11 / 11
10 大団円、3人で歩む大勢に祝福された未来。
しおりを挟む
俺とアリシアの結婚を邪魔した連中はうちのセイロン家はもとより、商人ギルドと牛耳っているパイフー家と錬金術師ギルドで美容品や薬草の流通を握っているザンウ家を敵に回し、貴族として欠かせない社交界で居場所を失ったばかりか、食事すらままならない餓死する状態に追い込まれた。
貴族家を支える夫人の戦場である茶会といった社交の場では茶葉や流行の品などに関する知識は欠かせず、それらを備えるために品の流通に欠かせない商人達を敵に回したのも奴等の敗因の1つだ。
もっとも、国王が取り決めた婚姻に反するという反逆罪を犯した時点で奴等の未来はなかった。
アリシアに関して、なぜうちの諜報員が彼女の拉致に気付けなかったかというと、拉致された当日は俺がアリシアと月に一度の逢瀬の日であり、公爵とグルだったオッド子爵夫妻が、アリシアが帰宅した直後に彼女を薬品で昏倒させて、屋敷の隠し通路から公爵が用意した家屋に連れ出していたのだった。
本来、公爵家の結婚式には国王王妃両陛下をはじめとした王族も招待して、大々的に執り行わなければならないのだが、メン公爵達はこの慣習も無視していた。
それだけでなく、教会にも無体を通しただけでなく、誓約の接吻といった儀式も恣意的に無視していた。
これらや初夜にも関わらず、アリシアの待つ寝室に新郎のケイ・メン公爵が終ぞ訪れなかったことはメン公爵本邸の侍女達の証言で明らかにされ、アリシアの純潔は証明された。
また、メン公爵家の無体に憤った教会により、アリシアとケイの婚姻は成立とするには不備が多数証明されたこともあり、白紙撤回、無効となった。
アリシアは子爵令嬢という身分と、両親が関与しているとはいえ、薬物を使って拉致されていたこと、ケイ・メン公爵の政務放棄によって公爵領民が王国民としての権利侵害されることを慮って、家宰達と共に政務を代行していたことから情状酌量され、今回罪に問われることはなかった。
意外だったのが、気炎を上げていたリンがアリシアと対面してすぐに彼女に懐いて、アリシアが元鞘に戻って俺と婚姻することを許すどころか、後押しして、公的な立場では実家の爵位の関係で爵位がアリシアより上のリンが第一夫人となるが、私的な場ではアリシアを義姉として扱うことにお互いに合意したことだった。
結局、メン公爵家は多くの不祥事が明るみになって、取り潰しとなり、当初の国王陛下の思惑通り、公爵領は王家の領地となって、今後は王太子殿下が治めることとなった。
オッド子爵家については親子間は絶縁状態であるものの、アリシアの弟であるオッド子爵の息子のレイ・オッド男爵が存命であったが、本人の希望で子爵位は返上された。
アリシアの拉致にレイ・オッド男爵は関わっておらず、アリシアとケイの急な婚姻について反発して親子間で絶縁となったこともあって、レイ・オッドにはお咎めなしとなり、そのままオッド男爵として男爵領を治めていくこととなった。
■
スザク家の当主のリンが許容したこともあり、俺はアリシアとの挙式をリンのものと併せて行うことになった。
アリシアのドレスはリンの協力もあって、用意していたものは装飾などがより艶やかなものになった。
国王・王妃両陛下と王太子殿下、俺とリンの兄貴分で辺境伯家としての盟友であるファー・パイウーとユ・ザンウの両名。また、アリシアの弟のレイ・オッドと彼の婚約者の少女。そして、アリシアの公爵領政務代行を手伝い、逃亡の手伝いをした元メン公爵家の家宰、使用人達といった多くの人が王都最大の教会に集まった。
彼等に祝福される中、俺はアリシアとリンの2人と夫婦の誓いを交わし、3人で夫婦となって初めての夜を迎えた。
後に、俺達は多くの子宝に恵まれて、その子供達が戴冠して、国王となられた王太子殿下の子供達と王国に一波乱巻き起こすことになるのだが、それはまた別の話。
貴族家を支える夫人の戦場である茶会といった社交の場では茶葉や流行の品などに関する知識は欠かせず、それらを備えるために品の流通に欠かせない商人達を敵に回したのも奴等の敗因の1つだ。
もっとも、国王が取り決めた婚姻に反するという反逆罪を犯した時点で奴等の未来はなかった。
アリシアに関して、なぜうちの諜報員が彼女の拉致に気付けなかったかというと、拉致された当日は俺がアリシアと月に一度の逢瀬の日であり、公爵とグルだったオッド子爵夫妻が、アリシアが帰宅した直後に彼女を薬品で昏倒させて、屋敷の隠し通路から公爵が用意した家屋に連れ出していたのだった。
本来、公爵家の結婚式には国王王妃両陛下をはじめとした王族も招待して、大々的に執り行わなければならないのだが、メン公爵達はこの慣習も無視していた。
それだけでなく、教会にも無体を通しただけでなく、誓約の接吻といった儀式も恣意的に無視していた。
これらや初夜にも関わらず、アリシアの待つ寝室に新郎のケイ・メン公爵が終ぞ訪れなかったことはメン公爵本邸の侍女達の証言で明らかにされ、アリシアの純潔は証明された。
また、メン公爵家の無体に憤った教会により、アリシアとケイの婚姻は成立とするには不備が多数証明されたこともあり、白紙撤回、無効となった。
アリシアは子爵令嬢という身分と、両親が関与しているとはいえ、薬物を使って拉致されていたこと、ケイ・メン公爵の政務放棄によって公爵領民が王国民としての権利侵害されることを慮って、家宰達と共に政務を代行していたことから情状酌量され、今回罪に問われることはなかった。
意外だったのが、気炎を上げていたリンがアリシアと対面してすぐに彼女に懐いて、アリシアが元鞘に戻って俺と婚姻することを許すどころか、後押しして、公的な立場では実家の爵位の関係で爵位がアリシアより上のリンが第一夫人となるが、私的な場ではアリシアを義姉として扱うことにお互いに合意したことだった。
結局、メン公爵家は多くの不祥事が明るみになって、取り潰しとなり、当初の国王陛下の思惑通り、公爵領は王家の領地となって、今後は王太子殿下が治めることとなった。
オッド子爵家については親子間は絶縁状態であるものの、アリシアの弟であるオッド子爵の息子のレイ・オッド男爵が存命であったが、本人の希望で子爵位は返上された。
アリシアの拉致にレイ・オッド男爵は関わっておらず、アリシアとケイの急な婚姻について反発して親子間で絶縁となったこともあって、レイ・オッドにはお咎めなしとなり、そのままオッド男爵として男爵領を治めていくこととなった。
■
スザク家の当主のリンが許容したこともあり、俺はアリシアとの挙式をリンのものと併せて行うことになった。
アリシアのドレスはリンの協力もあって、用意していたものは装飾などがより艶やかなものになった。
国王・王妃両陛下と王太子殿下、俺とリンの兄貴分で辺境伯家としての盟友であるファー・パイウーとユ・ザンウの両名。また、アリシアの弟のレイ・オッドと彼の婚約者の少女。そして、アリシアの公爵領政務代行を手伝い、逃亡の手伝いをした元メン公爵家の家宰、使用人達といった多くの人が王都最大の教会に集まった。
彼等に祝福される中、俺はアリシアとリンの2人と夫婦の誓いを交わし、3人で夫婦となって初めての夜を迎えた。
後に、俺達は多くの子宝に恵まれて、その子供達が戴冠して、国王となられた王太子殿下の子供達と王国に一波乱巻き起こすことになるのだが、それはまた別の話。
0
お気に入りに追加
45
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした
基本二度寝
恋愛
小国王女のベスフェエラには前世の記憶があった。
その記憶が役立つ事はなかったけれど、考え方は王族としてはかなり柔軟であった。
身分の低い者を見下すこともしない。
母国では国民に人気のあった王女だった。
しかし、嫁ぎ先のこの国に嫁入りの準備期間としてやって来てから散々嫌がらせを受けた。
小国からやってきた王女を見下していた。
極めつけが、周辺諸国の要人を招待した夜会の日。
ベスフィエラに用意されたドレスはなかった。
いや、侍女は『そこにある』のだという。
なにもかけられていないハンガーを指差して。
ニヤニヤと笑う侍女を見て、ベスフィエラはカチンと来た。
「へぇ、あぁそう」
夜会に出席させたくない、王妃の嫌がらせだ。
今までなら大人しくしていたが、もう我慢を止めることにした。
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
私の婚約者とキスする妹を見た時、婚約破棄されるのだと分かっていました
あねもね
恋愛
妹は私と違って美貌の持ち主で、親の愛情をふんだんに受けて育った結果、傲慢になりました。
自分には手に入らないものは何もないくせに、私のものを欲しがり、果てには私の婚約者まで奪いました。
その時分かりました。婚約破棄されるのだと……。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
婚約者に妹を紹介したら、美人な妹の方と婚約したかったと言われたので、譲ってあげることにいたしました
奏音 美都
恋愛
「こちら、妹のマリアンヌですわ」
妹を紹介した途端、私のご婚約者であるジェイコブ様の顔つきが変わったのを感じました。
「マリアンヌですわ。どうぞよろしくお願いいたします、お義兄様」
「ど、どうも……」
ジェイコブ様が瞳を大きくし、マリアンヌに見惚れています。ジェイコブ様が私をチラッと見て、おっしゃいました。
「リリーにこんな美しい妹がいたなんて、知らなかったよ。婚約するなら妹君の方としたかったなぁ、なんて……」
「分かりましたわ」
こうして私のご婚約者は、妹のご婚約者となったのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる