48 / 50
最終話
しおりを挟む
(お願い、聖夜。目を覚ましてっ!!)
その声に導かれるかのように俺は目をゆっくりとあける。唇には柔らかい感触。視界には…大好きな春の顔が映り込んでくる。
そんな俺の様子に気がついた春が唇を離し口を開いた。
「聖夜!聖夜!分かる?私が分かるっ!?」
「…勿論…春の事を…分からないわけないよ」
「聖夜!聖夜っ!」
春が俺を抱きしめてくれる。病室には俺の知った顔が並んでいる。みんな心配してくれたんだな。みんなとの繋がりもあったからこそ…俺はちゃんと今に戻ってこれたのが分かる。まあ、車に轢かれて体に何の異常もなかったのはホント喜ばしい事だな。やっぱり俺が会ったあなたは…神様だったと改めて俺は思う。ありがとうございます、神様。俺の願いを叶えてくれて…。
♢
一応目が覚めた日は検査入院という事で病院で一夜を明かす事に…。病室には春と二人だけだ。
「改めて…心配かけてごめんな、姉さん」
「ううん。聖夜が戻ってきてくれただけで嬉しいよ♪」
「それとさぁ…」
「な~に?」
「こんな時に言うのはどうかと思うんだけど…言っておきたいんだ。俺は姉さんを姉さんと思えていない…」
「それは…」
「俺は姉さんを…春を一人の女性として見てる。それこそ…生まれる前から」
「…うん。知ってる」
「そっかぁ…やっぱり知ってるよな?」
「勿論♪私もね…聖夜の事が好きだよ。それこそ…何度も生まれる変わってもね」
「春…キスしたい」
「うん…私も」
俺は春とキスを交わす。
「…続きは家でだね?」
「うん?」
「キスだけじゃあないでしょ?私は聖夜とそういう事もしたいと思ってるんだからね?」
「えっ?えっ?」
「ふふっ…とにかく…聖夜…愛してるわ」
「俺も愛してる…春」
このゲーム世界に転生して…何度もループして…ようやく俺はガチ恋したヒロインの心を手に入れる事が出来た。こんなに幸せな事ってないよな?いつも傍には大好きな…愛してる女性がいて…めっちゃ幸せだ。
「あのね、聖夜」
「うん?どうしたんだ、結伊?」
「春さんと幸せなのは分かるけど…私にもちゃんとかまってよね?」
「いや…だけど…それは…」
「春さんからは許可を得てるもん!私だけじゃないよ?歩美ちゃんも美優ちゃんも庵先輩も許可を当然得ているんだから♪あっ、勿論心音ちゃんもだよ?」
「春ーーーーーっ!?」
何を許可してんのっ!?俺は春だけで…
「みんな…聖夜を愛しているし、聖夜以外見るわけないの分かってるよね?覚悟してね♡」
いやいや…俺はそれになんて答えればいいんだよ。一度ちゃんと断った筈なんだが!?
『聖夜』
この声…神様?
『これがホントに最後になると思う。緊急により連絡する事になった』
緊急って…
『その子達の想いはある意味お主と同じ感情じゃ…だから…その感情が叶わぬ時はお主と同じ事を起こすかも知れん』
同じ事って…ループ…って事ですか…?
『そうなればせっかく結ばれたこの世界も消えてしまうかも知れんぞ?心せよ?』
ちょっ!?まじでっ!?神様どうにかなんないですかっ!?
神様!?
その声に導かれるかのように俺は目をゆっくりとあける。唇には柔らかい感触。視界には…大好きな春の顔が映り込んでくる。
そんな俺の様子に気がついた春が唇を離し口を開いた。
「聖夜!聖夜!分かる?私が分かるっ!?」
「…勿論…春の事を…分からないわけないよ」
「聖夜!聖夜っ!」
春が俺を抱きしめてくれる。病室には俺の知った顔が並んでいる。みんな心配してくれたんだな。みんなとの繋がりもあったからこそ…俺はちゃんと今に戻ってこれたのが分かる。まあ、車に轢かれて体に何の異常もなかったのはホント喜ばしい事だな。やっぱり俺が会ったあなたは…神様だったと改めて俺は思う。ありがとうございます、神様。俺の願いを叶えてくれて…。
♢
一応目が覚めた日は検査入院という事で病院で一夜を明かす事に…。病室には春と二人だけだ。
「改めて…心配かけてごめんな、姉さん」
「ううん。聖夜が戻ってきてくれただけで嬉しいよ♪」
「それとさぁ…」
「な~に?」
「こんな時に言うのはどうかと思うんだけど…言っておきたいんだ。俺は姉さんを姉さんと思えていない…」
「それは…」
「俺は姉さんを…春を一人の女性として見てる。それこそ…生まれる前から」
「…うん。知ってる」
「そっかぁ…やっぱり知ってるよな?」
「勿論♪私もね…聖夜の事が好きだよ。それこそ…何度も生まれる変わってもね」
「春…キスしたい」
「うん…私も」
俺は春とキスを交わす。
「…続きは家でだね?」
「うん?」
「キスだけじゃあないでしょ?私は聖夜とそういう事もしたいと思ってるんだからね?」
「えっ?えっ?」
「ふふっ…とにかく…聖夜…愛してるわ」
「俺も愛してる…春」
このゲーム世界に転生して…何度もループして…ようやく俺はガチ恋したヒロインの心を手に入れる事が出来た。こんなに幸せな事ってないよな?いつも傍には大好きな…愛してる女性がいて…めっちゃ幸せだ。
「あのね、聖夜」
「うん?どうしたんだ、結伊?」
「春さんと幸せなのは分かるけど…私にもちゃんとかまってよね?」
「いや…だけど…それは…」
「春さんからは許可を得てるもん!私だけじゃないよ?歩美ちゃんも美優ちゃんも庵先輩も許可を当然得ているんだから♪あっ、勿論心音ちゃんもだよ?」
「春ーーーーーっ!?」
何を許可してんのっ!?俺は春だけで…
「みんな…聖夜を愛しているし、聖夜以外見るわけないの分かってるよね?覚悟してね♡」
いやいや…俺はそれになんて答えればいいんだよ。一度ちゃんと断った筈なんだが!?
『聖夜』
この声…神様?
『これがホントに最後になると思う。緊急により連絡する事になった』
緊急って…
『その子達の想いはある意味お主と同じ感情じゃ…だから…その感情が叶わぬ時はお主と同じ事を起こすかも知れん』
同じ事って…ループ…って事ですか…?
『そうなればせっかく結ばれたこの世界も消えてしまうかも知れんぞ?心せよ?』
ちょっ!?まじでっ!?神様どうにかなんないですかっ!?
神様!?
0
お気に入りに追加
143
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる