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村づくり 初級編

人員確保計画

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 ラルフはコーヒーを一口啜り、

 「まぁ大した話じゃないんだが、人繰りの候補としてラナ達、エルフの村へ戻って生き残りを連れて来るってのがひとつと、後は・・・」

 ラルフはチラッと自宅の方を見て

 「ルルの居た村へ行って出稼ぎか居住者を募るのはどうか、って感じだな」

 ラルフはコーヒーに口を付けつつ周りにの意見を求める。

 「確かに、私の村の生き残りはいると思いますし、家や畑も荒らされた状態から復旧させるぐらいなら、この土地に来たいという仲間もいると思います」

 ラナは真剣な表情で私と優希に顔を向ける。

 「ただ、私達が言うのも何ですが、これ以上人が増えると食事・・・いえ正確には食料を買うお金ですね、それが今以上に掛かると思います」

 「ふぅ。・・・まぁね、正直なところを言うと今の状況が続いた場合で8年が限界ね」

 優希はラナの真っ直ぐな眼に根負けしたのか、今の状況を端的に説明した。

 「今進めている畑以外にも、みんなが食べているお米を育てたり、養牧、養鶏なんかが出来れば日本の食材に頼らないで生活が出来るんだけどね」

 「その生活環境が出来るのも8年ぐらいはかかるよなぁ」

 私が苦笑いして優希の話を捕捉する。

 「人が増えれば自給自足体制が早く構築出来るかもしれないけど、そんなに早く出来るかしら?」

 ミリーがコーヒーに砂糖とミルクを入れながら「こんな贅沢も出来なくなるのかなぁ」とポロっと呟く。

 「うーん、取り敢えずはエルフの人達に働きかけるのはどうかな。ラナ達も気になっているだろうし、困っている人が居るなら助けたい」

 雄介が自宅の方を見ながら少し顔を赤くしながら話し出した。

 ラナが驚きつつも眼に涙を浮かべて「ありがとうございます」と頭を下げる。

 そんな雄介の姿を見たマシューは、ニヤッと笑って雄介の肩をバンッと叩いてから私に向かって

 「洋一さん!どうかな、あの村なら場所も分かってるし、エルフの娘らの身内が生き残ってるかも知れねぇから、近い内にエルフの村へ行こうと思ってたんだよ。だからそのついでに何人か連れて来るってのはどうだ?」

 と涙目で肩をさすっている雄介と私を見ながら提案してきた。

 私は優希の方を向いてどうするか確認すると「あなたに任せるわ」と言ってニッコリと微笑んでいる。

 暫し黙考。

 「分かりました。エルフの村へ行って頂けますか。それと、これは状況によりますが、ここに居るエルフ達の身内は勿論、後、できれば肉体労働ができる男性を数名こちらへの移住を打診して見てください」

 「了解した洋一さん。それとエルフの村へ向かう日取りや準備、人選は俺に任せてくれるか?」

 「えぇ、勿論お願いします」

 私が了承を伝えると、マシューさんが握手を求めてきたので握手をしその晩は解散となった。





 翌朝、寝ている私の隣に妙に弾力のある柔らかい感触に目がさめる。

 うーん?何だ?この妙に柔らかくて気持ちい感触・・・おっぱい?

 モミモミモミ・・・寝ぼけながらモミモミしていると何となく優希とは違うなぁと考えて、ハッと意識が急速に覚醒する。

 バッと目を開け、ガバッと起き上がり自分の横を見て、ダハァーと深く息をついた。

 「・・・・スラ吉・・・・・」

 どうやらスラ吉が私のテントの中に入ってきて横にいたらししく、私が起きたことでプルプルと震えている。

 私はスラ吉を撫でつつ、テントを出て夜明けの朝日を全身に浴びて背伸びをした。

 いやぁ、いろんな意味で危険な朝だった・・・・。




 「はい、みんなご飯は行き渡った?、それでは『いただきます』」

 「「「いただきます!」」」

 アンナの元気な挨拶からワイワイと何時ものように朝食が始まる。

 今朝のメニューは、ねぎ納豆に目玉焼き、サラダと大根の味噌汁と有無を言わせぬ純日本風の朝食だ。

 マシューは相変わらず、納豆を避けその分をダンゴが食べるスタイルも定番化してきている。

 因みに、納豆が食べられないのはマシューだけで、エルフ娘たちは普通に食べるし、特に年少組は喜んでまぜまぜしながら食べている。

 「はーい!みんな聞いてー!今日は午後からみんなが頑張ってくれた水路の完成お披露目をやります。なので、みんなでお弁当を持って川へ行きましょう!なので、今から言うメンバーはお弁当作りを手伝って貰います。良いですかぁ!」

 「「「はーい」」」

 みんなが朝食を食べ終わり始めた所を見計らって、優希がソフィーを中心としたお弁当班を選抜する。

 「それじゃ、我々農業班はいつも通りの作業をやりますか」

 私は、お弁当班に漏れたダイアナとアンナに声を賭けて畑へ向かう。途中、アンナがお弁当班に入ればつまみ食いが出来たのにと悔しがっていたので、飴ちゃんを食べさせてあげたら喜んでいた。

 「洋一さん、スラ吉がずっと着いて来てるんですが、物凄く懐かれましたね」

 ダイアナがスラ吉を撫でながら聞いて来たので、普通はそうなのでは?と聞いてみたが、今まで見たことも聞いた事もないと言われてしまった。

 「へぇ、スラ吉は凄いんだなぁ」

 私はスラ吉を撫でつつ、朝の危険な感触は置いといて、お手でも教えてみるかと考えながら畑の雑草取りを始めた。

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