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第二部
それは繰り返す…
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突然だが俺には母親が4人もいる。普通の家庭では無い。実の母を含め4人共優しく綺麗なのに、何故あんな男と一緒に居るのだろうと常々思う今日この頃だ。もう分かったと思うけど俺は親父が大嫌いだ。理由?理由なんて無責任に子供を何人も作り、4人も侍らせて居るんだからそれだけで理由としては充分だろ?ホント4人共あの男の何処に惚れたのか理解に苦しむ…。
だから今日の高校の入学式。親には来ないでくれ、特に親父には絶対来ないでと嘆願したんだ。だって最初は五人で来るって言ったんだぜ?信じられるか?他のきょうだいが何も言わないのが不思議で堪らん…。ただ…俺がそう言った時の恋歌母さんはホント怖かった…。
「ん……あんた…誰に向かって来るなって言ってるの?」
あの冷たい鋭い視線の目力だけで人を殺せるんじゃないかと思ったよ…ホント。
まぁ、色々合ったけど入学式は何とか実母の恋歌母さんだけが出席する事になった。親父はショボンとしていて少し胸が痛んだが嫌なモノは嫌だったんだ…。
とにかくそんなこんなで入学式を終えた帰り道の事。1人街の中を歩いていると3人組の女子校生の1人がハンカチを落としたんだ。俺は直ぐ様それを拾い…
「すいません!これっ…落としましたよ?」
「…えっ?」
「何々ナンパ?」
「マジ!?」
「2人共違うよ!これ…私のハンカチ…。拾ってくれたんだね?本当にありがとうございます…」
俺の方へと振り返り、ハンカチを見て自分のハンカチだと言った女性に目を奪われた…。心もだ。世の中にはこんなに可愛い子が居るのかと。恥ずかしい話だけどこんな気持ちになった事等一度も無い…。
「あ、あの~…?」
「あっ…ごめんね…はい…ハンカチ。落とさない様に気を付けてね?」
(いかんいかん。呆けてしまっていた…)
「本当にありがとうございました。これ大切にしていたハンカチなので…」
「それは良かったです…じゃあ…」
「あっ…待っ…」
彼女が言葉を最後迄発する前にその場から足早に立ち去る…。曲がり門を曲がりそこにあった路地裏に姿を隠し気持ちを落ち着ける。
トクントクントクントクントクン…
心臓の鼓動がうるさい…。これって…アレか?恋…恋なのか?恋なんて今まで一度もした事が無い…。うちの家族が普通じゃないから、そういうのは良いと思っていた。なのにどうして…?先程からずっと俺の心から消えないのは綺麗な銀髪の髪を靡かせて振り向いた彼女の姿…。もう一度見たい…。彼女の姿を…。
そう思った瞬間、俺は彼女を追うため駆け出していた。もう一度君に逢いたいと。
そして、程無くして君を見つけた。彼女は1人だった。友達とはどこかで別れたんだろう。声を掛けたい。でも…なんて声を掛ければ…。そう思いながら彼女から距離をとり彼女の後を追う。彼女が一軒の家に入って行った…。ここが彼女の家なんだと思った。
────って何やってんの俺!?幾ら声を掛けれないからって家迄付いて行ったなんてそんなのストーカーじゃねぇかぁー!!!ホント俺何やってんの!?初恋と思える人をストーキングするなんて正気の沙汰じゃないぞ?俺は慌てて家へと帰って行った…。
だから今日の高校の入学式。親には来ないでくれ、特に親父には絶対来ないでと嘆願したんだ。だって最初は五人で来るって言ったんだぜ?信じられるか?他のきょうだいが何も言わないのが不思議で堪らん…。ただ…俺がそう言った時の恋歌母さんはホント怖かった…。
「ん……あんた…誰に向かって来るなって言ってるの?」
あの冷たい鋭い視線の目力だけで人を殺せるんじゃないかと思ったよ…ホント。
まぁ、色々合ったけど入学式は何とか実母の恋歌母さんだけが出席する事になった。親父はショボンとしていて少し胸が痛んだが嫌なモノは嫌だったんだ…。
とにかくそんなこんなで入学式を終えた帰り道の事。1人街の中を歩いていると3人組の女子校生の1人がハンカチを落としたんだ。俺は直ぐ様それを拾い…
「すいません!これっ…落としましたよ?」
「…えっ?」
「何々ナンパ?」
「マジ!?」
「2人共違うよ!これ…私のハンカチ…。拾ってくれたんだね?本当にありがとうございます…」
俺の方へと振り返り、ハンカチを見て自分のハンカチだと言った女性に目を奪われた…。心もだ。世の中にはこんなに可愛い子が居るのかと。恥ずかしい話だけどこんな気持ちになった事等一度も無い…。
「あ、あの~…?」
「あっ…ごめんね…はい…ハンカチ。落とさない様に気を付けてね?」
(いかんいかん。呆けてしまっていた…)
「本当にありがとうございました。これ大切にしていたハンカチなので…」
「それは良かったです…じゃあ…」
「あっ…待っ…」
彼女が言葉を最後迄発する前にその場から足早に立ち去る…。曲がり門を曲がりそこにあった路地裏に姿を隠し気持ちを落ち着ける。
トクントクントクントクントクン…
心臓の鼓動がうるさい…。これって…アレか?恋…恋なのか?恋なんて今まで一度もした事が無い…。うちの家族が普通じゃないから、そういうのは良いと思っていた。なのにどうして…?先程からずっと俺の心から消えないのは綺麗な銀髪の髪を靡かせて振り向いた彼女の姿…。もう一度見たい…。彼女の姿を…。
そう思った瞬間、俺は彼女を追うため駆け出していた。もう一度君に逢いたいと。
そして、程無くして君を見つけた。彼女は1人だった。友達とはどこかで別れたんだろう。声を掛けたい。でも…なんて声を掛ければ…。そう思いながら彼女から距離をとり彼女の後を追う。彼女が一軒の家に入って行った…。ここが彼女の家なんだと思った。
────って何やってんの俺!?幾ら声を掛けれないからって家迄付いて行ったなんてそんなのストーカーじゃねぇかぁー!!!ホント俺何やってんの!?初恋と思える人をストーキングするなんて正気の沙汰じゃないぞ?俺は慌てて家へと帰って行った…。
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