上 下
6 / 16
Yuiの戸惑い

秘密基地 1 

しおりを挟む
激しく鳴らされるチャイムと玄関のガラス越しに見えるKou君らしき人影。
僕にはこのシーンの予感が既にありました。

「ごめんYui、あの…例の あ、家に誰かいる?お父さんは?」

「どうしたのさ、まぁ落ち着いてよKouちゃん」

「あ、あぁ…ごめん。実は例の雑誌のことで…」

「今は母さんしかいないけど、父さんの部屋に入るのはマズイかも…」

「そうか、そうだよね。急に来たって無理だよね。ごめん…帰るわ」

ガックリ肩を落とすKouちゃんを見て僕は1人で帰せないほど心配になってしまいました。

「あっ、待って。う~んKouちゃん時間ある?」

首を傾げるKouちゃんに

「あのさ、チョット付き合ってくれない?」

そう言って玄関にKouちゃんを残し母さんに『Kouちゃんが工作で使う端材が欲しいって言うからさ、材木置き場に行って拾って来る』と適当な嘘をついて出かける準備をしました。

端材を入れる袋とそれらを縛る紐、ついでに小さめなブルーシートも持って玄関に走りました。

「行ってきまーす」

大声で言うとKouちゃんの手首を掴み外に出ました。

「こっち。裏の倉庫の隣が材木置き場になってるんだ」

手を離し先に行く僕の後をKouちゃんは黙ってついて来ました。途中で肩を並べるとKouちゃんは俯いたまま

「あのさぁ、前に見せてもらった雑誌あったじゃん」

「うん」

「その中に女の子が写っていたやつがあっただろう」

「うん」

その時僕にはその先のセリフが予想できていました。

「 Renに似た娘がいたでしょ?」

「うん」

「あの娘さぁ…」

「着いたよ」

「?」

そこは梁と屋根だけがあり大小長短の角材が所狭しと積み上げられたり立てかけられたりする材木置き場でした。

「わっ、スゲぇ」

Kouちゃんはその材木の量に圧倒されている様でした。

「Kouちゃん、そこで靴を脱いで俺の後について来て」

そう言って僕は材木の隙間からうず高く積まれた角材の中に侵入して行きました。Kouちゃんはそこでも何度も『スゲェー』と繰り返しながら僕の後から材木の隙間をよじ登って来ました。

しばらくすると畳二畳ほどの平なスペースがある場所に出ました。そこは片側が角材が壁を作り反対側は隙間から空が見え、そのくせ下からはこの場所は見えないと言う好条件の場所でした。

「スゲェじゃん、ここ」

さっきまでの深刻そうな顔が嘘の様にKouちゃんがはしゃいでいるのを見て僕は少し安心しました。僕も笑って

「凄いだろ?今日からここが2人の秘密基地だよ」

「スゲー」

「Kouちゃんさっきからそればっかじゃん」

「へへ … ありがとな、Yui」

「何だよ改まって」

「俺、チョット気が動転しちゃってさ」

「・・・いいよ、別に」

僕は言葉につまりました。『きっとあの写真のことだ』そう思いました。僕は自分を落ち着かせる為に基地の説明を始めました。

「ここは角材を積んで行く内に偶できたスペースなんだ。ほらここの下の木はみんな綺麗でしょ、これは加工が済んでるの。だから木を汚さない様に靴を脱いでもらったのね」

「なるほどぉ」

「で、必要な角材は運び出されたり新しい角材が積まれたりするからここのスペースも広くなったり狭くなったり無くなったりするんだ」

「えっ、無くなっちゃうの?」

「それはわからない、運次第だね」

「そうかぁ」

「でも当分大丈夫だと思うよ、無くなっても新しい場所を探すしね」

「そうだね」

僕は袋からブルーシートを出して下に敷きました。

《ドクン》

「これで汚れないし、ここに座って」

《ドックン》

「完璧!」

そう言ってKouちゃんは僕の向かいに腰を下ろしました。

《ドクン ドクン》

「じゃあ大事な話しを聞く前に」

《ドクン ドクン ドクン》

僕は心臓の鼓動を気付かれない様に素早くKouちゃんの後ろに回り両腕の自由を奪って抱きしめました。

「あっ」

振り向こうとするKouちゃんの首筋に舌を這わせました。

「あっ、あぁ…」

Kouちゃんは抵抗しませんでした。だから僕はTシャツと肌の間に手を入れました。左右の乳首を触ってみるとすでにそこは硬く尖っていました。指先を乳首の上に走らせます。すると

「あん あっあっあっ」

切ない声を上げます。その声を聞いて僕の肉棒はムクムクと大きくなりました。左手を取り出し後ろにあるKouちゃんの手を僕の肉棒に導きます。するとKouちゃんはそれをさすりながら

「出して。直に触らせて」

と言いました。僕は耳を疑いました。

「いいの?」

「うん、今日は何でも言う事を聞くよ」

息を乱しながらKouちゃんが言いました。僕はKouちゃんがさっきまで僕と Ren君に散々犯される妄想をしながらオナニーをしていたことも知らず、ただKouちゃんを苛めたい感情が湧き出て来るのを抑えられずにいました。

「じゃあ…」

僕の中の悪魔が目を覚ましました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

支配された捜査員達はステージの上で恥辱ショーの開始を告げる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ご主人様に調教される僕

猫又ササ
BL
借金のカタに買われた男の子がご主人様に調教されます。 調教 玩具 排泄管理 射精管理 等 なんでも許せる人向け

優等生の弟に引きこもりのダメ兄の俺が毎日レイプされている

匿名希望ショタ
BL
優等生の弟に引きこもりのダメ兄が毎日レイプされる。 いじめで引きこもりになってしまった兄は義父の海外出張により弟とマンションで二人暮しを始めることになる。中学1年生から3年外に触れてなかった兄は外の変化に驚きつつも弟との二人暮しが平和に進んでいく...はずだった。

或る実験の記録

フロイライン
BL
謎の誘拐事件が多発する中、新人警官の吉岡直紀は、犯人グループの車を発見したが、自身も捕まり拉致されてしまう。

開発されに通院中

浅上秀
BL
医者×サラリーマン 体の不調を訴えて病院を訪れたサラリーマンの近藤猛。 そこで医者の真壁健太に患部を触られ感じてしまう。 さらなる快楽を求めて通院する近藤は日に日に真壁に調教されていく…。 開発し開発される二人の変化する関係の行く末はいかに? 本編完結 番外編あり … 連載 BL なお作者には専門知識等はございません。全てフィクションです。 ※入院編に関して。 大腸検査は消化器科ですがフィクション上のご都合主義ということで大目に見ながらご覧ください。 …………

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

処理中です...