111 / 364
第110話
しおりを挟むジルヴァンの手よって腰紐を解かれた時、すでに恭介の男根は硬く肥大していた。
「キ、キョースケ……、これはいったいどういうことだ?」
「どうって、陰毛なら剃っておいたンだ。それとも、勃つのが早すぎるって?」
今から数十分前、恭介は情人としてついに第6王子の寝間を訪れた。室にはジルヴァンしかおらず、足付きの洋燈が二台用意されていた。植物油に灯された火の色は橙色で、仄かに甘い匂いがした。
「よく来た、キョースケ。近う寄れ。」
寝台に誘われた恭介は扉を閉めると、「お邪魔します」と云ってジルヴァンの横に腰かけた。
「そんな薄着で寒くないか?」
「どうせすぐに脱ぐのだから、問題なかろう。」
「それもそうだな。」
互いに1枚しか身につけておらず、雰囲気は和やかである。恭介は平静を装いながら、会話した。
「呼んでくれてサンキューな。オレのほうで、痺れを切らしそうになってたよ。」
「そうであったか? キョースケにしては珍しい発言だな。」
「どこが珍しいんだ?」
「……いや、なに。貴様は仕事優先の人間だと思っていたが、そうか。こうして呼ばれるのを待っていたのだな。嬉しく思うぞ。」
「ああ。オレも嬉しいよ。」
恭介はジルヴァンの髪に触れると、ぎしりと寝台を軋ませた。ゆっくりと相手のカラダを仰臥させ、体重を載せないよう覆い被さった。口唇を指でなぞると、ジルヴァンは恥ずかしそうに視線を泳がせた。
「……ジルヴァン、」
「な、なんだ、」
「もう、待てない。だから、いいよな?」
「……う、うむ。……あっ、」
恭介はジルヴァンの衿をひらくと、細い腕を引き抜いた。首筋にキスをしてから、胸の突起へ吸いつくと、舌を使って乳頭を刺激した。
「ひっ、や! キョースケ……!」
ジルヴァンはビクビクと腰をふるわせたが、恭介の黒髪をそっと撫でた。
「ま、待たれよ、キョースケ。先に腰紐を吾に解かせよ……。」
「うん? ああ、そうだったな。たのむ。」
いったん上体を起こした恭介は、さあどうぞとばかり、両腕をひろげて見せた。ジルヴァンは赤面したが恭介に顔を寄せて、軽く口唇を重ねた。
「キョースケ、キョースケ……、」
「ああ。何度でも答えるよ。もっと呼んでくれ。」
「うぅっ、キョースケ……!!」
ジルヴァンは恭介にしがみつき、涙目になってしまった。期待と不安で胸がいっぱいで、息苦しくて情けなくなる。
「キョースケ! キョースケ!」
と、ただ子どもみたいに名前を連呼したが、背中を支える腕に余計な力は含まれておらず、「はい」と、耳もとで返事をする声が聞こえた。ジルヴァンは、安心して恭介の体温を感じることができた。しばらく抱きついていたが、やがて、情人の腰紐に手をのばした。同時に、ジルヴァンの肩から絹衣が、はらりと自然に落ちた。そして、
「キ、キョースケ……、これはいったいどういうことだ?」
という、冒頭のやりとりへ戻る。硬く張りつめて勃ちあがる恭介の男根を見たジルヴァンは、一瞬怖気づく。
「陰毛を剃っておいたンだけど、必要なかったか?」
「……い、いや、そうではなく、前に見たときより大きいのではないか?」〔第62話参照〕
「まぁ、そりゃあな。興奮して膨張してるからさ。……たぶん、キミ次第でもっとデカくなるぜ。」
「なに? それ以上デカくなるとは、どういうことだ!? そんな病気があるのか!?」
「いや、そうじゃなくて、むしろ健康な証だ。」
さすがに吹きだすのはマズいため、恭介は苦笑いした。
「あのさ、ジルヴァン。オレの男根をキミの体内に入れたあと、抜き挿しとかするけど、本当に大丈夫か?」
「ぬ、抜き挿しとな?」
「……もしかして、ただ合体するだけが共寝だと思ってた?」
「ちがうのか……? 否、答えずともよい。キョースケのしたいようにすればいいのだ。……吾は初心者ゆえ、すべて任せる。」
「……そうか、わかったよ。うん? 今なんて云った?」
好きにして構わないと聞こえた恭介は、あまりにも大胆で無防備な発言だと思った。とはいえ、攻め側である以上、性器を使わない手はない。恭介はいくらか気が引けつつも、ジルヴァンを寝かしつけると、膝を立て左右にひらかせた。
* * * * * *
1
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
【BL:R18】旦那さまに愛育調教されるオトコ妻
時枝蓮夜
BL
この世界には完全な男性1:完全な女性0.4:不完全男性0.5の割合で生まれてくる。
ぼくは不完全な男、12歳から15歳で肉体的な成長が止まり、生殖能力もない不完全男性として生まれた。
不完全男性は数の足りない女性の代用として、完全な男性の内縁のオトコ妻になる事ができる。
○
ぼくは14歳になる直前に旦那さまに見初められた。
そして15歳の春、スクールの卒業と同時に旦那さまに娶られ、オトコ妻となりました。
○
旦那さまに娶られ、オトコ妻となりましたので旦那さま好みのオトコ妻となるべく愛育調教が始まりました。
○
旦那さまのお気に召すまま、ぼくを旦那さま好みに調教して下さいませ。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる