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異世界到着編
水場確保工事開始と生活魔法
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翌朝、私は雄介と二人、水場の確保をするため、軽トラに荷物を積み込み小型ユンボと二台で森の入り口付近へ乗りつけた。
段取りはこうだ。まず、家から少し離れたところに水源用の池を掘る。その次に小川まで掘って川の水を引き込み、そして池から自宅周辺まで伸ばして畑や生活用水として利用する。将来的には田んぼも作る予定だ。
うむ、完璧な計画だ。
因みに、雄介と私のカッコはニッカズボンに先芯入りの地下足袋、ベストと、やる気ワクワクな格好である。
「よし!じゃぁやるか!」
私はチェーンソーを持ち、気合を込めてエンジンスターターを引こうとしたところで、雄介が止めに入った。
「ちょっちょっと待ってオヤジ!なに持ってんの!?」
「へ?」
「へ?じゃないよ、先に池を掘るのが先でしょうが、それに それ持った事ないだろ?」
雄介がため息交じりに説明する。
てへ。
「頼むよオヤジ・・・」
初っ端からこれだよ・・・本当に大丈夫かなぁ・・・と雄介は空を見上げながらため息をついた。
ブロロロ!!!
ユンボのエンジン音が響き渡る中、シャベルが地面に突き刺さり地面が削られていく。退けた残土はスコップで土嚢に入れて積み上げる。
かれこれ二時間程で、池の大体の大きさまで掘り終わり、細かいところをスコップで調整を始める。
そして私は積み上がっていく残土を呆然と見ていた。
・・・スマン息子よ、父の腰と腕は限界だ・・・。これでも最初の一時間は調子よく土嚢を作ったよ。でも作っても作っても減らないどころか、どんどん増えるこの残土に父の心は折れてしまったよ。
スコップを杖代わりにして立ち尽くす私の方へ、ネコに土を入れた雄介が近寄ってきて「オヤジ・・・もうちょっと頑張ろうぜ」と言いながら、土を積み上げて去って行った。
私は去っていく息子の後ろ姿に鬼を感じた・・・。
そんな息子の優しい(厳しい)愛情のもと、工事は順調に進み夕方頃には何とか形になったので、今日の作業は終了として家に帰った私達は衝撃的な報告を耳にするのであった。
ここで時間が少し遡り、洋一と雄介が出かけた後の山田家に戻る。
洋一達が出かけた後、優希は洗濯をすべく洗面所へ向かい、洗濯機へ洗濯物を放り込み始める。この洗濯機は全自動は無理だろうと事前に打ち合わせをした結果、懐かしの二槽式洗濯機だ。
「あとは、水を入れるんだけど、重いし、勿体ないのよねぇ・・・」
優希は水が入っているポリタンクを見てため息を吐いた。
今回洗濯に使う水はウォーターサーバーに使う飲料水である。水道が無いとこんなに不便なのかと、再びため息をつきながら腰を落としてタンクを持ち上げようとしたところで、その様子を見ていたルルが優希に話しかけてきた。
「あっあの、ユーキお姉さんは・・「優希ママ、優希お母さんでも良いわよ?」」
優希がにっこり笑って呼び方を訂正する。
ルルは恥ずかしそうに「ユーキお母さん」と言い直し話し始めた。
「えっと、その・・・ユーキ・・お母さんは、何をやってるの?」
「うん?あぁこれね?これは洗濯機と言って、汚れた服を洗濯する機械よ」
優希は洗濯機を指しながら簡単に説明を始めるが、ルルはさらに不思議な顔をして、「『クリーン』を使わないで、お水で洋服を洗うの?」と尋ねてきた。
「?」
優希が首をかしげる。
「??」
ルルも首をかしげる。
「「・・・・」」
「・・・ルルちゃん・・その『クリーン』てなに?」
「『クリーン』は生活魔法よ?優希・・お母さんは使わないの?」
ルルの話を聞いた優希は天井を見上げ、「よっしゃ!テンプレキタ!!」とガッツポーズをする。その姿を見たルルはビクっと体をこわばらせているが、優希は気にする事なくルルに使えるか尋ねた。
「うん、使えるよ。パパとママが、お水は貴重だから『クリーン』は絶対に覚えなさいって、教えてくたの」
ルルの説明に、優希は水が少ない地域か、技術的な問題かな?などと推測しながら、ルルに試してもらうようにお願いする。
「うん!まかせて!」
ルルは嬉しそうに、溜まっている洗濯物から汚れがひどい洋一のズボンを取り出して「クリーン」と唱えた。すると、ズボンが薄い青色の光に包まれ直ぐに消える。「これで良し!」とルルが嬉しそうに優希にズボンを手渡してきた。
優希は手渡されたズボンの裾部分など特に汚れが多いいところを中心に調べ、汚れがないことを確認すると「おぉ!すごい!すごい!」言いながらルルを抱きしめた。
その後、洗濯物全てに魔法をかけてもらい無事に洗濯が終了したのであった。
因みに、クリーンの魔法は体の洗浄も出来るとの事で、お風呂もトイレットペーパーも不要、お湯で体を拭いたりするのはとても贅沢な事なのだそうだ。
余談だが、クリーンで綺麗になった洋服たちであったが、優希とルルの洋服だけはクリーン後、更にファ○リーズされている事に、男性陣は誰も気付かないでいるのであった。
段取りはこうだ。まず、家から少し離れたところに水源用の池を掘る。その次に小川まで掘って川の水を引き込み、そして池から自宅周辺まで伸ばして畑や生活用水として利用する。将来的には田んぼも作る予定だ。
うむ、完璧な計画だ。
因みに、雄介と私のカッコはニッカズボンに先芯入りの地下足袋、ベストと、やる気ワクワクな格好である。
「よし!じゃぁやるか!」
私はチェーンソーを持ち、気合を込めてエンジンスターターを引こうとしたところで、雄介が止めに入った。
「ちょっちょっと待ってオヤジ!なに持ってんの!?」
「へ?」
「へ?じゃないよ、先に池を掘るのが先でしょうが、それに それ持った事ないだろ?」
雄介がため息交じりに説明する。
てへ。
「頼むよオヤジ・・・」
初っ端からこれだよ・・・本当に大丈夫かなぁ・・・と雄介は空を見上げながらため息をついた。
ブロロロ!!!
ユンボのエンジン音が響き渡る中、シャベルが地面に突き刺さり地面が削られていく。退けた残土はスコップで土嚢に入れて積み上げる。
かれこれ二時間程で、池の大体の大きさまで掘り終わり、細かいところをスコップで調整を始める。
そして私は積み上がっていく残土を呆然と見ていた。
・・・スマン息子よ、父の腰と腕は限界だ・・・。これでも最初の一時間は調子よく土嚢を作ったよ。でも作っても作っても減らないどころか、どんどん増えるこの残土に父の心は折れてしまったよ。
スコップを杖代わりにして立ち尽くす私の方へ、ネコに土を入れた雄介が近寄ってきて「オヤジ・・・もうちょっと頑張ろうぜ」と言いながら、土を積み上げて去って行った。
私は去っていく息子の後ろ姿に鬼を感じた・・・。
そんな息子の優しい(厳しい)愛情のもと、工事は順調に進み夕方頃には何とか形になったので、今日の作業は終了として家に帰った私達は衝撃的な報告を耳にするのであった。
ここで時間が少し遡り、洋一と雄介が出かけた後の山田家に戻る。
洋一達が出かけた後、優希は洗濯をすべく洗面所へ向かい、洗濯機へ洗濯物を放り込み始める。この洗濯機は全自動は無理だろうと事前に打ち合わせをした結果、懐かしの二槽式洗濯機だ。
「あとは、水を入れるんだけど、重いし、勿体ないのよねぇ・・・」
優希は水が入っているポリタンクを見てため息を吐いた。
今回洗濯に使う水はウォーターサーバーに使う飲料水である。水道が無いとこんなに不便なのかと、再びため息をつきながら腰を落としてタンクを持ち上げようとしたところで、その様子を見ていたルルが優希に話しかけてきた。
「あっあの、ユーキお姉さんは・・「優希ママ、優希お母さんでも良いわよ?」」
優希がにっこり笑って呼び方を訂正する。
ルルは恥ずかしそうに「ユーキお母さん」と言い直し話し始めた。
「えっと、その・・・ユーキ・・お母さんは、何をやってるの?」
「うん?あぁこれね?これは洗濯機と言って、汚れた服を洗濯する機械よ」
優希は洗濯機を指しながら簡単に説明を始めるが、ルルはさらに不思議な顔をして、「『クリーン』を使わないで、お水で洋服を洗うの?」と尋ねてきた。
「?」
優希が首をかしげる。
「??」
ルルも首をかしげる。
「「・・・・」」
「・・・ルルちゃん・・その『クリーン』てなに?」
「『クリーン』は生活魔法よ?優希・・お母さんは使わないの?」
ルルの話を聞いた優希は天井を見上げ、「よっしゃ!テンプレキタ!!」とガッツポーズをする。その姿を見たルルはビクっと体をこわばらせているが、優希は気にする事なくルルに使えるか尋ねた。
「うん、使えるよ。パパとママが、お水は貴重だから『クリーン』は絶対に覚えなさいって、教えてくたの」
ルルの説明に、優希は水が少ない地域か、技術的な問題かな?などと推測しながら、ルルに試してもらうようにお願いする。
「うん!まかせて!」
ルルは嬉しそうに、溜まっている洗濯物から汚れがひどい洋一のズボンを取り出して「クリーン」と唱えた。すると、ズボンが薄い青色の光に包まれ直ぐに消える。「これで良し!」とルルが嬉しそうに優希にズボンを手渡してきた。
優希は手渡されたズボンの裾部分など特に汚れが多いいところを中心に調べ、汚れがないことを確認すると「おぉ!すごい!すごい!」言いながらルルを抱きしめた。
その後、洗濯物全てに魔法をかけてもらい無事に洗濯が終了したのであった。
因みに、クリーンの魔法は体の洗浄も出来るとの事で、お風呂もトイレットペーパーも不要、お湯で体を拭いたりするのはとても贅沢な事なのだそうだ。
余談だが、クリーンで綺麗になった洋服たちであったが、優希とルルの洋服だけはクリーン後、更にファ○リーズされている事に、男性陣は誰も気付かないでいるのであった。
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