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第一部

高難易度ダンジョン②

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 鉱石の洞窟は5階層。洞窟の中は鍾乳洞を感じさせる作りになっており坑道もかなり広い。道なりに進むとモンスターの気配。

「この先にモンスター気配が3。クリスは魔法は温存。この階は俺とカスミで敵は始末する。後ろに警戒しつつ遅れずに付いて来い!行くぞ!」

「ええ!」

「後ろは任せて!」

 俺は悪魔の剣を抜き放つと同時にダッシュ。コウモリ型のモンスターの一匹を両断。2匹目へと向かう。カスミを横目に見ると霊刀神威を敵に突き立てていた。こちらもこれで終わりだ。牙を出し噛み付こうと飛び出してきた敵の羽を落とし返す剣で頭を落とす。

「流石ね、セイヤ」

「フン。私もそれ位出来るんだからね!」

「いや、クリスは剣を使えないだろ!」

「うっ、ノリよノリ…」

「ったく、冗談はこの階迄にしておけ。次の階からは一時足りとも気を抜くなよ!」

「分かってるわよ!私だって力になれるんだからね!」

「ああ、便りにしてる…」

「いい傾向ね、セイヤ。後でサービスしてあげるわ」

「何のサービスなんだカスミは?それにいい傾向とはなんだ?」

「少しは私達を頼ってくれる事とサービスはサービスでしょっ!『パチッ!』」

「ウインクしながら顔を赤らめるな。だが楽しみにしておくとしよう」

 コウモリ型のモンスターを片付けつつ1階層を抜けた俺達は続いて2階層、3階層を攻略、4階層へ足を踏み入れる。

「2階、3階も何とかなったわね!」

「でもだんだん敵も強くなって来たわ。あのゴブゴブいう奴も動きが早かったし…」

「ここからは更に慎重に進むぞ。俺が前衛、カスミは居合い斬りで間合いをとれ、クリスはカスミの傍で出来るだけ魔力を温存しろ。次の階が山場だからな!」

 4階層はだだっ広い広場みたいな感じだ。モンスターがウジャウジャいやがる。

「『シャドウフレイム』×2!」

 広場に向け魔法を2発放つ!噴煙が起こり噴煙に身を隠しながら一匹一匹確実に仕留めていく!カスミ達もしっかり戦えている様だ。

「『シャドウブレード』!」

 右手に悪魔の剣、左手にシャドウブレードを槍型に生成。凪払いながら止めをさしていく。

「うおおおおおぉぉぉっ!!!」



───────


漸く最後の敵をカスミが仕留め俺達は少し休息を取る事にした。

「はぁはぁ、手強いうえに数が多かったわ」

「はぁはぁ、こっちも思う様に魔力を温存出来なかったわ」

「まぁ、仕方ないだろう。ここの敵は総じてレベルが高いみたいだからな」

「どの位なの?」

「レベル45、洞窟に入る前のカスミとクリスと一緒だな」

「道理で手強いのね!そのお蔭で私達もレベル50になったみたいだけど…」

「先に言いなさいよね!そういう事は!」

「理由があるんだよ理由が!」

「何の理由よ?」

「格下と思った方が気も楽だし戦えるだろ?」

「うっ、そりゃ~確かに…」

「次の階層がボスなわけだが、ここのボスのレベル知りたいか?」

「私は遠慮するわ」

「わ、私も止めておくわ。感謝しなさいよ」

「賢明だ…」

「ボスはどんな奴?」

「それは私も聞きたいかも…」

「…大きなトカゲだな」

俺はレベル60になった。ボスのレベルは65。カスミとクリスにもう一度細かく指示を出しながら束の間の休息を俺達は取るのだった。
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