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第六章
昼間からの事件
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高橋さんはカフェのオープンテラスで、本を読んで俺の事を待っていた。その姿は騒がしく忙しい周りの雰囲気と違って、美しく静にゆっくりと流れるように時が進んでいるようだった。
「高橋さん、すみませんお待たせしました」
「あ、藤堂さん。大丈夫ですよ俺がわざと早く来ただけなので気にしないでください。それじゃー早速行きますか?」
「そうですね行きましょう。」
そして俺達2人は渋谷にある大きな電気屋に行った。
「そういえばパソコン何で壊れたんですか?」
「パソコン打ち込み終わって酒飲んでたらガッツリこぼしました」
「え!?データとか大丈夫だったの?」
「はい、一応はほとんどのデータはUSBメモリーに保存してたので大丈夫でした」
「はぁーなら良かった。でも藤堂さんがそんなミスするの珍しいですね」
「そうですか?結構俺ドジやりますよ?」
「へぇーすごく意外です。いつも何でもデキル男!って感じがするので」
「ははは、それは無いですよ」
そして高橋さんは興味津々に俺のドジった話を聞いていたので、俺はいやいや少しだけ話した。するとなぜか高橋さんは少し気分が上がったのか、鼻歌まで歌い出したので驚いた。
「あの、そんなに俺の事馬鹿にしたいですか?」
「あ、いえいえ違います。だって俺の知らない藤堂さん知ることが出来たので気分が良いだけですよ」
高橋さんは時々恥ずかしい事を平気で俺に言うので、俺は赤くなるのを必死に抑えるのが大変だった。
「昼ごはんここで食べませんか?」
「いいですね。このお店前から気にはなっいたんですけど、せっかく行くんだったら高橋さん連れていった方が良いかなって思ってたんですよね」
「え・・・えっと、それって・・・」
「・・・ッ!な、なんでもないですよ!混む前に早く行きましょ」
「え、あ、ちょっと!藤堂さん!?」
そして俺は高橋さんを置いて店の中に入っていった。そこのお店はハンバーガー専門店の最近話題の店で、レトロな雰囲気でオシャレな店だった。
「いらっしゃいませ。お客様は2名様でよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫です」
「かしこまりました。お客様申し訳ございませんがただ今店内は満席でございまして、テラス席のみでのお食事でもよろしいですか?」
「はい、構いません」
「ありがとうありがとうございます。ではこちらの席へどうぞ」
そう言って若い女の女性店員さんが俺らをテラス席へと案内してくれた。
「こちらがメニューになります。お決まりになりましたらこちらのベルでお呼びください。では、失礼します」
「あの、藤堂さん」
「一切あの事は聞かないでください。ただの言葉の誤ですから」
俺はついキツく冷たい言い方を高橋さんにしてしまった。すると高橋さんは嫌な顔をせずに優しく微笑みながら「わかりました。」と言った。俺はこんないい人に対して本当に酷いことをしているなと思っているが、俺はなかなかうまく感情のコントロールが出来なかった。
「藤堂さん、藤堂さん?」
「え・・・?どうしたんですか?」
「えっと、だからメニュー決まりました?」
「あぁ、これにしてください」
「分かりました。呼びますね」
そう言って高橋さんは店員さんを呼びメニューを伝えた。すると隣に座っていた女の子が高橋さんを指して言った。
「ねぇねぇパパ。おのお兄ちゃんカッコイイね。ママの好きな俳優さんに似てるよ?」
「あ、こら!人を指で指したらダメだろ?お兄さんに謝りなさい」
「はーい。お兄ちゃんごめんなさい」
「俺は大丈夫だから気にしないでね」
「すみません本当に」
「いえいえ、お子さんも可愛らしいですよ」
「ははは、ありがとうございます。ついつい可愛くて甘やかしたくなっちゃうんですよね。」
「あぁ、分かります。子供って本当に可愛いですもんね」
すると娘さんが高橋さんに向かって聞いてきた。
「お兄ちゃん達は結婚してるの?」
「えっとねぇ・・・もしそうなったらいいなとは思ってるよ」
「こら!そういう事は聞いちゃダメだぞ。本当にすみません。娘は気になったこと全部口に出しちゃう子で。」
「大丈夫ですよ。気にしてませんか、ら・・・あれ?なんか、甘い匂いしませんか・・・?」
高橋さんの言葉にまさかと思い匂いをすっと嗅いだ。するとβの俺でも分かるくらい強いΩのフェロモンの匂いが、父親の方から臭った。すると父親はその場でうずくまり項を抑えて言った。
「うっ・・・!すみません!αの人は俺に近ずかないでください!」
周りの客や店員などがざわめき始めた。高橋さんは父親をガッと押さえつけてしまった。襲いかかろうとする高橋さんを必死に止めて正気に戻そうと名前を呼んだ。
「高橋さん!高橋さん!クソっ!雪斗!!」
「ッ!藤堂、さん?俺、すみません・・・」
そして一瞬我に戻った高橋さんをどけて父親に緊急抑制剤を打った。そして娘は何がどうしたのか分からない不安から、ワンワンと泣き出してしまった。
「すみません。本当にすみません。大丈夫だから泣くな葉月」
そう言って父親は泣くわが子を抱き寄せて頭を撫でいた。すると母親が慌ててきて俺達2人に必死に謝ってきた。俺達は大丈夫と一応答えてはいたが、高橋さんが無理そうなので店の外に連れ出す事にした。すると母親がお代は全て払うからむしろそれ以上払ってもいいと言うが、とりあえずお代だけ払ってもらって俺達は店を後にすることにした。
「高橋さん、すみませんお待たせしました」
「あ、藤堂さん。大丈夫ですよ俺がわざと早く来ただけなので気にしないでください。それじゃー早速行きますか?」
「そうですね行きましょう。」
そして俺達2人は渋谷にある大きな電気屋に行った。
「そういえばパソコン何で壊れたんですか?」
「パソコン打ち込み終わって酒飲んでたらガッツリこぼしました」
「え!?データとか大丈夫だったの?」
「はい、一応はほとんどのデータはUSBメモリーに保存してたので大丈夫でした」
「はぁーなら良かった。でも藤堂さんがそんなミスするの珍しいですね」
「そうですか?結構俺ドジやりますよ?」
「へぇーすごく意外です。いつも何でもデキル男!って感じがするので」
「ははは、それは無いですよ」
そして高橋さんは興味津々に俺のドジった話を聞いていたので、俺はいやいや少しだけ話した。するとなぜか高橋さんは少し気分が上がったのか、鼻歌まで歌い出したので驚いた。
「あの、そんなに俺の事馬鹿にしたいですか?」
「あ、いえいえ違います。だって俺の知らない藤堂さん知ることが出来たので気分が良いだけですよ」
高橋さんは時々恥ずかしい事を平気で俺に言うので、俺は赤くなるのを必死に抑えるのが大変だった。
「昼ごはんここで食べませんか?」
「いいですね。このお店前から気にはなっいたんですけど、せっかく行くんだったら高橋さん連れていった方が良いかなって思ってたんですよね」
「え・・・えっと、それって・・・」
「・・・ッ!な、なんでもないですよ!混む前に早く行きましょ」
「え、あ、ちょっと!藤堂さん!?」
そして俺は高橋さんを置いて店の中に入っていった。そこのお店はハンバーガー専門店の最近話題の店で、レトロな雰囲気でオシャレな店だった。
「いらっしゃいませ。お客様は2名様でよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫です」
「かしこまりました。お客様申し訳ございませんがただ今店内は満席でございまして、テラス席のみでのお食事でもよろしいですか?」
「はい、構いません」
「ありがとうありがとうございます。ではこちらの席へどうぞ」
そう言って若い女の女性店員さんが俺らをテラス席へと案内してくれた。
「こちらがメニューになります。お決まりになりましたらこちらのベルでお呼びください。では、失礼します」
「あの、藤堂さん」
「一切あの事は聞かないでください。ただの言葉の誤ですから」
俺はついキツく冷たい言い方を高橋さんにしてしまった。すると高橋さんは嫌な顔をせずに優しく微笑みながら「わかりました。」と言った。俺はこんないい人に対して本当に酷いことをしているなと思っているが、俺はなかなかうまく感情のコントロールが出来なかった。
「藤堂さん、藤堂さん?」
「え・・・?どうしたんですか?」
「えっと、だからメニュー決まりました?」
「あぁ、これにしてください」
「分かりました。呼びますね」
そう言って高橋さんは店員さんを呼びメニューを伝えた。すると隣に座っていた女の子が高橋さんを指して言った。
「ねぇねぇパパ。おのお兄ちゃんカッコイイね。ママの好きな俳優さんに似てるよ?」
「あ、こら!人を指で指したらダメだろ?お兄さんに謝りなさい」
「はーい。お兄ちゃんごめんなさい」
「俺は大丈夫だから気にしないでね」
「すみません本当に」
「いえいえ、お子さんも可愛らしいですよ」
「ははは、ありがとうございます。ついつい可愛くて甘やかしたくなっちゃうんですよね。」
「あぁ、分かります。子供って本当に可愛いですもんね」
すると娘さんが高橋さんに向かって聞いてきた。
「お兄ちゃん達は結婚してるの?」
「えっとねぇ・・・もしそうなったらいいなとは思ってるよ」
「こら!そういう事は聞いちゃダメだぞ。本当にすみません。娘は気になったこと全部口に出しちゃう子で。」
「大丈夫ですよ。気にしてませんか、ら・・・あれ?なんか、甘い匂いしませんか・・・?」
高橋さんの言葉にまさかと思い匂いをすっと嗅いだ。するとβの俺でも分かるくらい強いΩのフェロモンの匂いが、父親の方から臭った。すると父親はその場でうずくまり項を抑えて言った。
「うっ・・・!すみません!αの人は俺に近ずかないでください!」
周りの客や店員などがざわめき始めた。高橋さんは父親をガッと押さえつけてしまった。襲いかかろうとする高橋さんを必死に止めて正気に戻そうと名前を呼んだ。
「高橋さん!高橋さん!クソっ!雪斗!!」
「ッ!藤堂、さん?俺、すみません・・・」
そして一瞬我に戻った高橋さんをどけて父親に緊急抑制剤を打った。そして娘は何がどうしたのか分からない不安から、ワンワンと泣き出してしまった。
「すみません。本当にすみません。大丈夫だから泣くな葉月」
そう言って父親は泣くわが子を抱き寄せて頭を撫でいた。すると母親が慌ててきて俺達2人に必死に謝ってきた。俺達は大丈夫と一応答えてはいたが、高橋さんが無理そうなので店の外に連れ出す事にした。すると母親がお代は全て払うからむしろそれ以上払ってもいいと言うが、とりあえずお代だけ払ってもらって俺達は店を後にすることにした。
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