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第2章 フールズ・ゴールド

第3章予告

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 あの長い雨を、私は当分の間忘れない。


 愛した男が居た。

 愛した男と別れた。


 赤い、赤い雨が降った。


 その次に出会った男とは――どういう離別を歩んだのか。私は未だによく分かっていない。

 彼は、何故私の前から消えたのか。

 結局私は、分からないままだった。


 ――そう、これは過去形の物語。

 一人の女がかつて男と出会い、愛し、そして別れた。

 うんざりするほどの雨の中で。


 ――そう、これは告白。深夜の告白。


 ゆめとうつつの狭間に降り注ぐ、ただ一遍の恋芝居。


 これを聞いたところで、世界は何も変わらないから。興味のないあなたは、この先の青色に降られないようにすることね。

 じゃないと、きっと。

 ……あなたは、私の慟哭に、呑み込まれて消えてしまうから。


 ――次章、『シンギング・イン・ザ・レイン』。


 あの雨の降った時間に、私はもう居ない。


>TO BE CONTINUED...
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