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第四章

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 ミリアと唇を重ねた後、イケメンエルフさんは呆然とした様子でハートネス女王に連れられ大人しく帰って行った。

 まあ、最初は何事かと思ったものの彼のお陰で俺はまた大事な事に気付く事が出来たので結果オーライという奴だ。彼には悪い事をしたと少し思ってしまうが…。

 その後、恋人同士になったミリアとのデートを夕方迄存分に楽しんでから宿へとミリアを送って行った。

 えっ?ミリアは大人の階段を登っていないのかって?勿論まだ登ってない。もうすぐミリアの誕生日だし、その時にね…。

 そして屋敷へと戻った俺は食事と風呂を済ませてから自室で考え事をしていた。

「多分…俺の気のせいじゃあなくて…レイラもマリンも…それにレーティ達も…俺に好意を持っているんだよな?」

 流石にここまで来ると気が付く。ここまで来ないと気付かない鈍感とも言えるが…。とにかく俺自身、よーく考えてみる。先日言われた通りにレイラ達が他の男性のモノになったと仮定すると…

「うん…やっぱり嫌だと思ってしまうんだよな…」

 その時点で答えは決まっているよな。付き合いが長いからとかだけではなく、そこにちゃんと俺自身好意を持っているのも今なら分かる。


 そんな風に思っていると部屋のドアがトントンとノックする音が…。

「エル…起きてる?」

「起きてるよ、ティア」

 部屋のドアをノックしたのはティアだった。ティアを部屋へと招き入れるとティアはちょこんとベッドに腰掛ける。俺もティアに寄り添うような形でベッドへ腰掛ける。するとティアから石鹸の良い匂いが漂ってきて俺の鼻腔をくすぐる。ティアに視線を向けるとその髪はまだ若干濡れている感じがする。頬も僅かだが上気している気がする。その様子からお風呂あがりなのが予測出来た。

(お風呂あがりの女性って色っぽいとか聞くけどホントだったんだな…)

 そんな風に思いながらティアに視線を向けていると、ティアがどうかしたとしたのかと聞いてくる。流石にガン見し過ぎてたみたいだ。俺は正直に思っていた事を話すると自分では分からないけどエルからするとそう見えちゃうんだねと言われた。そしてそれを嬉しく思うと言われ、そんな風に言ってくれるティアが余計に可愛く見えてしまう。


 まあ、そうなるとどうなるのかというと…



「んぁっ…え、エル…は、激しっ…あっ♡」


 ―っと、なるのはつい先日迄童貞だった俺からすれば当然そうなる訳でして…。我慢出来る訳ないじゃん?愛する人のお風呂あがりだぜ?もっともっと繋がっていたいと思うよな?想いが通じ合ったばかりだしな。

「も、もぅ~ え、エルったら…激し過ぎるよ?」

「悪い…でも、ティアが可愛過ぎるのがいけないと思うんだ…」

「ば、ばか♡ そ、そんな事言うから…んっ…エルのが溢れて来ちゃった…」

 俺のが溢れてって…それって…ごくっ…

「てぃ、ティアっ!!」

「あっ…また…んっ…」



 そしてまた燃えた後に俺はティアを抱き締めたまま大事な話をする事にしたんだ。


「…ティア」

「んっ?」

「今日…ミリアにも好きって伝えた」

 多分、ティアはミリアとの事もどうなったのか気になって俺の部屋を訪れたんじゃないかと思った。宜しくって言ってたしな。

「そっかぁ…じゃあ、ミリアちゃんの恋もようやく叶ったんだね?」

 自分の事の様に嬉しそうにティアが笑いながらそう言った。この世界ではこういうのは不思議ではないんだろうけど俺からすればそれを伝えるのは今も躊躇してしまう。浮気者!とか言われても前世ならおかしくないしな。

「それと…」

「うん?」

「言っておきたい事があって…」

「何?」

「ティアなら分かると思うけど、俺の勘違いとかではないなら…レイラ達も俺に好意を持っているよな?」

「…鈍感なエルもようやく気付いたの?」

「鈍感って…確かにそうかも知れないけどさ」

「ふふっ…ごめんごめん…それで?」

「俺も…レイラ達に…好意を持っているみたいで…その…なっ…」

「ホントにっ!?レイラちゃん達…それはもう飛び跳ねて喜ぶと思うよ?」

「ティアには先に伝えておこうと思って…」

「そっかぁ…。もしかして私が嫌とか思うとかそれに反対するとか思ってた?」

「…うん」

「する訳ないよ?逆に私は嬉しいよ?」

「なら…いいんだけど…」

「でも…ちゃんと私も見てくれないと…愛してくれないと拗ねちゃうからね? なんてね?」

 裸で抱き合っているんだし、ウインクしながらそんな可愛い事を言われたら…

「あれっ…?なんで!? え、エルのが…また大きく…」

「ティア!愛してる」

「んんっ…エル…私も…あんっ♡」



 まあ、そんな訳で俺は一人一人に好意を伝える事を心に決めたのだった。まずはミリアの誕生日を祝ってからだな。

 




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