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第五章

男の回想

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 何もかも思い通りにいかない世の中が嫌いだった…。結局全て最後に行き着く先は金、金、金…。 金がなければ何も買えない…。食べ物は当然として水すらも金を払わなければいけない…。

 人間にとって水は生きるうえで必ず必要なんじゃねぇーのか?川に行けば一応はタダか?唯一…本当にタダと言えるのは空気位じゃねぇーの? 何が言いたいかは決まってるだろ?欲しいモノがあっても全てが手に入るわけじゃない…。

 まあ、金を持ってるもんなんかは別なんだろうけど、生憎と俺が生まれた家庭は普通だった…。 普通に育ち…小、中、高と学校に通った…。成績は下から数えた方が早かっただろうな…。いくら頑張っても覚えられないのだから仕方ない…。 

 そんな俺でもなんとか高校を卒業して社会に出る…。俺はとある運送業で働く事に…。そして…俺は思った…。学校で習った事の殆どが無駄な事だったっと…。仕事にもよるのかは分からないが俺が働く場所ではそうだった…。上から指示された事を守り、荷物をトラックに積み込んで、それを所定の位置に運ぶ…。

 最低限必要なのは言葉と漢字や文字を多少書ける位か…。 俺が行った学校よりもレベルが高い学校へ行った奴等の誰よりも俺は仕事が出来た…。 なのに… 給料は奴等の方が上だった…。

 何故だ?

 仕事が出来る方が上なのではないのか?真っ当な評価をされない会社に見切りをつけ新しい職を探す…。学歴重視…?

 はっ!笑わせてくれる。

 学歴が仕事に対して何の役に立つ?要はその仕事をどれだけこなせるかだろうーがっ!?学歴があっても仕事が出来ない奴なんていっぱいいるじゃねぇーか…。 



 なのに何でだ?何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で… 


 そんな事を思いながら道を歩いていると…大きな衝撃を受けて… 俺は真っ暗な闇の中へ…。 そして…意識がハッキリとしたのはどこかのベッドの中だった…。体が思うように動かない…。何か喋ろうにも上手く喋る事さえ出来ない…。

「あうっ……あぅ…」 

「あらあら…お腹が空いたのかしらね、デイルちゃんは?」 

 この女は何を言って… 胸をさらけ出し…俺を抱き上げる…抱き上げるだとっ!?そして俺の口におっぱいが与えられる…。 そこで俺は理解した…。

 俺は生まれ変わったのだと…。暇つぶしに見ていた漫画本で見た事がある。これは転生という奴だと…。ゲームみたいに呪文や魔法はあるのか?

 最初は転生出来た事にウキウキしていた…。

 なのに…大きくなるにつれ分かった事は…この世界には魔法も何もない…。それどころか前世よりも生活は貧しい。江戸時代か何かかと思った程だ…。 

 …結局生まれ変わっても俺は…。

 だが…一つだけ…一つだけ前世とは違う事があった。それは男女の数だ…。男が圧倒的に少ない…。

 そしてそのせいか男は優遇されている…。 

 考えろ…考えろ…俺は前世みたいな生き方はもうしたくない…。せっかく生まれ変わったんだ…。考えるんだ…。この村の女は少なくとも俺の言う事には全員付き従うっていうのに…。

 付き従う?
 

 そうだ。俺は男。この世界では貴重な男なんだ。俺は一番偉いんだ。

 精通が来たら子種をくれてやる事を約束に俺は付き従う者達を集めに集めた。着々と俺の駒が集まってくる。


 そしてそんな時に俺と同じであろう男の存在を知った。もっと俺の駒が集まったらそいつを捕まえ俺の為に働かせてやろうと心に誓う。それと同時期にエルフがこの世界に居る事を知った。魔法はないがそういう種族はいるのかと。
当然だがそういうのは真っ先に欲しくなる。俺は駒達がどの程度俺の為に働けるのかを確かめる為にハートネスという国に行ってみる事に。

 流石に国を相手にするには駒の数が少な過ぎると思った俺はまずはハートネス領の端にあるエルフの村を手始めに手中に収める事にした。だが俺に逆らう奴等が多すぎて滅ぼしてやったけどな。それだけは誤算だったな。エルフの男は必要なかったので殺してやったがな。思ったよりも俺の駒は使える駒ばかりだった。それは朗報だったな。頭も何やらキレる駒もいて、村を滅ぼしたのは山賊という風に装ったのには俺も感心したもんだ。エルフも何人か手に入れる事が出来たので飽きる迄遊んでやったがな。



 そして…とうとう精通が来た…。前世を含めて二度目の経験だ…。 前世と違うのは思い通りに女を抱ける事…。そしてそれをきっかけにして俺は小さな国の王になる事が出来た…。 それからはある程度思い通りの生活をおくれるようになった…。そうだ、俺が一番偉いんだよ…。俺に逆らう奴はいない…。時間は掛かったものの俺は俺に絶対に従う駒達をたくさん手に入れた…。 当たり前の事だがこの小さな国の元女王でさえ逆らう事は出来ないんだぜ。かなり歳なのだが歳の割には綺麗だからたまに抱いてやってる…。

 なにやらコイツには娘が二人居るらしいがコイツの器量からしてかなりの上玉だろうと思う…。この国に居ないらしいが会う事があれば母娘共々俺の女にしてやるさ…。 

 国の王となった事もあり、俺は周辺の国を次々に手中に収めていった。そして遂に駒が揃った俺は…転生者のあいつを手に入れる為に動く事を決意。実行に移す事にした。

「待っていろ…俺が今、使ってやるからな?」
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