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7章 彼女に謳う天上の青
逃亡の末の危機
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そのままやみくもに走る。へろへろになりながら、伊織は先ほど見た別な階段を目指した。小さな階段なので非常用か使用人用なのだと思う。とにかくそれを使って上へ……。
「いたぞ!」
「…………!」
廊下の向こうに現れた兵士に発見される。伊織は叫ぶのをこらえて、手近な脇道に入った。その先にはさらに下に降りる階段。
「ど、どんどん出口が離れてくー!」
泣きながら階段を下りた。せめてこの先に、アルヴィンが捕らえられている牢でもあればと思った。何か奥の手を持ってるかもしれない。
廊下の先では、石の床が急に土に変わる。
内心疑問に思ったが、背後から追いかけてくる兵士がいるので、悠長に立ち止まっていられない。
やがて道が三つ叉に分かれていた。ままよ! と思いながら右を選ぶ。
それにしてもこの洞窟みたいなのは、どこまで続いているんだろう。
周囲に視線を走らせた伊織は、もしかして洞窟じゃないかも、と思う。家の骨組みたいに木で岩盤を固定しているからだ。炭鉱資料館みたいなところで、こんな様子を見た事がある。小学生の社会科見学が、こんなところで役に立つとは思わなかった。
すぐ先で、洞穴は行き止まりになっていた。そこは落盤でもしたのだろうか、一抱えありそうな岩が積み重なっている。
しかし横道があった。
兵士達は別な道を探しに行ったのか、追ってくる声も足音も聞こえない。
横道に入り、伊織はしばし息を整える。
自分に戦闘能力がないのは重々承知していたことだが、逃げるにしても、やはり足を鍛えておいたほうがいいようだ。帰ったらジョギングでも始めよう。
そう決意した伊織は、道の先から声が聞こえて顔を上げた。
でも自分を追いかけてきている兵士のものではない。なんだか、会話しているような声だ。
「正直にお話ししたら、殿下だって……。今の時期、魔が発生するのはどこでも同じだ」
「だが、我が領地から産出されたものは忌避されかねん。そうなれば領民の生活水準は落ちる。お前は故郷の人間を苦しめたいのか!」
「違う。あなたが心配してるのは、自分の懐具合のことだけでしょう」
声の一方はフレイのようだ。伊織はそっと声の方へ近づく。そして息をのんだ。
兵士三人に囲まれた彼は、剣を抜き放っている。しかしフレイの背は、血で服の色さえ変わっていた。頭も怪我をしているのだろう。首筋を伝う血の流れに、不安がかき立てられる。
フレイの目の前にいるのは、壮年の身なりもよさそうな男だ。
それらの全てが、橙と青白い光の波の中に浮かび上がっている。
光源は木枠に掛けられたランプと、地面に描かれた……。
「魔法……陣?」
何重もの円の中に配置された石が、青白く発光していた。掘り出した原石みたいな石は大小さまざまで、どういった規則で置かれているのかも伊織には全く分からない。ただその中心になる地面が、妙に黒ずんでいる。
嫌な感じがした。
無意識に後退りした伊織の足音に、フレイ達が気づく。
「捕らえろ!」
フレイを囲んでいたうちの二人が、伊織に向かってくる。そのうち一人に、フレイが背後から斬りつけた。
伊織の足がすくむ。逃げ出す足が鈍り、あっけなく腕をつかまれた。
「やだ! 放して!」
もがいたが、力の差は歴然としている。フレイの目の前にいる男の方に向って引きずられてしまう。伊織はなんとかつま先で踏ん張ろうとしたが、地面に溝を引いただけだった。
フレイは既にもう一人を斬り捨てていたが、こちらを見て手を止めてしまう。
伊織が人質になってしまったからだ。
自分を情けなく思っている暇はなかった。残る一人がフレイに斬りかかっていく。
「フレイさん!」
声を上げた時には、フレイの肩口に切っ先が迫っていた。
うめき声を上げてその場にくずおれるフレイ。伊織はあまりのことに声も出なかった。
「そこまででいい」
壮年の男性が、剣を突き刺そうとした兵士を止める。
「首に剣を突きつけても、そやつは言うことをきかんだろ。本当に強情な」
近づくと、その男性をどこかで見たことがあるような気がした。見たということは、王宮の中しかない。身なりからして使用人に紛れていたわけがない。どこで……。
「父上っ!」
睨み殺すような表情で叫んだフレイのおかげで、やっと誰なのか思い出す。ミュルダール辺境伯。フレイの父親だ。
「どうして……」
なぜ父親が自分の子供を傷つけさせるのか。伊織には理解できなかった。
ミュルダールは見下すような視線を向けてくる。
「小娘め。どこまで話を聞いた?」
王宮で会った時とは正反対の態度だ。そして問いかけておきながら、伊織の回答など聞く気はなかったらしい。
「大人しくしていれば、まだ無事に帰してやろうと思ったのにな、愚かな娘よ。まぁいい。計画に多少の変更はつきものだ」
そして彼は足下の魔方陣を見て、笑みを浮かべる。
「最初はな、愚かな息子が隣国にそそのかされて、勇者の姉を拐かしたと言うつもりであった。だが父である儂に見つかって、自害したと言う方が良いだろう。そして勇者の姉は魔がいると知り、自己犠牲から止めようと飛び込んだ……とでもしておくか」
伊織もまた魔方陣に視線を向け、あの黒い染みのあたりから霧のようなものがふわりと舞い上がったような気がした。
魔方陣の青白い光を透かす黒い霧は、吹きだまった埃のようにそこから動かない。
ソレが一体何なのか、考えるだに恐ろしい。とにかく普通の魔法とは違う。なんだか自分の意志があるようだ。
「……にげ、イオリ……さ」
苦悶の表情を向けながら、フレイが伊織の名を呼ぶ。
逃げろと。
自分でも逃げたいと思う。自分が捕まれば弟の立場が悪くなる。でも無理だ。
兵士の足を蹴りつけたが、全く効かない。後ろから手を戒められたまま、魔方陣へひきずられていく。足をかかとで踏んでみたが、だめだった。
――ならば。
伊織は土埃でいっぱいの空気を吸い込んだ。そして裾がめくれるのもかまわず、右足を大きく前に振り上げて、近くにいたミュルダール伯の下腹部を蹴り上げた。
「………ぐぇっ」
カエルが潰されたような声を出し、ミュルダール伯がその場にうずくまる。倒れていたフレイが目を丸くした。そして伊織を捕らえた兵士の足がとまる。
伊織はその隙を逃さず、全力で暴れた。
しかし兵士の腕から逃れられそうだった所で、ミュルダールが憤怒の形相でこちらを睨んだ。
「聞き分けの悪い小娘め!」
ミュルダールは膝をつき、腰の剣を引き抜いた。伊織は精一杯切っ先を避けようとしたが、右肩に剣が突き刺される。
あまりの痛みに、記憶が途切れた。自分の悲鳴で我に返り、火傷したような痛みを抱えて、地面の上を転げ回る。
押さえた左手の指に、甲に、生暖かい血が絡む。だけど肩はどんどん冷たくなっていく。
それに連れて、痛みも意識も遠ざかり始めた。
「ふん、生かしておいてやろうと思ったものを」
ミュルダールがそんな事を言っている。
続く呪文と共に、あの黒い霧がわき上がった。
とたんに鼻をつく腐臭。枯葉が腐るように甘く、食べ物が腐るように酸っぱい。なぜ今まで気づかなかったのか不思議なほどのきつい臭いだ。
急に霧の粘度が増したように見えた。感覚が薄れてきた身体に、重みを感じる。
足下から這い進んでくる黒い霧に恐怖を感じても、その感覚がどこか遠い。まるで自分は遠くにいて、誰かの痛みに共感しているだけのような感じ。
伊織が見つめる中、霧は肩まで覆いつくし、傷口に触れた。
その瞬間に変化が起きたのは、黒い霧の方だった。
「いたぞ!」
「…………!」
廊下の向こうに現れた兵士に発見される。伊織は叫ぶのをこらえて、手近な脇道に入った。その先にはさらに下に降りる階段。
「ど、どんどん出口が離れてくー!」
泣きながら階段を下りた。せめてこの先に、アルヴィンが捕らえられている牢でもあればと思った。何か奥の手を持ってるかもしれない。
廊下の先では、石の床が急に土に変わる。
内心疑問に思ったが、背後から追いかけてくる兵士がいるので、悠長に立ち止まっていられない。
やがて道が三つ叉に分かれていた。ままよ! と思いながら右を選ぶ。
それにしてもこの洞窟みたいなのは、どこまで続いているんだろう。
周囲に視線を走らせた伊織は、もしかして洞窟じゃないかも、と思う。家の骨組みたいに木で岩盤を固定しているからだ。炭鉱資料館みたいなところで、こんな様子を見た事がある。小学生の社会科見学が、こんなところで役に立つとは思わなかった。
すぐ先で、洞穴は行き止まりになっていた。そこは落盤でもしたのだろうか、一抱えありそうな岩が積み重なっている。
しかし横道があった。
兵士達は別な道を探しに行ったのか、追ってくる声も足音も聞こえない。
横道に入り、伊織はしばし息を整える。
自分に戦闘能力がないのは重々承知していたことだが、逃げるにしても、やはり足を鍛えておいたほうがいいようだ。帰ったらジョギングでも始めよう。
そう決意した伊織は、道の先から声が聞こえて顔を上げた。
でも自分を追いかけてきている兵士のものではない。なんだか、会話しているような声だ。
「正直にお話ししたら、殿下だって……。今の時期、魔が発生するのはどこでも同じだ」
「だが、我が領地から産出されたものは忌避されかねん。そうなれば領民の生活水準は落ちる。お前は故郷の人間を苦しめたいのか!」
「違う。あなたが心配してるのは、自分の懐具合のことだけでしょう」
声の一方はフレイのようだ。伊織はそっと声の方へ近づく。そして息をのんだ。
兵士三人に囲まれた彼は、剣を抜き放っている。しかしフレイの背は、血で服の色さえ変わっていた。頭も怪我をしているのだろう。首筋を伝う血の流れに、不安がかき立てられる。
フレイの目の前にいるのは、壮年の身なりもよさそうな男だ。
それらの全てが、橙と青白い光の波の中に浮かび上がっている。
光源は木枠に掛けられたランプと、地面に描かれた……。
「魔法……陣?」
何重もの円の中に配置された石が、青白く発光していた。掘り出した原石みたいな石は大小さまざまで、どういった規則で置かれているのかも伊織には全く分からない。ただその中心になる地面が、妙に黒ずんでいる。
嫌な感じがした。
無意識に後退りした伊織の足音に、フレイ達が気づく。
「捕らえろ!」
フレイを囲んでいたうちの二人が、伊織に向かってくる。そのうち一人に、フレイが背後から斬りつけた。
伊織の足がすくむ。逃げ出す足が鈍り、あっけなく腕をつかまれた。
「やだ! 放して!」
もがいたが、力の差は歴然としている。フレイの目の前にいる男の方に向って引きずられてしまう。伊織はなんとかつま先で踏ん張ろうとしたが、地面に溝を引いただけだった。
フレイは既にもう一人を斬り捨てていたが、こちらを見て手を止めてしまう。
伊織が人質になってしまったからだ。
自分を情けなく思っている暇はなかった。残る一人がフレイに斬りかかっていく。
「フレイさん!」
声を上げた時には、フレイの肩口に切っ先が迫っていた。
うめき声を上げてその場にくずおれるフレイ。伊織はあまりのことに声も出なかった。
「そこまででいい」
壮年の男性が、剣を突き刺そうとした兵士を止める。
「首に剣を突きつけても、そやつは言うことをきかんだろ。本当に強情な」
近づくと、その男性をどこかで見たことがあるような気がした。見たということは、王宮の中しかない。身なりからして使用人に紛れていたわけがない。どこで……。
「父上っ!」
睨み殺すような表情で叫んだフレイのおかげで、やっと誰なのか思い出す。ミュルダール辺境伯。フレイの父親だ。
「どうして……」
なぜ父親が自分の子供を傷つけさせるのか。伊織には理解できなかった。
ミュルダールは見下すような視線を向けてくる。
「小娘め。どこまで話を聞いた?」
王宮で会った時とは正反対の態度だ。そして問いかけておきながら、伊織の回答など聞く気はなかったらしい。
「大人しくしていれば、まだ無事に帰してやろうと思ったのにな、愚かな娘よ。まぁいい。計画に多少の変更はつきものだ」
そして彼は足下の魔方陣を見て、笑みを浮かべる。
「最初はな、愚かな息子が隣国にそそのかされて、勇者の姉を拐かしたと言うつもりであった。だが父である儂に見つかって、自害したと言う方が良いだろう。そして勇者の姉は魔がいると知り、自己犠牲から止めようと飛び込んだ……とでもしておくか」
伊織もまた魔方陣に視線を向け、あの黒い染みのあたりから霧のようなものがふわりと舞い上がったような気がした。
魔方陣の青白い光を透かす黒い霧は、吹きだまった埃のようにそこから動かない。
ソレが一体何なのか、考えるだに恐ろしい。とにかく普通の魔法とは違う。なんだか自分の意志があるようだ。
「……にげ、イオリ……さ」
苦悶の表情を向けながら、フレイが伊織の名を呼ぶ。
逃げろと。
自分でも逃げたいと思う。自分が捕まれば弟の立場が悪くなる。でも無理だ。
兵士の足を蹴りつけたが、全く効かない。後ろから手を戒められたまま、魔方陣へひきずられていく。足をかかとで踏んでみたが、だめだった。
――ならば。
伊織は土埃でいっぱいの空気を吸い込んだ。そして裾がめくれるのもかまわず、右足を大きく前に振り上げて、近くにいたミュルダール伯の下腹部を蹴り上げた。
「………ぐぇっ」
カエルが潰されたような声を出し、ミュルダール伯がその場にうずくまる。倒れていたフレイが目を丸くした。そして伊織を捕らえた兵士の足がとまる。
伊織はその隙を逃さず、全力で暴れた。
しかし兵士の腕から逃れられそうだった所で、ミュルダールが憤怒の形相でこちらを睨んだ。
「聞き分けの悪い小娘め!」
ミュルダールは膝をつき、腰の剣を引き抜いた。伊織は精一杯切っ先を避けようとしたが、右肩に剣が突き刺される。
あまりの痛みに、記憶が途切れた。自分の悲鳴で我に返り、火傷したような痛みを抱えて、地面の上を転げ回る。
押さえた左手の指に、甲に、生暖かい血が絡む。だけど肩はどんどん冷たくなっていく。
それに連れて、痛みも意識も遠ざかり始めた。
「ふん、生かしておいてやろうと思ったものを」
ミュルダールがそんな事を言っている。
続く呪文と共に、あの黒い霧がわき上がった。
とたんに鼻をつく腐臭。枯葉が腐るように甘く、食べ物が腐るように酸っぱい。なぜ今まで気づかなかったのか不思議なほどのきつい臭いだ。
急に霧の粘度が増したように見えた。感覚が薄れてきた身体に、重みを感じる。
足下から這い進んでくる黒い霧に恐怖を感じても、その感覚がどこか遠い。まるで自分は遠くにいて、誰かの痛みに共感しているだけのような感じ。
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