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彼女
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よく電車内で周りの目も気にせずイチャつくカップルっているだろ?見ていて気持ち悪くなるレベルのベッタベタであまあまなやつ。もっと周囲の目とかを気にして欲しいと思うけど。
かく言う俺は彼女いない歴=年齢と同じだ。
別にモテない訳じゃない。単に俺にふさわしいと思える美人な女性が現れなかったというだけのこと……それでもやはり、独り身としてはバカップルの存在は非常に辛いものがあって、近くに現れた時は手元の文庫本に没頭してそちはを見ないようにしている。
そんなある日、電車の椅子に座った俺のすぐ隣でカップルがイチャつきだした。俺は本へと視線を落とし目を反らしたが近過ぎるせいでその会話が俺の耳まで聞こえてきた。
「ねぇんま~くん、私のことすきぃ?」
「もちろん好き!」
「ありがと~、でもやっぱり私よりも綺麗な人とか、顔の可愛い子が来たらま~くんだって目移りするんでしょ?」
「ううん、どっちも嫌いだよ。僕はナナちゃんがだーいすきさ!」
「うっそん、うれぴー! ま~くん超ラブ!」
「愛してるよ、ナナちゃん!」
……強い胸焼けを覚えた俺は文庫本から少しだけ顔を上げ、カップルの姿を目にした時、男の言葉をよく理解した。
願わくば彼女の為にも彼女よりももっと綺麗じゃない人が彼の前に現れないよう祈っている。
かく言う俺は彼女いない歴=年齢と同じだ。
別にモテない訳じゃない。単に俺にふさわしいと思える美人な女性が現れなかったというだけのこと……それでもやはり、独り身としてはバカップルの存在は非常に辛いものがあって、近くに現れた時は手元の文庫本に没頭してそちはを見ないようにしている。
そんなある日、電車の椅子に座った俺のすぐ隣でカップルがイチャつきだした。俺は本へと視線を落とし目を反らしたが近過ぎるせいでその会話が俺の耳まで聞こえてきた。
「ねぇんま~くん、私のことすきぃ?」
「もちろん好き!」
「ありがと~、でもやっぱり私よりも綺麗な人とか、顔の可愛い子が来たらま~くんだって目移りするんでしょ?」
「ううん、どっちも嫌いだよ。僕はナナちゃんがだーいすきさ!」
「うっそん、うれぴー! ま~くん超ラブ!」
「愛してるよ、ナナちゃん!」
……強い胸焼けを覚えた俺は文庫本から少しだけ顔を上げ、カップルの姿を目にした時、男の言葉をよく理解した。
願わくば彼女の為にも彼女よりももっと綺麗じゃない人が彼の前に現れないよう祈っている。
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