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1章 勇者の姉、召還
突然の出来事
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伊織は何度読んだかわからない手紙を元のようにくるくると丸め、赤い紐で結んだ。
指に触れるのは、藁半紙でもコピー用紙でもない、厚みのある堅めの感触。下手をすると紙ですらないかもしれない。
ふっとため息をつき、伊織は音と映像をはき出すテレビ画面へ視線を戻した。
子供のころからよく見ていた、ファンタジー映画が映されている。
内容は十分に知っていた。だけど何度見ても面白いので、暇つぶしにと思い、ソファーの上であぐらをかいた状態でぼんやりと鑑賞していた。
映画の中の金髪の少女は、綺麗なドレスを着ている。そして敵から逃げ回っていた。
ふと、伊織は自分の姿に目を落とす。一日中外出する気は一切ないので、肩を越す茶に近い色の髪はまとめもしないで放置。着ているのは部屋着にしているパーカーとスウェットの上下だ。
「悠樹のとこにも、もしかしてこんな女の子が一杯いるのかな」
金髪の少女は、ようやく主人公である少年と合流した。
二人でじりじりと回廊の先へ進む。
この先には敵が待っている。だけど敵側の動きなど知りようもない二人は、剣を構えながら回廊の先にある扉を開こうとした。
向こう側から明るい光が溢れ……。
その瞬間『伊織の目の前が』真っ白になった。
指に触れるのは、藁半紙でもコピー用紙でもない、厚みのある堅めの感触。下手をすると紙ですらないかもしれない。
ふっとため息をつき、伊織は音と映像をはき出すテレビ画面へ視線を戻した。
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内容は十分に知っていた。だけど何度見ても面白いので、暇つぶしにと思い、ソファーの上であぐらをかいた状態でぼんやりと鑑賞していた。
映画の中の金髪の少女は、綺麗なドレスを着ている。そして敵から逃げ回っていた。
ふと、伊織は自分の姿に目を落とす。一日中外出する気は一切ないので、肩を越す茶に近い色の髪はまとめもしないで放置。着ているのは部屋着にしているパーカーとスウェットの上下だ。
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二人でじりじりと回廊の先へ進む。
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向こう側から明るい光が溢れ……。
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