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≪第一章≫
【EP1,目覚めた先は異世界】
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人が何時かは死んで輪廻転生するっていうのは、今の自分なら分かると思ってしまう。
仕事の帰りに、私は大好きなラノベの久々の新刊が出るという情報で駅前にある常連だった本屋で、その本を手にして買った。
さっさと読みたいと思って、近場のカフェで紅茶を頼んでから本の中身を見て、推しだったメインキャラが亡くなった事で落胆して落ち込みながらも家に帰るため、カフェを出ていった。
それが、イケなかったのかもしれない。
もう少し、カフェに居たならば巻き込まれずに生きていたのかもしれない。
カフェを出ていって少し歩いた先で、騒ぎ声や悲鳴が聞こえてきたんだ。
どんどん、その声が近くになった時には遅かった。
何か冷たいモノが、自分の左脇腹を深く侵入して温かい何かが広がるような気がして腹をみれば、白かったワイシャツが赤黒く染まってから何かを抜かれば自分はスローモーションに倒れていく。
(あぁ、自分は刺されたんだ)
(刺した人は、何かを言いながら空を仰いでいる…)
そこで、自分の意識は途切れて暗い世界で一人で漂っていた。
(ここは…?)
(私は、どうなった?)
(やっぱり、死んだから何も見えないし聞こえないのか?)
もう上下も左右も分からずに居ると、目の前に小さな光の球体が現れた。
≪ごめんなさい≫
≪俺の姉が、アナタや沢山の人を生贄にすれば異世界へと誘うと約束をしてしまった≫
≪そのせいで、アナタは巻き込まれて殺されて…≫
≪本当ならば、アナタは死ぬ予定はなかった…≫
少し低めの青年らしき声が、私の現状を説明してくれていた。
どうやら、病んだ馬鹿がアノ世界に居たくなくて変な宗教に捕まり、壊れた結果がこうなったんだと理解した。
そして、その声が私を別の異世界へと転生をさせてくれた。
その世界では、充実感が半端にないぐらいに過ごせていた。
錬金術が栄えていて、機械とかも技術とかあって豊かな世界だった。
大切な親友も出来て…
大切な旦那さんも出来て…
旦那さんとの間に、大切な子供も出来て…
そんな最中で、戦争で家を奪われて皆とバラバラになり生死も分からない。
そして、やっと大切な人達に会えたのに後ろから撃たれて私は…また、死んだ。
それから、少し経ってから違う異世界へと転生したようだ。
目を覚まして、周りを見てから違う世界だと気付き鏡を見たら吃驚するしかなかった。
自分の姿が、白髪に長いツインテールなのに別にロングウルフカットという変わった髪型に、空色の瞳をしていたからである。
何時だったか、自分が好きだったラノベの世界に転生していた。
しかも、自分の推しだったキャラに似ていた。
ーコンコンッ
『はい…?』
「俺だ、少し…いいか?」
(この声は、…?)
扉が開かれると、其処には白髪にロングウルフカットに、青紫の瞳をしていて黒い服装をしていた青年が立っていた。
彼の名はー
『ロキ兄様』
そう、自分が推しだったメインキャラだった人。
ーロキ・モルドレッドー
『どうしたんですか、兄さんが此処に来るなんて珍しいじゃないですか』
「妹である、ロゼの様子を見に来たらいけないのか?」
そう私の名前は、ロゼ・モードレッド。
ロキの実の妹、でもあるのだが家の中では二つの派閥が出来ている。
それを知ってるのは、一摘まみぐらいしか知らないため世間が知っている“モルドレッド”が広まっている。
“モルドレッド”は、闇を司る者として世間は嫌われている。
その理由は、実の母にあるのだ。
今まで、私は生まれてから母であるヴェロニカには会っていない。
それは、兄と父が私を“モードレッド”の主として育てるためと言っていた。
“モードレッド”は、光を司る者として“モルドレッド”を止めるためにいるという。
父は、“モードレッド”としてのファミリーネームを持っている。
『ヴェロニカ様に、怒られますよ…兄さんが』
「別に、構わないさ」
「それより、お前の幼馴染みが待っているぞ?」
『それを、早く言ってよ!』
ロゼは、慌てて荷物を持ってから自分の部屋を出ていく。
「相変わらず、慌ただしいな…我が妹は」
ロキは、ロゼが出て行った入り口を見てから苦笑いをする。
ーーーーーーー
ーーーーーーー
屋敷の入り口に、幼馴染みである少年が立っていた。
少年の姿は、金髪にウルフカットで横髪が長くて黒い紐で束ねていて、翠の瞳をして白い騎士のような服装をしている。
『お待たせ、レオナルド』
「フルネームで呼ぶなよ、いつもみたいにレオでいいって…」
ーレオナルド・アーサーー
それが、幼馴染みの名前でアーサー王の三男でもある。
彼には、上に兄が二人と姉が一人で下に妹が一人と弟が一人いるのだ。
『で、今日こそ見せてくれるの?』
「おう、そのために祈りを捧げて晴れさせたんだからな!」
『はいはい』
それにしても、不思議な事だと思ってしまう。
レオナルドの態度や性格が、以前の異世界での親友と同じなのだ。
『……まぁ、その方が親しみがあるよね』
「ん?どうした、ロゼ?」
『んー、なんでもない!ほら、丘の方に行くんでしょ!』
ロゼが走り出すと、レオナルドも慌てて走り出す。
「待てよっ!早いって、お前はっ!」
『だらしないなー!それでも、騎士様ですかー?』
「うるせぇっ!まだ、見習いなんだよっ!」
『はいはい』
「お前なぁーっ!」
ーnextー
仕事の帰りに、私は大好きなラノベの久々の新刊が出るという情報で駅前にある常連だった本屋で、その本を手にして買った。
さっさと読みたいと思って、近場のカフェで紅茶を頼んでから本の中身を見て、推しだったメインキャラが亡くなった事で落胆して落ち込みながらも家に帰るため、カフェを出ていった。
それが、イケなかったのかもしれない。
もう少し、カフェに居たならば巻き込まれずに生きていたのかもしれない。
カフェを出ていって少し歩いた先で、騒ぎ声や悲鳴が聞こえてきたんだ。
どんどん、その声が近くになった時には遅かった。
何か冷たいモノが、自分の左脇腹を深く侵入して温かい何かが広がるような気がして腹をみれば、白かったワイシャツが赤黒く染まってから何かを抜かれば自分はスローモーションに倒れていく。
(あぁ、自分は刺されたんだ)
(刺した人は、何かを言いながら空を仰いでいる…)
そこで、自分の意識は途切れて暗い世界で一人で漂っていた。
(ここは…?)
(私は、どうなった?)
(やっぱり、死んだから何も見えないし聞こえないのか?)
もう上下も左右も分からずに居ると、目の前に小さな光の球体が現れた。
≪ごめんなさい≫
≪俺の姉が、アナタや沢山の人を生贄にすれば異世界へと誘うと約束をしてしまった≫
≪そのせいで、アナタは巻き込まれて殺されて…≫
≪本当ならば、アナタは死ぬ予定はなかった…≫
少し低めの青年らしき声が、私の現状を説明してくれていた。
どうやら、病んだ馬鹿がアノ世界に居たくなくて変な宗教に捕まり、壊れた結果がこうなったんだと理解した。
そして、その声が私を別の異世界へと転生をさせてくれた。
その世界では、充実感が半端にないぐらいに過ごせていた。
錬金術が栄えていて、機械とかも技術とかあって豊かな世界だった。
大切な親友も出来て…
大切な旦那さんも出来て…
旦那さんとの間に、大切な子供も出来て…
そんな最中で、戦争で家を奪われて皆とバラバラになり生死も分からない。
そして、やっと大切な人達に会えたのに後ろから撃たれて私は…また、死んだ。
それから、少し経ってから違う異世界へと転生したようだ。
目を覚まして、周りを見てから違う世界だと気付き鏡を見たら吃驚するしかなかった。
自分の姿が、白髪に長いツインテールなのに別にロングウルフカットという変わった髪型に、空色の瞳をしていたからである。
何時だったか、自分が好きだったラノベの世界に転生していた。
しかも、自分の推しだったキャラに似ていた。
ーコンコンッ
『はい…?』
「俺だ、少し…いいか?」
(この声は、…?)
扉が開かれると、其処には白髪にロングウルフカットに、青紫の瞳をしていて黒い服装をしていた青年が立っていた。
彼の名はー
『ロキ兄様』
そう、自分が推しだったメインキャラだった人。
ーロキ・モルドレッドー
『どうしたんですか、兄さんが此処に来るなんて珍しいじゃないですか』
「妹である、ロゼの様子を見に来たらいけないのか?」
そう私の名前は、ロゼ・モードレッド。
ロキの実の妹、でもあるのだが家の中では二つの派閥が出来ている。
それを知ってるのは、一摘まみぐらいしか知らないため世間が知っている“モルドレッド”が広まっている。
“モルドレッド”は、闇を司る者として世間は嫌われている。
その理由は、実の母にあるのだ。
今まで、私は生まれてから母であるヴェロニカには会っていない。
それは、兄と父が私を“モードレッド”の主として育てるためと言っていた。
“モードレッド”は、光を司る者として“モルドレッド”を止めるためにいるという。
父は、“モードレッド”としてのファミリーネームを持っている。
『ヴェロニカ様に、怒られますよ…兄さんが』
「別に、構わないさ」
「それより、お前の幼馴染みが待っているぞ?」
『それを、早く言ってよ!』
ロゼは、慌てて荷物を持ってから自分の部屋を出ていく。
「相変わらず、慌ただしいな…我が妹は」
ロキは、ロゼが出て行った入り口を見てから苦笑いをする。
ーーーーーーー
ーーーーーーー
屋敷の入り口に、幼馴染みである少年が立っていた。
少年の姿は、金髪にウルフカットで横髪が長くて黒い紐で束ねていて、翠の瞳をして白い騎士のような服装をしている。
『お待たせ、レオナルド』
「フルネームで呼ぶなよ、いつもみたいにレオでいいって…」
ーレオナルド・アーサーー
それが、幼馴染みの名前でアーサー王の三男でもある。
彼には、上に兄が二人と姉が一人で下に妹が一人と弟が一人いるのだ。
『で、今日こそ見せてくれるの?』
「おう、そのために祈りを捧げて晴れさせたんだからな!」
『はいはい』
それにしても、不思議な事だと思ってしまう。
レオナルドの態度や性格が、以前の異世界での親友と同じなのだ。
『……まぁ、その方が親しみがあるよね』
「ん?どうした、ロゼ?」
『んー、なんでもない!ほら、丘の方に行くんでしょ!』
ロゼが走り出すと、レオナルドも慌てて走り出す。
「待てよっ!早いって、お前はっ!」
『だらしないなー!それでも、騎士様ですかー?』
「うるせぇっ!まだ、見習いなんだよっ!」
『はいはい』
「お前なぁーっ!」
ーnextー
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