24 / 50
第二十三話
しおりを挟む
あれから頬にずっと残って離れない姉さんの唇の感触…あれは現実だったのかと今でも思う…。姉さんはどうしてあんな事を?姉さんの態度は変わらない。やっぱりというか当然というか弟に対する家族の愛情みたいなもんだよな?それしかないよな…。
「はぁ~~~…」
「何かあった、聖夜?」
「んっ…いや、なんでも…」
「さっきからタメ息ばかりついてるよ?」
「あっ…いや、ほらっ…季節柄というかこんな天気じゃん?」
梅雨に入り今日も雨がぱらついている。いや、いつの間にかザァーザァーと降っている。
「それは…確かに…こんな天気じゃあそうなるかも?」
「それよりもだ、結伊。何で梅雨の真っ只中に傘を持ってないんだ?―と、いうよりも今朝学校に行く時は差してたよな?」
「えっ!?今頃それを聞くの!?―と、いうよりも私も言ったよね!?友達に貸したって」
そういえばそう言ってた気もするな…。何だっけ……そうそう、朝は車で学校迄送って貰ったから傘を車の中に忘れた友達が居たとか何とか言ってたっけ…
「だから…―って、それより聖夜の肩が濡れてるんだけどっ!?」
「結伊を濡らすわけにはいかないだろ?」
傘はそんなに大きくないし、何より結伊が濡れると透けてマズイ事になるからな…。
「っ!? 馬鹿…えっち…」
「何で俺は誰からでも馬鹿って言われないといけないんだ?そんな事よりえっちって何だよ!?そんな要素あった!?」
両手で胸を覆い隠す結伊。
「透けるって言うから…」
「今は透けてないだろうにっ!?それよりそんな風にしたら…強調されるから止めとけ…」
「み、見てるじゃん!?」
「今のは仕方なくねっ!?それに注意しただけだしっ」
「…み、見たい…の?」
「……美少女が見たいのとか言うのは破壊力あり過ぎるから辞めてくれる?」
「美少女!?今、美少女って言ったよ!?」
そんなに驚く事か?事実だしな…。
「えへへ… そっかぁ…」
美少女なんて言われ慣れてるだろうに嬉しそうにしやがって…。
「―ほらっ、家に着いたぞ」
「ありがとうね聖夜」
さて、結伊も送り届けたし、早く家に帰ってシャワーでも浴びて…そこで俺は重大な事に気付いてしまう…。
「ヤベっ…鍵忘れてた…姉さんは…まだ帰ってないみたいだし…どうすっかな…」
「聖夜ー!どうかしたっ?」
「あ~…まだ家に入ってなかったのか、結伊?」
隣の玄関先から結伊が声を掛けてきた。お互いの玄関先が見える造りになっているし律儀な奴だから俺が家に入るのを見届けてから家の中に入るつもりだったのだろう…。
「鍵忘れただけ!もうすぐ姉さんが帰って来るだろうしこのまま…」
「駄目だよっ!」
「いや…だってなあ~」
それしかないし…
「…うちでシャワー浴びて?」
「いや…それは…」
流石に結伊の両親も居ないし…
「いいから、早くっ!」
「あ…はい…」
仕方ないか…俺が風邪ひいたりしたら結伊が責任を感じてしまうだろうし…仕方ないよな?そういう訳で俺は結伊の家にお邪魔する事になったんだ…。
「はぁ~~~…」
「何かあった、聖夜?」
「んっ…いや、なんでも…」
「さっきからタメ息ばかりついてるよ?」
「あっ…いや、ほらっ…季節柄というかこんな天気じゃん?」
梅雨に入り今日も雨がぱらついている。いや、いつの間にかザァーザァーと降っている。
「それは…確かに…こんな天気じゃあそうなるかも?」
「それよりもだ、結伊。何で梅雨の真っ只中に傘を持ってないんだ?―と、いうよりも今朝学校に行く時は差してたよな?」
「えっ!?今頃それを聞くの!?―と、いうよりも私も言ったよね!?友達に貸したって」
そういえばそう言ってた気もするな…。何だっけ……そうそう、朝は車で学校迄送って貰ったから傘を車の中に忘れた友達が居たとか何とか言ってたっけ…
「だから…―って、それより聖夜の肩が濡れてるんだけどっ!?」
「結伊を濡らすわけにはいかないだろ?」
傘はそんなに大きくないし、何より結伊が濡れると透けてマズイ事になるからな…。
「っ!? 馬鹿…えっち…」
「何で俺は誰からでも馬鹿って言われないといけないんだ?そんな事よりえっちって何だよ!?そんな要素あった!?」
両手で胸を覆い隠す結伊。
「透けるって言うから…」
「今は透けてないだろうにっ!?それよりそんな風にしたら…強調されるから止めとけ…」
「み、見てるじゃん!?」
「今のは仕方なくねっ!?それに注意しただけだしっ」
「…み、見たい…の?」
「……美少女が見たいのとか言うのは破壊力あり過ぎるから辞めてくれる?」
「美少女!?今、美少女って言ったよ!?」
そんなに驚く事か?事実だしな…。
「えへへ… そっかぁ…」
美少女なんて言われ慣れてるだろうに嬉しそうにしやがって…。
「―ほらっ、家に着いたぞ」
「ありがとうね聖夜」
さて、結伊も送り届けたし、早く家に帰ってシャワーでも浴びて…そこで俺は重大な事に気付いてしまう…。
「ヤベっ…鍵忘れてた…姉さんは…まだ帰ってないみたいだし…どうすっかな…」
「聖夜ー!どうかしたっ?」
「あ~…まだ家に入ってなかったのか、結伊?」
隣の玄関先から結伊が声を掛けてきた。お互いの玄関先が見える造りになっているし律儀な奴だから俺が家に入るのを見届けてから家の中に入るつもりだったのだろう…。
「鍵忘れただけ!もうすぐ姉さんが帰って来るだろうしこのまま…」
「駄目だよっ!」
「いや…だってなあ~」
それしかないし…
「…うちでシャワー浴びて?」
「いや…それは…」
流石に結伊の両親も居ないし…
「いいから、早くっ!」
「あ…はい…」
仕方ないか…俺が風邪ひいたりしたら結伊が責任を感じてしまうだろうし…仕方ないよな?そういう訳で俺は結伊の家にお邪魔する事になったんだ…。
10
お気に入りに追加
143
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる