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番外編

外交

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 アルタイル王国が建国して早くも三年が経過した時の事だ。俺自身…王になって三年が経ったという事になる。今思うと、最初の一年は戸惑いの方が大きかったかな…。

 なんせ初めての事だらけだから手探りで進めていくしかない感じだった。 

 でも、カリンのお陰でそこら辺は何とかなった。カリン様々だな…。それに子供も何人も生まれた。子育てはそれほど苦労はしなかった…。なぜならこの世界では面倒を見てくれる人がいっぱいいるからだ。サポートしてくれる人に感謝しながらも子供達に愛情を注げる時間はしっかりととる様にしている。

 勿論奥さん達との時間もしっかりととるようにしている…。 尚、ティア達は現在も妊娠中。今のところ俺の子供達は全員男の子…。男の子が産まれる度に世界中が沸いている…。そういうわけで俺には世界の救世主という大層なあだ名がついた…。 

「何を考えてるの、エル?」 

「ティア」 

「もうすぐ…出発するんだよね?」 

「…だな」 

「エルが行く前に…少し…イチャイチャしたいから…来ちゃった♡」 

 妊娠中のティアを優しく抱き締め、ティアの温もりを刻み込む…。ティアが言った様に俺はこれからアルタイル国を発ち、同盟国の一つ、ヤンダール国へと向かう。 妊娠中の奥さん達を連れて行くわけにもいかないし、心配なんだけど、王としての責務を果たす為だ…。 二度と戦争なんて起こさせない…。戦争は何も生み出さない。命が失われるだけだ…。 

「エル…」 

「んっ?」 

「帰ってきたら…いっぱい…愛してもらうからね?」 

「勿論だよ。ティア、愛してる」 

「うん…私も愛してる♡」 










 こうしてアルタイル国を発ち、俺はヤンダール国へと向かった。ヤンダール国はレインローズ国の北東に位置しており、森に囲まれた自然豊かな国だ。大体三週間近くの旅路だった。今まで書状等でしかやり取りしていなかったからね。だからヤンダール国を訪れるのは初めてってわけだ…。

 まあ、それは他の同盟国も一緒なんだが…。

 色々検証というかそういうのもあったからね…。 ヤンダール国に着いた俺はヤンダール国民に温かく盛大に迎え入れられた。そしてヤンダール城の王の間にて… 

「エル陛下、お待ちしておりましたわ」 

「温かく迎え入れて下さり、お礼を申し上げます、ヤンダール女王陛下」 

 彼女はヤンダール国の女王。俺もこうして直接会うのは二度目だ。俺が王になった時にアルタイル国を訪れてくれた以来だ…。ちなみにだがヤンダール国の人々は犬人族いぬびとぞく という種族だ。まあ、犬耳に犬の尻尾が当然のようにある。これはモフりたくなる。

「堅苦しい挨拶はなしにしましょうか、エル陛下」 

「その方がこちらはありがたいです」 

「では、そのように…。早速で申し訳ないのですが…お送り頂いた書状に書かれていた事は…その…」 

「はい、その為に私が来たわけですが…ヤンダール女王陛下は…」 

「みっ、ミレーユとお呼び下さい…」 

 え~と…いいのか? 

「いいんですか?」 

「勿論ですわ」 

「では…ミレーユは俺でいいんですか?」 

「はい、わたくしはお話を頂いた時からエル陛下にと心に秘めておりました…。さ、早速…し、寝室へと行かれますか?」 

 白色の長い髪と犬耳が揺れる。赤くなった顔を少し隠す様な仕草でミレーユがそう言った。

「ミレーユがいいのなら…」 

「よ、宜しくお願いします…ワン」 

 ミレーユと共に寝室へ…。 何をするかと言えば…ぶっちゃっけセックスをする為に来たんだ…。それには理由がある…。

 俺と関係を持つ事で国と国の繋がりを深くして…尚且つ男性を増やすという事…。 この世界で争いが起きるのは少ない男性を争っての事が多いからね…。

 一応だけど、念の為に男の子を身籠れるかは分からないとは伝えてあるんだ…。 そして…ヤンダール国に滞在している間にミレーユを始め数多くの犬人族の女性と関係を持ち、約十ヶ月後に関係を持った全員が男の子を出産したという旨の報せを受け取るのだった。ちなみにだが子供も当然犬耳と尻尾があって滅茶苦茶可愛いかった。当然ミレーユも凄く可愛かったのはいうまでもないだろう。
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