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第1部
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「アタシどうしたらいいんだろう…。つ~か、ホント何処だの…ここ…」
***
修学旅行に向かう途中…飛行機が急速に旋回した様に傾いたのは知ってる。その際、機内の中で空中に投げ飛ばされたように壁に叩きつけられた人が視界に入った。勿論アタシにはどうしようも出来なかった。
だってアタシも空中へと放り出されて、そして…。
今もその時の事を思い浮かべるとブルブルと体が震えてくる。
「アタシあの時壁に…? でも…。飛行機はどうなったんだろ?やっぱり墜ちたのかなぁ…」
周りには人の気配も荷物も何も無い。辺りに見えるのは砂浜と海。そして島の中心に向かって覆い繁る木々や草。もうすぐ日が暮れてしまいそうな海岸沿いを少し歩いてみると洞窟があった。
恐る恐るその中を覗いて見ると2メートル位の小さな洞穴だった。
中に入った瞬間洞穴の壁や天井で何かが素早く動くのが見えた。
「キャッ!なにっ、何なのよ、もー!何よコレッ!キショイキショイ!」
何匹かはこちらの足元へと迫る。
「こ、これって海で良く見かける奴じゃん!?このゴキブリみたいな奴ホントサイテー過ぎるっ!!」
“カサカサカサッカサッ…カサカサ”
気持ち悪い嫌な音がする。でも外はもうすぐ日が暮れてしまいそうだ。悩みに悩んだ結果…意を決して洞窟の真ん中に陣取り、膝を抱えて座り込む。
「…お腹空いたぁ~ 飲み物も飲みたいつ~の。ねぇ、誰かアタシを助けてよぉー?アタシはここだって…ここに居るってぇぇー!!こんな所に1人なんてイヤあぁーー!!!」
***
ゾワッ! っと何かが体を這う感覚を感じて、
「な、何よっ!?」
アタシは慌てて立ち上がり咄嗟に手で体を払う。砂浜にポトッと落ちたものを見ると先程目にしたゴキブリみたいな奴だった。あんなのが体に這っていたと思うとゾワッ~と鳥肌が立ってくる。
「はぁ~ ビックリしたぁ…。ホント最悪!」
いつの間にか外は明るくなろうとしていた。文句を叫びながらどうやら眠ってしまっていたらしい。昇ってきている太陽の光に照らされ反射して海が神秘的に見える。彼ピッピと一緒ならどんなにいいか…。彼氏なんていないけど…そう思えるような景色。
でも…こんな所に1人でどうやって生きて行けばいいんだろう? “グゥ────ッ!” ――っと、あたしのお腹が鳴った。昨日から何も食べていないのだ。洞窟内を改めて見渡しても見ても視界に入るのはモゾモゾと動くゴキブリみたいな奴と地面には小さなカニがカサコソしてるだけ…。
「こんなの食べたくないし、触れないし、食べられ無いよね? ヤバいヤバい!こんなの食べたくなんて無いのに食料として考えてたよね、あたし!?」
とりあえず洞窟を離れ波打ち際を歩く。
何か落ちていないだろうか?
何か流れ着いていないだろうか?
何もないというよりも何が食べれるのかさえ分からないだけど?
イソギンチャクやヒトデがいるけど…
「流石に生では食べれないよね?」
波打ち際から森の方へと視界を向けて見るが入って行く勇気がない。たまに“ガサッ!”とか“カサッ!”とか聞こえてくるから何が居るのか怖くて無理だ。
ひたすら歩いていると次第に喉がどんどん渇いてきた。
「はぁはぁ…喉がカラカラ…水分取らないと …まずくね?」
海岸沿いをひたすら歩いていると途中ラグビーボールの様な物が結構落ちてるのが目につく。拾ってみると中々に重い。振ってみるけど何の実かさえ分からない。テレビで見た事ある気はするんだけど…。
手に取った実を投げ捨て、水を求めてまた海岸沿いを歩く。あたしだけしか流れ着かなかったのかなぁ? そう考えると涙ぐんでしまい、目からは涙が零れ落ちてしまう。一度溢れ出した涙はなかなか止まってくれず、服の袖で何度も何度も吹き取るを繰り返す。
やがてその場にしゃがみ込み…
「ううっ…ぐす…ぐすっ…うえぇぇぇ…」
あたしは泣いた。
***
暫くしてから泣き止んだあたしはまだ涙で滲むその視界にモヤがかかったような物が入った気がした。
「今、何か…見えた気が…」
視界がハッキリすると先の方に煙が2つ昇ってっているのが見える。1つはこのまま進んだ海岸沿い。もう1つはその海岸から少し森に入った場所からどうやら煙が上がっているようだった。
「誰か居るっ!?」
私は少し怠い体に鞭を打ち慌ててその場所へと駆け寄っていく。まずは海岸沿いの煙の場所へ。
「こうやって火に鍋をかけているって事は人だよね?」
海岸沿いの煙の正体は火に鍋をかけていたことによるもの。何かを煮詰めているみたい。鍋の中には白い物が…。塩に見えるけど…。
「何だろう? 触らない方がいいよね?」
その場所から辺りを改めて見渡して見ると森の中から海に向かい水が流れている。これって川だよね?飲んでも良いよね?
―っていうか喉がカラカラ…。私は川に近付き手で掬い、顔を洗ってから口に含む。
「んぐっんぐっ…ぷはっ…」
冷たくて…美味しい。今まで飲んだ水よりもそれは一番美味しく感じた。それに生き返るとはこういうことかと思った。仕舞いには顔を直接川に浸け水を飲んでいた。
「んぐっんぐ…ごくごくごく…ぷはっ…はぁはぁ……水ってこんなに美味しかったんだぁ…」
水をたらふく飲んで生き返ったアタシは森の中から煙が上がってる方向へと目をやる。
「この川沿いに行けば良いのよね?」
そう思ったあたしは川沿いを煙の昇る方へと歩いていく。ある程度進むとその場所はあった。
手作りの家が見える。その周りには火の上でこれまた何かを煮ている鍋…。吊るされた馴染みのある野菜。
そして一番目を惹かれたのはアタシと同じ高校の男女の制服が干されている事。
「あたしの高校の…制服?制服だぁー!」
思わず大きい声を上げてしまうと、手作りの家の中から…
「「誰(だ)??」」
―という声が聞こえてきた…。
***
修学旅行に向かう途中…飛行機が急速に旋回した様に傾いたのは知ってる。その際、機内の中で空中に投げ飛ばされたように壁に叩きつけられた人が視界に入った。勿論アタシにはどうしようも出来なかった。
だってアタシも空中へと放り出されて、そして…。
今もその時の事を思い浮かべるとブルブルと体が震えてくる。
「アタシあの時壁に…? でも…。飛行機はどうなったんだろ?やっぱり墜ちたのかなぁ…」
周りには人の気配も荷物も何も無い。辺りに見えるのは砂浜と海。そして島の中心に向かって覆い繁る木々や草。もうすぐ日が暮れてしまいそうな海岸沿いを少し歩いてみると洞窟があった。
恐る恐るその中を覗いて見ると2メートル位の小さな洞穴だった。
中に入った瞬間洞穴の壁や天井で何かが素早く動くのが見えた。
「キャッ!なにっ、何なのよ、もー!何よコレッ!キショイキショイ!」
何匹かはこちらの足元へと迫る。
「こ、これって海で良く見かける奴じゃん!?このゴキブリみたいな奴ホントサイテー過ぎるっ!!」
“カサカサカサッカサッ…カサカサ”
気持ち悪い嫌な音がする。でも外はもうすぐ日が暮れてしまいそうだ。悩みに悩んだ結果…意を決して洞窟の真ん中に陣取り、膝を抱えて座り込む。
「…お腹空いたぁ~ 飲み物も飲みたいつ~の。ねぇ、誰かアタシを助けてよぉー?アタシはここだって…ここに居るってぇぇー!!こんな所に1人なんてイヤあぁーー!!!」
***
ゾワッ! っと何かが体を這う感覚を感じて、
「な、何よっ!?」
アタシは慌てて立ち上がり咄嗟に手で体を払う。砂浜にポトッと落ちたものを見ると先程目にしたゴキブリみたいな奴だった。あんなのが体に這っていたと思うとゾワッ~と鳥肌が立ってくる。
「はぁ~ ビックリしたぁ…。ホント最悪!」
いつの間にか外は明るくなろうとしていた。文句を叫びながらどうやら眠ってしまっていたらしい。昇ってきている太陽の光に照らされ反射して海が神秘的に見える。彼ピッピと一緒ならどんなにいいか…。彼氏なんていないけど…そう思えるような景色。
でも…こんな所に1人でどうやって生きて行けばいいんだろう? “グゥ────ッ!” ――っと、あたしのお腹が鳴った。昨日から何も食べていないのだ。洞窟内を改めて見渡しても見ても視界に入るのはモゾモゾと動くゴキブリみたいな奴と地面には小さなカニがカサコソしてるだけ…。
「こんなの食べたくないし、触れないし、食べられ無いよね? ヤバいヤバい!こんなの食べたくなんて無いのに食料として考えてたよね、あたし!?」
とりあえず洞窟を離れ波打ち際を歩く。
何か落ちていないだろうか?
何か流れ着いていないだろうか?
何もないというよりも何が食べれるのかさえ分からないだけど?
イソギンチャクやヒトデがいるけど…
「流石に生では食べれないよね?」
波打ち際から森の方へと視界を向けて見るが入って行く勇気がない。たまに“ガサッ!”とか“カサッ!”とか聞こえてくるから何が居るのか怖くて無理だ。
ひたすら歩いていると次第に喉がどんどん渇いてきた。
「はぁはぁ…喉がカラカラ…水分取らないと …まずくね?」
海岸沿いをひたすら歩いていると途中ラグビーボールの様な物が結構落ちてるのが目につく。拾ってみると中々に重い。振ってみるけど何の実かさえ分からない。テレビで見た事ある気はするんだけど…。
手に取った実を投げ捨て、水を求めてまた海岸沿いを歩く。あたしだけしか流れ着かなかったのかなぁ? そう考えると涙ぐんでしまい、目からは涙が零れ落ちてしまう。一度溢れ出した涙はなかなか止まってくれず、服の袖で何度も何度も吹き取るを繰り返す。
やがてその場にしゃがみ込み…
「ううっ…ぐす…ぐすっ…うえぇぇぇ…」
あたしは泣いた。
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暫くしてから泣き止んだあたしはまだ涙で滲むその視界にモヤがかかったような物が入った気がした。
「今、何か…見えた気が…」
視界がハッキリすると先の方に煙が2つ昇ってっているのが見える。1つはこのまま進んだ海岸沿い。もう1つはその海岸から少し森に入った場所からどうやら煙が上がっているようだった。
「誰か居るっ!?」
私は少し怠い体に鞭を打ち慌ててその場所へと駆け寄っていく。まずは海岸沿いの煙の場所へ。
「こうやって火に鍋をかけているって事は人だよね?」
海岸沿いの煙の正体は火に鍋をかけていたことによるもの。何かを煮詰めているみたい。鍋の中には白い物が…。塩に見えるけど…。
「何だろう? 触らない方がいいよね?」
その場所から辺りを改めて見渡して見ると森の中から海に向かい水が流れている。これって川だよね?飲んでも良いよね?
―っていうか喉がカラカラ…。私は川に近付き手で掬い、顔を洗ってから口に含む。
「んぐっんぐっ…ぷはっ…」
冷たくて…美味しい。今まで飲んだ水よりもそれは一番美味しく感じた。それに生き返るとはこういうことかと思った。仕舞いには顔を直接川に浸け水を飲んでいた。
「んぐっんぐ…ごくごくごく…ぷはっ…はぁはぁ……水ってこんなに美味しかったんだぁ…」
水をたらふく飲んで生き返ったアタシは森の中から煙が上がってる方向へと目をやる。
「この川沿いに行けば良いのよね?」
そう思ったあたしは川沿いを煙の昇る方へと歩いていく。ある程度進むとその場所はあった。
手作りの家が見える。その周りには火の上でこれまた何かを煮ている鍋…。吊るされた馴染みのある野菜。
そして一番目を惹かれたのはアタシと同じ高校の男女の制服が干されている事。
「あたしの高校の…制服?制服だぁー!」
思わず大きい声を上げてしまうと、手作りの家の中から…
「「誰(だ)??」」
―という声が聞こえてきた…。
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