愛 玩 人 体

み馬

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愛 玩 人 体〔72〕

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 「話がしたい」三船はそう云って、偶然見つけた少年と、再び簡易宿へ戻った。室内での少年は(なぜか)ねた態度をとるが、逃げようとする気配はない。三船はリュックサックの中から救急キットを取り出して、額の傷を手当てした。その手つきを見た少年は、口唇くちびるとがらせてく。
「オッサンって、もしかしてお医者さん?」
 三船は「ああ」と云ってうなずく。要人Bの推薦状により、先週から医局オゼ医師ドクターとして雇用されていたが、まだ実感を持てずにいた。三船は少年の汚れた脚に目を向け、何かくものはないか探した。リュックサックをがさごそとあさる三船に、少年が顔を近づける。

「ねぇ、オッサン。しゃぶって、、、、、あげる」
 
 卑猥ひわいな言葉を耳打ちされ、三船の動きが止まった。少年は迷うことなく三船のズボンへ腕を伸ばすと、大胆な手のつきで前をあける。
「うわ~、すごい。オッサンのでっかいね!」
 少年は、三船の男根をくわえ、舌を使ってあおり始めた。この時点で、少年がストリートライフか“まつろもの”なのかは関係なくなった。初対面でありながら性行為を率先する目的は、歴然としている。とはいえ、このままお手並み拝見とはいかない。三船は巨根けものが暴走する前に、少年を引きはがした。

「あれれ? ボク、下手だった?」
 少年はふしぎそうな目をして、三船の顔をのぞき込む。その表情は、ひどく幼く見えた。
「いや、そうじゃなくて、おまえさんいくつ、、、なんだ?」
「たぶん、16くらいかなぁ」
 三船は思わず、ぎょっとした。エイジより小柄こがらであることは明確だが、教育がされてない分、実年齢より幼い言動が目立つ。だが、少年は大人おとなの男性に怖じ気づくようすはなく、むしろ、誘惑する度胸があるため、愛玩人体あいがんボディの素質を持ち合わせている。三船がばかなことを考える間に、少年は何処どこかへ帰ろうとした。
「手当てしてもらったお礼に1発ヤらせてあげようと思ったけど、必要ないみたいだから、もう行くね」
「いや、待て」
 三船に退出を制された少年は、畳の上にちょこん、、、、と座った。肌は適度に日に焼けて健康的だが、細い手足は脆弱ぜいじゃくに見える。
「おまえさん、ちゃんと食べているか」
「食べてるよ。きのうだって、通りすがりのおじいさんに声をかけて、路地でしゃぶってあげたンだ。それだけで、たくさんお金をもらったよ。だから、お肉屋さんでコロッケパンと、からあげを買って食べた」 
「……うまそうだな」
「ボク、お肉はあまり好きじゃないけれど、たまになら、おいしく食べられるンだ」
 少年は明るい表情になった。食べ物の話題は、盛り上がるらしい。三船は聞き手にまわり、少年の自由にしゃべらせた。あれが好きでこれが嫌いと云う少年に、頃合いを見てたずねた。

「おれは、ミフネ▪スコール▪ショウゴと云う。キミに名前はあるのか。おまえさんを、なんと呼べばいい」
 ストリートライフ者にとって、親から授かった名前など無意味である。むしろ、きちんと愛せないのであれば、与えるべきではない。だが、少年は好きな食べ物を語るときの口調で答えた。
「名前なら知らないけど、ボクを呼びたければ、自由に決めていいよ」
「名前を知らないとは、どう云うことだ?」
「知らないものは、知らないンだ。生まれてすぐ、捨てられたみたいだからさ」
 切実な事情を聞かされた三船は、もはや、少年を放っておくことはできなかった。


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