」という名で、子役を経てハリウッドへ進出し、世界的に人気のあるヒーローものの映画で主役の少年期を演じた事でブレイクした若手のアクション俳優だ。

「今後も映画を中心に活動するのですか？」
「そのつもりです。でも、暫くはゆっくりしたいですね。学校へも行きたいですし。」
「高校生だよね、出席日数大丈夫？」
「芸能活動に配慮してくれる学園に編入することができたので何とかなりそうです。」
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「うちの学園に転校してきてくれないかな～」

画面の中、赤味がかった金髪に碧眼の人懐っこい笑顔で話す野性味溢れる精悍な少年を見つめながら真琴は溜息をついた。


＊＊健太視点＊＊

朝の情報番組を見ながら家族で朝食を食べていたら画面に見覚えのある少年が映っていた。
「昨日のナンパ野郎だ・・・」
赤味がかった金髪に碧眼の野性味溢れる精悍な少年、キヤマタケル。
「健太をナンパしたのがタケル君だったの？」
「姉貴、コイツ知ってんの？」
「お祖父さまの映画に出てるわよ。あ、でも彼のスケジュールが詰まってて、撮影当日にしか来てないから、健太とは面識ないか。」
「会ったのは多分、昨日が初めてだな。」
「彼、シアンのファンなのよね。
そう言えばさ、去年の撮影の合間にシアンの事で質問攻めにあったわ・・・
あんまりしつこいからシアンのポラあげて黙らしたわ。」
「マジかよ・・・」
「昨日のメイクはシアンっぽくなかったからバレてないとは思うけど、気を付けなよ？」
「暫く女装は仕事の時だけにするよ。」
「えぇ～！」
女装の件くだりで祖父さまが抗議の声を上げた。
「健太、今日はシアンちゃんにならないの？」
「出版社に付き添うだけならシアンにならなくても良いよな？」
「困るっ！」
「お祖父さま、シアン侍らせて編集部の人達に見せびらかしたかったのね・・・」
「祖父さま・・・」
「だって、連れてくって言っちゃったんだもん」
「ぶりっ子っで言っても駄目だ。」
「ん～、でもスーツにメイクして男装って感じならいいんじゃない？」
と、お袋。
「黒スーツにサングラスかけてハンター風にしたら？」
と、悪ノリした親父。

結局、多数決で黒スーツの男装シアンで付き添う事に決まった。


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裏話

真琴はワイルド系とかワンパク系の細マッチョが好き
戦隊ヒーローもののレッド系も大好き