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第二部

物思いに…

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ぼ─────────────っ……

 家に帰ってからも彼女の顔、姿が頭に焼き付き離れない。考える事は彼女の事ばかり。家迄付いて行ってしまうという愚かな行為をしてしまったのに彼女の名前すら分からない。唯一分かるのは彼女が着ていた制服。あれって確か女子高の制服だったよな…?

「お兄ちゃんお兄ちゃん!ボーッとしてどうしたの?何かあった?もしかして私の事考えてた?エヘヘ…」

 リビングのソファーに座っていた俺の膝の上に座ろうとする妹を制止。俺の隣に座らせる。

「もぅー!お兄ちゃんの膝の上に座りたかったのにぃぃぃ!!!」

「…はいはい」

 文句を言いたいのは俺の方だけどな?この俺の横に座らせたボーイッシュな女の子は俺の妹。正確に言えば吹雪母さんの次女で俺の2つ下の妹のゆき。義理の妹。糞親父の血が繋がっている。まぁ、とにかく雪は極度のブラコンである。どうしてこうなったのやら…。普通は兄貴臭いやら気色悪いとか言うんじゃ無いのか?俺の友達はそう言われると言っていたが…。

「それで?」

「ん?」

「お兄ちゃんは何を考えていたの?」

「…何も。ただボーッとしてただけだよ…」

「む~っ!嘘だ!私に言えないやましい事があるんでしょっ?浮気は許さないんだからね?」

「…浮気も何も雪とは付き合ってもいないけどな?俺達兄妹だしな?」
「私達結婚出来るんだから!」
「しないからな?」

「うぅぅぅぅー!!!」

 さてと…リビングにいつまでも居ると雪の相手しないといけなくなるし…糞親父も来そうだからそろそろ部屋に戻ろう。俺は自室へと向かった。



******

「う~絶対アレ女だ…私がいるのに…許さないんだから!!!プンプン!」

「そんなに怒ってどうしたの、雪?」

「あっ…お母さん。聞いてよお母さん!直弘お兄ちゃんに女の影がちらついてるんだもん!」

「そうなの?」

「間違いないよ!あんな締まりのない表情のお兄ちゃん初めて見たもん…」

「直弘君がねぇ…」

「ねぇねぇ…どうすればお兄ちゃんをモノに出来るかなぁ?」

「フフッ…そうねぇ…雪が高校生になったら教えてあげる…」
「それじゃあお兄ちゃん取られちゃうよぉ」
「ホントに雪はお兄ちゃんが好きねぇ…」
「うん!雪はお兄ちゃんが大好き♡」
「…何か懐かしい…」
「ん、何が?」
「ううん…何でも無い。とにかく雪が言う事にはまだ確証は無いんでしょっ?」
「…それは…そうだけど…でも…間違いないもん…」
「…ハッキリしたらまた話をしようね?その時は身体的に多少早いと思うけどモノにする方法教えてあげるから…ね?」
「う…うん」



******


「僕は…息子に嫌われている様だね…?」

「ん…反抗期なだけ…」

「まぁ…普通の家庭でも無いしね…」

「ん…そんな事無い!これが私達にとっての普通。あんまり我が儘言うのなら私にも考えがあるから…」
「恋歌…」
「ん…今まで通り私に任せていれば良い…」
「僕は…」
「ん…心配要らない」
「…うん…分かった」



******


「…また会えるだろうか…彼女に…家は分かってるんだからって駄目駄目駄目だ!絶対に今日みたいな事はしない様にしないと…」

 俺はベットに横になり彼女の事を考えながら眠りについた…。
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