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第一部
金曜日①
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昨日からお兄ちゃんの様子が特におかしい。何かあったんだろうか?私にも言えない事なのかな?私は美憂ちゃんと毎朝待ち合わせるコンビニの前で色々考え込んでしまう。
「おはよー吹雪ちゃん……ってどうしたの?何かあった?」
親友の吹雪ちゃんが来て早々、私の顔を見るなりそんな事を口にする。親友だけあって私の様子が違う事に直ぐに気付いてくれる。私は聞いて欲しかったんだと思う。お兄ちゃんの事を知ってる人に…。
「…うん…昨日からお兄ちゃんの様子が特におかしくて…今日なんか学校休んでるんだぁ…」
「お兄さんが!?」
「ここ1ヶ月位…何か悩んでるのかなぁと思ってはいたんだけど昨日は…何て言うのかな…中学の終わり頃のお兄ちゃんの顔って言えば分かる?」
「…ん…分かるよ。辛そうに…してたあの時の表情だよ…ね」
(あの時のお兄さんは生きる意味を無くしてた…そんな感じだった。学校であんな事が合ったら当然そうなるよね…あの時の私はうまく支えてあげられなかった…)
「そうなの…あの頃よりも昨日の表情は酷かったかも…」
「…お兄さん1人にして大丈夫なの?」
「お兄ちゃんは体調が優れないだけだから寝とけば治る。だから気にしないで大丈夫って言ってたけど…」
「…ねぇ……吹雪ちゃん…」
「うん…どうしたの美憂ちゃん?」
「私達親友だよね?」
「うん、勿論」
「お兄さんとの事応援してくれるんだよね?」
「うん。それも勿論応援するけど…」
「良いんだよね?私がお兄さんと結ばれても…」
「え~と…何でそんな事聞くの?」
「吹雪ちゃんって…お兄さんの事異性として好きな訳じゃ無いよね?」
「…そ、そんなの当たり前じゃん…きょ、兄妹だし…」
「だったら…吹雪ちゃんの家の鍵…私に貸してくれないかな?」
「…えっ?」
「私がお兄さんの事見てるから…」
「…うん………分かった。これ家の鍵だよ。お兄ちゃんをお願いね…美憂ちゃん」
「ありがとう吹雪ちゃん。…私に任せてくれて…。でも…後で後悔しない様にしてね吹雪ちゃん?」
美憂ちゃんは私から鍵を受け取るとこちらを振り返らずに私の自宅へと駆け出した。私は美憂ちゃんの後ろ姿をその姿が見えなくなる迄見送った。その間も美憂ちゃんの言葉が私の心の中を何度もよぎっていた。後悔…?美憂ちゃんに任せるのに後悔は…無い。…筈だよね?何でだろう…私…何で泣いてるの………?
「おはよー吹雪ちゃん……ってどうしたの?何かあった?」
親友の吹雪ちゃんが来て早々、私の顔を見るなりそんな事を口にする。親友だけあって私の様子が違う事に直ぐに気付いてくれる。私は聞いて欲しかったんだと思う。お兄ちゃんの事を知ってる人に…。
「…うん…昨日からお兄ちゃんの様子が特におかしくて…今日なんか学校休んでるんだぁ…」
「お兄さんが!?」
「ここ1ヶ月位…何か悩んでるのかなぁと思ってはいたんだけど昨日は…何て言うのかな…中学の終わり頃のお兄ちゃんの顔って言えば分かる?」
「…ん…分かるよ。辛そうに…してたあの時の表情だよ…ね」
(あの時のお兄さんは生きる意味を無くしてた…そんな感じだった。学校であんな事が合ったら当然そうなるよね…あの時の私はうまく支えてあげられなかった…)
「そうなの…あの頃よりも昨日の表情は酷かったかも…」
「…お兄さん1人にして大丈夫なの?」
「お兄ちゃんは体調が優れないだけだから寝とけば治る。だから気にしないで大丈夫って言ってたけど…」
「…ねぇ……吹雪ちゃん…」
「うん…どうしたの美憂ちゃん?」
「私達親友だよね?」
「うん、勿論」
「お兄さんとの事応援してくれるんだよね?」
「うん。それも勿論応援するけど…」
「良いんだよね?私がお兄さんと結ばれても…」
「え~と…何でそんな事聞くの?」
「吹雪ちゃんって…お兄さんの事異性として好きな訳じゃ無いよね?」
「…そ、そんなの当たり前じゃん…きょ、兄妹だし…」
「だったら…吹雪ちゃんの家の鍵…私に貸してくれないかな?」
「…えっ?」
「私がお兄さんの事見てるから…」
「…うん………分かった。これ家の鍵だよ。お兄ちゃんをお願いね…美憂ちゃん」
「ありがとう吹雪ちゃん。…私に任せてくれて…。でも…後で後悔しない様にしてね吹雪ちゃん?」
美憂ちゃんは私から鍵を受け取るとこちらを振り返らずに私の自宅へと駆け出した。私は美憂ちゃんの後ろ姿をその姿が見えなくなる迄見送った。その間も美憂ちゃんの言葉が私の心の中を何度もよぎっていた。後悔…?美憂ちゃんに任せるのに後悔は…無い。…筈だよね?何でだろう…私…何で泣いてるの………?
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