16 / 100
15 心がぎゅっとなる
しおりを挟む
翌日、目が覚めるとジェレミーは隣にいなかった。
逃げられた…?
頭が真っ白になる。
やはり逃げられないように繋いだりしておいた方が良かったのだろうか。
写真のデータもあるから脅せば逃げないかなと完全に油断していた節がある。
周りを見渡すとジェレミーの名前が記載されたメモとホテル代の半分が置いてあった。
「ジェレミーどうして…逃がさない…」
今夜はジェレミーの仕事終わりに家までつけて色々追求しようか…
ちょうど俺は休みでジェレミーだけが出勤なので都合が良かった。
ホテルを出ようとすると電話が鳴る。
prrrrrrr…
「…もしもし?」
「もしもし兄ちゃん?あたしだけど」
「なんだ、エスター…」
エスターは俺の妹だ。
ジェレミーからの着信かなと期待したのに。
「なんで機嫌悪いの?大学の長期休暇でやっと実家帰れるけど兄ちゃん実家嫌いだったよね、お土産先に渡すから駅前のカフェに来て!」
「はぁ…俺の土産に金使わなくて良いって言ったのに」
「買っちゃったんだから仕方ないじゃん!実家も行きたいから早く来てよね、じゃーね!」
一方的にそう言われ電話が切れた。
良くも悪くも勝手に人の行動を自分の思い通りにねじ曲げようとするのは兄妹揃って似た者同士だ…
仕方なく駅前のカフェに向かうとすでに妹はそこにいた。
「兄ちゃん遅い!!100億年くらい待ったんだけど!」
「はいはい兄ちゃんだって生活あるの」
「べーだ!」
家族の中で唯一の理解じゃである妹とは時々こうして話す事もある。
兄妹仲もそこそのなのでそれなりに楽しいのだが今日はジェレミーの事で頭がいっぱいだったので半分くらいしか話が入ってこなかった。
「兄ちゃん?聞いてる?」
「あぁ…ごめん」
そんな調子で1時間程話してカフェを後にした。
家に帰りジェレミーの事ばかり考えていたらすぐに夜になる。
そろそろジェレミーの仕事上がりの時間。
ジェレミーの表情に元気が無い…
さすがに昨晩はやりすぎただろうか?
鞄をぎゅっと抱きしめながらジェレミーは寂しそうに歩いている。
一応眼鏡を着用して変装してみたり…
今の俺の行動は完全にストーカーのそれだった。
街灯に照らされて寂しげなジェレミーの表情がよく見える。
誰にも聞かれていないと思ったのかジェレミーは聞こえるか聞こえないかの小さな声で独り言を呟いた。
「はぁ…アレン…どうして僕…寂しいよ…」
聞き間違い…?
いや、確かに俺の名前を呼んで寂しいよと呟いていた。
追いかけて捕まえた先で俺の歯止めがちゃんと効くか今の俺にはちょっと自信がなくなるような発言だ…
逃げられた…?
頭が真っ白になる。
やはり逃げられないように繋いだりしておいた方が良かったのだろうか。
写真のデータもあるから脅せば逃げないかなと完全に油断していた節がある。
周りを見渡すとジェレミーの名前が記載されたメモとホテル代の半分が置いてあった。
「ジェレミーどうして…逃がさない…」
今夜はジェレミーの仕事終わりに家までつけて色々追求しようか…
ちょうど俺は休みでジェレミーだけが出勤なので都合が良かった。
ホテルを出ようとすると電話が鳴る。
prrrrrrr…
「…もしもし?」
「もしもし兄ちゃん?あたしだけど」
「なんだ、エスター…」
エスターは俺の妹だ。
ジェレミーからの着信かなと期待したのに。
「なんで機嫌悪いの?大学の長期休暇でやっと実家帰れるけど兄ちゃん実家嫌いだったよね、お土産先に渡すから駅前のカフェに来て!」
「はぁ…俺の土産に金使わなくて良いって言ったのに」
「買っちゃったんだから仕方ないじゃん!実家も行きたいから早く来てよね、じゃーね!」
一方的にそう言われ電話が切れた。
良くも悪くも勝手に人の行動を自分の思い通りにねじ曲げようとするのは兄妹揃って似た者同士だ…
仕方なく駅前のカフェに向かうとすでに妹はそこにいた。
「兄ちゃん遅い!!100億年くらい待ったんだけど!」
「はいはい兄ちゃんだって生活あるの」
「べーだ!」
家族の中で唯一の理解じゃである妹とは時々こうして話す事もある。
兄妹仲もそこそのなのでそれなりに楽しいのだが今日はジェレミーの事で頭がいっぱいだったので半分くらいしか話が入ってこなかった。
「兄ちゃん?聞いてる?」
「あぁ…ごめん」
そんな調子で1時間程話してカフェを後にした。
家に帰りジェレミーの事ばかり考えていたらすぐに夜になる。
そろそろジェレミーの仕事上がりの時間。
ジェレミーの表情に元気が無い…
さすがに昨晩はやりすぎただろうか?
鞄をぎゅっと抱きしめながらジェレミーは寂しそうに歩いている。
一応眼鏡を着用して変装してみたり…
今の俺の行動は完全にストーカーのそれだった。
街灯に照らされて寂しげなジェレミーの表情がよく見える。
誰にも聞かれていないと思ったのかジェレミーは聞こえるか聞こえないかの小さな声で独り言を呟いた。
「はぁ…アレン…どうして僕…寂しいよ…」
聞き間違い…?
いや、確かに俺の名前を呼んで寂しいよと呟いていた。
追いかけて捕まえた先で俺の歯止めがちゃんと効くか今の俺にはちょっと自信がなくなるような発言だ…
0
お気に入りに追加
504
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる