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第二十一話
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今日は何だか…疲れていたんだと思う…。そんな日ってあるじゃん?なんだか…ダルいなぁ~とか、体が何もしてないのに無性にキツいみたいな…。
とにかく…そんな感じで…
「父さんも母さんもまだ仕事みたいだな…姉さんは部屋かな?」
学校が終わり家のリビングで一人そんな事を呟く…。そしてそのままソファに倒れ込み…しばらくすると俺は意識を手放した…。
「……るの?」
「……や…」
春の声が聞こえる気がする…
「…は…る?」
その瞬間…唇に…柔らかい感触が重なった気がしたんだ…薄っすらと目を開けると間近に目を閉じる春の顔…。こんなに間近で春の顔を見る事なんて殆どないしな。まつ毛が結構長いんだなとか、唇に感じる感触がとても心地良いとか…そんな事を思いながら目を閉じて………
えっ!?ちょっと待って!?キスしてる!?俺、春とキスしてるっ!?
慌てて目を開くと…お互いの息が掛かる距離に春…姉さんの顔があって…
「んっ?起きた聖夜?」
「姉さん…何を?」
今…キスしてたよな?
「何って…こんな所で寝ているし…調子が悪いのかなと思って額と額を合わせて熱を測ってみたんだけど…ちょっと熱っポイみたいだよ?」
「あっ…マジで? どおりで何かダルいと思うわけだ…」
うぉーい!?俺の勘違いかよ…そりゃあそうか…だよな?そんな事あり得ないよな…。姉さんは俺から離れると体温計を持って来てくれた…。
「はい、測ってみて?」
「ありがとう姉さん」
姉さんから体温計を受け取り熱を測ってみる。
ピピッ! ピピッ! ピピッ!
しばらくすると体温計が鳴り響く。体温計を確認しようとすると姉さんがそれを取り上げ…
「うん、やっぱり少し熱があるみたいだよ」
「何度?」
「え~と、37.1℃かな」
「微熱かよ」
微熱に侵されてあんな都合の良い夢見るなんて…
「と、とにかく…部屋でゆっくり休んでおきなよ」
「あ~ そうする」
俺は部屋に行って父さん母さんが帰って来るまでベッドに横になる事にしたんだ…。まあ、流石に眠れなかったんだけど…
そして…
「「ただいま~!」」
父さんと母さんの声。2人同時に帰って来たみたいだ…。しばらくすると母さんが部屋へとやって来た。たぶん…姉さんが伝えてくれたんだろう。
「聖夜、入るわよ」
「うん」
「あら、起きてたのね」
「うん…ダルいなぁとは思うんだけど…」
「春に聞いたけど、もう一度熱を測ってみて?熱があるならご飯はここに持って来て上げるから」
「だね。うつしたらマズイしね」
母さんから体温計を受け取り電源を入れる…。表示は36.5℃…。あの後、誰か測ったのかな?取り敢えず熱を測ってみると36.6℃…。
…平熱だね。
「あら、熱はないみたいね」
「うん。知恵熱とか…ああいう感じだったのかも…」
「じゃあ…ご飯が出来たら呼ぶから…それまでゆっくりしておきなさい」
「ありがとう母さん」
しばらくすると母さんから呼ばれた。どうやらご飯が出来たみたいだ…。ご飯をしっかりと食べ、念の為に薬を飲んで早めに休む事にした…。
そういえば夕食時、目が合うと姉さんの頬が少し熱を帯びていた気がしたんだ。もしかしてうつしたかなと思って心配したんだけどそれはどうやら杞憂だった様で安心した…。
ただ…額と額を合わせて熱を測るなんて今度からは止めてもらわねば俺がもたないと思ったのはここだけの話だ…。
とにかく…そんな感じで…
「父さんも母さんもまだ仕事みたいだな…姉さんは部屋かな?」
学校が終わり家のリビングで一人そんな事を呟く…。そしてそのままソファに倒れ込み…しばらくすると俺は意識を手放した…。
「……るの?」
「……や…」
春の声が聞こえる気がする…
「…は…る?」
その瞬間…唇に…柔らかい感触が重なった気がしたんだ…薄っすらと目を開けると間近に目を閉じる春の顔…。こんなに間近で春の顔を見る事なんて殆どないしな。まつ毛が結構長いんだなとか、唇に感じる感触がとても心地良いとか…そんな事を思いながら目を閉じて………
えっ!?ちょっと待って!?キスしてる!?俺、春とキスしてるっ!?
慌てて目を開くと…お互いの息が掛かる距離に春…姉さんの顔があって…
「んっ?起きた聖夜?」
「姉さん…何を?」
今…キスしてたよな?
「何って…こんな所で寝ているし…調子が悪いのかなと思って額と額を合わせて熱を測ってみたんだけど…ちょっと熱っポイみたいだよ?」
「あっ…マジで? どおりで何かダルいと思うわけだ…」
うぉーい!?俺の勘違いかよ…そりゃあそうか…だよな?そんな事あり得ないよな…。姉さんは俺から離れると体温計を持って来てくれた…。
「はい、測ってみて?」
「ありがとう姉さん」
姉さんから体温計を受け取り熱を測ってみる。
ピピッ! ピピッ! ピピッ!
しばらくすると体温計が鳴り響く。体温計を確認しようとすると姉さんがそれを取り上げ…
「うん、やっぱり少し熱があるみたいだよ」
「何度?」
「え~と、37.1℃かな」
「微熱かよ」
微熱に侵されてあんな都合の良い夢見るなんて…
「と、とにかく…部屋でゆっくり休んでおきなよ」
「あ~ そうする」
俺は部屋に行って父さん母さんが帰って来るまでベッドに横になる事にしたんだ…。まあ、流石に眠れなかったんだけど…
そして…
「「ただいま~!」」
父さんと母さんの声。2人同時に帰って来たみたいだ…。しばらくすると母さんが部屋へとやって来た。たぶん…姉さんが伝えてくれたんだろう。
「聖夜、入るわよ」
「うん」
「あら、起きてたのね」
「うん…ダルいなぁとは思うんだけど…」
「春に聞いたけど、もう一度熱を測ってみて?熱があるならご飯はここに持って来て上げるから」
「だね。うつしたらマズイしね」
母さんから体温計を受け取り電源を入れる…。表示は36.5℃…。あの後、誰か測ったのかな?取り敢えず熱を測ってみると36.6℃…。
…平熱だね。
「あら、熱はないみたいね」
「うん。知恵熱とか…ああいう感じだったのかも…」
「じゃあ…ご飯が出来たら呼ぶから…それまでゆっくりしておきなさい」
「ありがとう母さん」
しばらくすると母さんから呼ばれた。どうやらご飯が出来たみたいだ…。ご飯をしっかりと食べ、念の為に薬を飲んで早めに休む事にした…。
そういえば夕食時、目が合うと姉さんの頬が少し熱を帯びていた気がしたんだ。もしかしてうつしたかなと思って心配したんだけどそれはどうやら杞憂だった様で安心した…。
ただ…額と額を合わせて熱を測るなんて今度からは止めてもらわねば俺がもたないと思ったのはここだけの話だ…。
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