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身体の銀河
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息を呑ム。あまりにも綺麗で。息を呑ム。友に驚かされ。そして気づく。当たり前の世界に。
「あーぁ、またかよ。」力の篭っていない声を漏らす少年は、視線を下に向ける。畳に広がる小汚い銀河とでも言おうか。猫の嘔吐物である。そんな彼とは相反する素振りを見せながら、尻尾をゆーらゆらと揺らしながらこちらを見守る猫。まるで「君が掃除をするのは‘当たり前’」と目で訴えかけているかのようだ。それを汲み取った少年は、‘当たり前’の如く掃除を始める。決して苦ではない。だって‘当たり前’なんだから。
ある日、また猫は吐いた。少年は掃除する。
その次の日も。
そのまた次の日も。
それが‘当たり前’になってるから、少年も受容し、銀河の掃除師となって、畳という名の宇宙を駆け回る。駆け巡る。
けど、次の日は吐かなかった。少年は‘当たり前’が無いことに違和感を覚える。「吐け。吐いてくれ。お願いだから。」
何度願っても、銀河は生まれない。猫の腹から生まれた銀河が、少年の‘当たり前’
息を呑ム。君の美しい瞳に。息を呑ム。君が急に飛び上がって。そして気づく。君の居ない世界に。
「あーぁ、またかよ。」力の篭っていない声を漏らす少年は、視線を下に向ける。畳に広がる小汚い銀河とでも言おうか。猫の嘔吐物である。そんな彼とは相反する素振りを見せながら、尻尾をゆーらゆらと揺らしながらこちらを見守る猫。まるで「君が掃除をするのは‘当たり前’」と目で訴えかけているかのようだ。それを汲み取った少年は、‘当たり前’の如く掃除を始める。決して苦ではない。だって‘当たり前’なんだから。
ある日、また猫は吐いた。少年は掃除する。
その次の日も。
そのまた次の日も。
それが‘当たり前’になってるから、少年も受容し、銀河の掃除師となって、畳という名の宇宙を駆け回る。駆け巡る。
けど、次の日は吐かなかった。少年は‘当たり前’が無いことに違和感を覚える。「吐け。吐いてくれ。お願いだから。」
何度願っても、銀河は生まれない。猫の腹から生まれた銀河が、少年の‘当たり前’
息を呑ム。君の美しい瞳に。息を呑ム。君が急に飛び上がって。そして気づく。君の居ない世界に。
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