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第十三話

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あれから田嶋に肝心な事はまだ聞けていない。分かったのは姉さんが主役だということだけ…。姉さんが主役のゲームって…。ホントどんなゲームなんだよ?

 主役の姉さんが女性だから…まさかの百合モノ?
あ~…くそっ!分かんねぇ~!

 こうなったら田嶋に俺も転生者だと打ち明けるか?しかしひょんな事からシナリオが変わる可能性もある。まあ、そもそもそのシナリオが分からない訳なんだけど…。くっ…変な感じで考えてる事がループしてるよな…。

「聖夜、入るよ」

 言うと同時に結伊が部屋へと入って来る。

「んっ…結伊、どうしたんだ?」

「…用事がなかったら…来たら駄目なの?」

「いや…そんな事はないけど…あんまり男の部屋に気軽に入ると…その…アレだっ!痛い目に遭うぞっ?前も結伊に言った気がするが…」

「へ~ ねぇ…それってどんな事?」

「…えっ?」

「だから…どんな目に遭うか聞いてるんだけど?」

 ニヤニヤしながら俺の様子を窺っていやがる…。

「そりゃあ…ほら、襲われるというか…」

「…私、襲われちゃう?」

「襲わねぇーよ!何言ってんの!?」

「だよね…聖夜にそんな度胸ないもんね?」

 ―カチーン!

 俺を挑発してる?

「ほ~良いんだな?俺が結伊を襲っても?」

「聖夜がヤれるならねっ?」

 俺は不意に結伊を引き寄せ…

「きゃっ…」

 ベッドへと押し倒す…

「結伊が誘ったんだからな?」

「ぁっ…」

「―ったく…だから言ったろ?痛い目に遭うと…これに懲りたら…」

 見てみろ…。結伊の奴、これだけで顔を真っ赤にしているじゃないかっ!その表情は…女性を感じさせる表情で…くっ…俺までなんか変な気になる…。

「…悪かったな。ほらっ…起きろよ?」

「…いいよ」

「…えっ?」

「いいよ…聖夜なら私…」

「じょ、冗談は…「冗談で…こんなこと…言わないもん」…っ…」

「聖夜ーぁ!入るわよ?」

「「…えっ?」」

 ―ガチャッ!

「…あっ」

「こ、これは…」
「ははは、春さん、これは…」

「…………え~と……ごゆっくり?」

「違~う!姉さん違うからっ!」

「大丈夫…お姉ちゃん分かってるからね、聖夜」

その何でも分かってますという顔は止めてくれる?

「全部誤解だからなっ!?」


 結局この事は両親にまで伝わりそういう時は前もって教えてくれと言われた…。解せぬっ!?

 しかも…たぶん…いや、間違いなく両親が使っていると思われる箱を手渡された。箱は開封済みで中身はというと半分位減ってる使いかけのコン○ームだった…。

 せめて…そこは新品をくれないかな?使わないんだけども…。 



*****
~結伊~

「あの時…は、春さんが来なかったら…最後迄…してたかな?してたよねっ!?絶対してたよねっ」

「せ、聖夜も満更ではなかったよね?」

「脈アリだと…思って…私…良いんだよね…聖夜?」
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