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なんで彼氏が知らない女と手をつないで役所に入っていくの?
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中高時代あんまりモテなかった私だって24にもなれば彼氏ができる。
彼は、大学時代にサークルで知り合って、付き合うようになった。
優しくて気遣いができて、いつも私の話を笑顔で聞いてくれる人だった。
そんな彼のことが大好きだった。結婚も考えていたし、プロポーズされるのを待っていた。
でも、その日はこなかった。
だって、買い物に出かけた日、彼が別の女性と手をつないで歩いているのが見えたから。
「え……」
私は自分の目を疑った。
しかし、何度瞬きしてもそれは消えない。むしろはっきりと見えてくるのだ。
そして、彼と手をつなぐ女性は、とても楽しそうにしている。
まるで、私が知らないような顔で笑っていた。
ショックで言葉を失った。
目をそらしたかったが、そらせない。どうなってしまうのか気になる。二人の後をこっそりとついていくと、彼らは市役所に入った。
「な、なんで市役所?」
疑問に思ったものの、そのままあとをつけていく。すると二人は婚姻届を出しに行ったようだった。
私は、頭が真っ白になった。
「嘘……うそだよね……」
震える声で呟く。
どうして? なんで私じゃないの?
「ようやくこれで結婚できるね。」
「式はいつだっけ~?」
幸せそうな会話が聞こえてきた。
その時になって初めて気づいた。
あぁ、これは現実なんだって。
それからしばらく何も手につかなかった。
彼と連絡を取る勇気も出ず、かといって別れを告げることもできず、ただ日々を過ごした。
すると、一週間くらい経ち、何事もなかったかのように彼から連絡がきた。
「今度、夕食行かない?」
「ど、どうして…」
「え?」
もう、無理だ。これ以上耐えられない。
私は彼に告げた。
「ごめんなさい。別れてください。」
涙声になりながらもなんとか言い切った。
しかし、彼は納得しなかったようだ。
「どうして?僕たちうまくいってたじゃないか。」
「でも!こないだ、見たから。」
「何を?」
いい加減にして!と言いたかったがぐっと堪える。
「あなたたちが市役所に入っていくところ!」
すると、電話の向こうからの和やかな雰囲気が冷えた。
「は?見てたわけ?」
「うん……。だから、私とは別れた方がいいよ。結婚したんでしょ?詐欺じゃん。」
思ったよりも冷徹な言葉が私からは出てきた。
「…ごめん。もう誤魔化せないね。」
「どういうこと?」
「実は、君と付き合う前に、他の女と結婚の約束をしていたんだ。」
は?
「え……?」
「黙っていて悪かったけど、本当に申し訳ないとは思っている。だけど、仕方がなかったんだよ。」
「何言ってんの!?じゃあ、なんで私と付き合ったの!?」
「言葉を選ばずに言うと、遊びだった。」
「ふざけんな!!!!!」
思わず大声で叫んでしまった。
怒りで体が震える。
「悪いと思ってる。だからこそ、きちんと説明しようと思って。」
「うるさい!!出ていけ!!二度と会いたくないわ!!!!」
私は電話を切るとすぐに着信拒否をした。そして、スマホの電源を落とし、ベッドに飛び込んだ。
枕を抱きしめて、泣いた。
こんな男だと知っていたら付き合わなかったのに。
私は一体何のために今まで頑張っていたのか。
全てが崩れてしまった。あんな男のことで悩むなんて時間の無駄だったのだ。
そう思うと、少し気が楽になった。
彼は、大学時代にサークルで知り合って、付き合うようになった。
優しくて気遣いができて、いつも私の話を笑顔で聞いてくれる人だった。
そんな彼のことが大好きだった。結婚も考えていたし、プロポーズされるのを待っていた。
でも、その日はこなかった。
だって、買い物に出かけた日、彼が別の女性と手をつないで歩いているのが見えたから。
「え……」
私は自分の目を疑った。
しかし、何度瞬きしてもそれは消えない。むしろはっきりと見えてくるのだ。
そして、彼と手をつなぐ女性は、とても楽しそうにしている。
まるで、私が知らないような顔で笑っていた。
ショックで言葉を失った。
目をそらしたかったが、そらせない。どうなってしまうのか気になる。二人の後をこっそりとついていくと、彼らは市役所に入った。
「な、なんで市役所?」
疑問に思ったものの、そのままあとをつけていく。すると二人は婚姻届を出しに行ったようだった。
私は、頭が真っ白になった。
「嘘……うそだよね……」
震える声で呟く。
どうして? なんで私じゃないの?
「ようやくこれで結婚できるね。」
「式はいつだっけ~?」
幸せそうな会話が聞こえてきた。
その時になって初めて気づいた。
あぁ、これは現実なんだって。
それからしばらく何も手につかなかった。
彼と連絡を取る勇気も出ず、かといって別れを告げることもできず、ただ日々を過ごした。
すると、一週間くらい経ち、何事もなかったかのように彼から連絡がきた。
「今度、夕食行かない?」
「ど、どうして…」
「え?」
もう、無理だ。これ以上耐えられない。
私は彼に告げた。
「ごめんなさい。別れてください。」
涙声になりながらもなんとか言い切った。
しかし、彼は納得しなかったようだ。
「どうして?僕たちうまくいってたじゃないか。」
「でも!こないだ、見たから。」
「何を?」
いい加減にして!と言いたかったがぐっと堪える。
「あなたたちが市役所に入っていくところ!」
すると、電話の向こうからの和やかな雰囲気が冷えた。
「は?見てたわけ?」
「うん……。だから、私とは別れた方がいいよ。結婚したんでしょ?詐欺じゃん。」
思ったよりも冷徹な言葉が私からは出てきた。
「…ごめん。もう誤魔化せないね。」
「どういうこと?」
「実は、君と付き合う前に、他の女と結婚の約束をしていたんだ。」
は?
「え……?」
「黙っていて悪かったけど、本当に申し訳ないとは思っている。だけど、仕方がなかったんだよ。」
「何言ってんの!?じゃあ、なんで私と付き合ったの!?」
「言葉を選ばずに言うと、遊びだった。」
「ふざけんな!!!!!」
思わず大声で叫んでしまった。
怒りで体が震える。
「悪いと思ってる。だからこそ、きちんと説明しようと思って。」
「うるさい!!出ていけ!!二度と会いたくないわ!!!!」
私は電話を切るとすぐに着信拒否をした。そして、スマホの電源を落とし、ベッドに飛び込んだ。
枕を抱きしめて、泣いた。
こんな男だと知っていたら付き合わなかったのに。
私は一体何のために今まで頑張っていたのか。
全てが崩れてしまった。あんな男のことで悩むなんて時間の無駄だったのだ。
そう思うと、少し気が楽になった。
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