男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

第五章

変わらぬ二人

「のぅ～　宰相」

「駄目です」

「まだ何も言っておらんのじゃが！？」

「どうせまた孫の元に行くから休みをくれとおっしゃられるんでしょ？」

「うむ。孫パワーが尽きそうなのじゃ」

「つい先日お会いになられたばかりではないですか」

「いや、しかしな？」

「いやもしかしもクソもヘチマもありません」

「ぬぅぅ！」

「唸っておられる暇があるのでしたら手を動かし下さい！先日仕事を放ったらかしてティア殿下の元へ走った陛下が悪いのですよ？」

「そ、それは仕方なかろう？」

「仕方なくありません！さあ、早く手を動かしなさい！」

「どっちが王なのやら…」

「陛下がしっかりして下されば私は何も文句はありませんが？」

　
「陛下ーーーっ！」

　王の公務室に兵士が慌てて入って来る。

「何事ですか、騒々しい…」

「はっ！し、失礼しました！」

「よい。何事じゃっ？」

「ら、ランス殿より急ぎの書状が…」

「！？　見せよ」

「はっ！」

　王が書状に目を通す。

「ぬっ！？これは…」

「陛下？」

「っ………なんたる事じゃっ…」

「陛下！何があったのです！？」

「…ランスが…」

「！　ら、ランス殿の身に何か！？」

「いや、違うがっ」

「違うんか～い！なら、何なんです！？」

「ロリ巨乳の奴隷を見つけたそうじゃ…」

「…はっ？」

「だから！ロリ巨乳の奴隷を見つけたんじゃとっ！」

「あ、アホかぁぁーーーーー！？何を早馬迄使っておっぱいのやりとりを己達はしとるんじゃい！恥を知れっ！恥をっ！このインポっ！早漏！短小！皮被りっ！」

　クララのこの声は城内だけに留まらず王都の民にまで聞こえたという…。後に人々は語る。今迄で一番の罵倒だったと…。

「んなっ！？言い過ぎじゃぞい！？」

「黙れ！愚王がっ！」

「誰が愚王じゃい！」

「お前だよ！」


　ローズレインは今日も平和だった…。