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第一部

救世主?

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「良いところでしたのに…」
「ホントでゴザルよ…」

「はぁ~、早めに来て良かったわ」

「美麗先輩も来て下さったんですか?」

「…っ!?…か、勘違いしないでよね。たまたま…そう、たまたまここの病院に来ないと行けない用事があっただけだからね?」

「…うわぁ~、ツンですわ…」
「…ツンでゴザルな~」

「…やかましいわよ。2人共!」

「ハハハ、とにかくありがとうございます美麗先輩」

「…で、ソレは大丈夫なの?」

「嗚呼、腕は大丈夫ですよ。二週間もすれば抜糸ですので」

「…それは大丈夫とは言わないでしょ!」

「いや、ホントに。真冬先輩も無事だったしナイフを持った相手にこの程度の怪我で済んだんです。だから大丈夫だと言えるんですよ?」

「…アンタは変わらないわね」

「えっ?」

「い、いや、何でもないわよ!とにかく無理はしない事!良い?」

「はい。ありがとうございます。美麗先輩が来てくれて本当に良かった」

「ふ…ふぇ/////!?」

「あの2人とんでもない事ばかり言い出しまして困ってたんです…」

「……ああ、そっちね。勘違いしてたわ。まぁ、あの2人は脳内ピンク色だから…」

「そんな…」
「あんまりでゴザル」

「ですよね、流石美麗先輩?」

「当然よ。アンタの事が一番分かるのはアタシなんだから!」

「…えっ?」

「ち、違っ…今のは…そう、そうアレよ!あの2人に対して思う事がアンタと一緒って事よ!」

「やっぱりそうですよね?美麗先輩がなんだか話が一番通じますね?」

「エヘヘ…そうよね?そうよね?アタシが一番なのよ!」

「お嬢様。美麗殿に良い様にダシにされてる気がするでゴザル」

「…奇遇ですね、茜。わたくしも今しがたそう感じていたところです」

「ふん、何とでも言いなさい、2人共。今のアタシは無敵なんだからね!」

「単純でゴザルな…」
「美麗は昔からこうですわよね…」

「豊和、何でも言ってみなさい。今なら特別に叶えてあげても良いわよ?」

「うん、何でも?」

「そう!このアタシが何でも叶えてあげるわ!」

「そうですね。では…」

「…もしかしてエッチな事を言うつもりなの?馬鹿じゃないの!全く。豊和はスケベなんだから…でも…どうしてもというなら…す、少し位なら構わないわ…よ?さっき2人が言っていた様に…お手伝いを…その………した方が良い?……する/////?」

「…少しデレましたわ」
「デレたでゴザル…」

「そんな事頼むかぁ──!美麗先輩迄何言ってんだぁぁ────!」

─する?って言った時の美麗先輩。あれは破壊力ヤバかった。俺の心にグッと来た、グッと。流石ヒロインの美麗先輩。俺じゃなきゃぁ絶えられなかっただろう。救世主と思っていたのに…救世主どころかとんでもなく大きな爆弾を投げてつけて来たんだけども……。



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