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実践授業③(ナナ視点)
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返ってきた返答は「心が読めない」というものだった。
「うっそ……先読みもできないってこと?」
ただでさえ、基礎スペックが私らとは段違いなのに、十八番の先読みも使えないとなると、私たちに勝ち目は薄いのでは?
「まだなにか……なにか勝つ方法があるかもしれない。諦めるにはまだ早い!」
どんな敵にも弱点というものは存在するのだ。
今度は看破のスキルで弱点を見破ってもらうように依頼。
結果は、先ほどと似たようなもので、「わからない」と言ったもの。
「弱点はないし、心も読めない……っあーヤンキー?もう少し一人でガンバ!」
「っざっけんな!お前らも手伝えよ!」
なにか文句が聞こえて気がしたが、気にしないでおこう。
「『解析』」
この世界には『ステータス』というものが存在する。
ステータスとは相手の攻撃力や防御力、魔力量と言ったものを数値として見ることが出来るものである。
しかし、そのことについてこの世界の人たちに尋ねてみてもすべての人が「なんだそれ?」という反応を返した。
つまり、ステータスが見れるのは私たち異世界人の特権であるということだ。
私のステータスの平均値は大体300ほどで、ヤンキーは悔しいが私もよりも200上の数値、500である。
基本的なステータスでぼろ負けしている私が、ヤンキーと少しの間斬りあえるのはかろうじて、攻撃力重視のステータスのヤンキーと素早さ特化の私の相性が良かったからだろう。
リョウヘイくんも、そこから糸口を見つけようとしたのに違いない。
どのステータスに特化しているかによって判断が変わってくる。もし、スピード特化なのであれば範囲攻撃でどうにか……。
そんなことを考えながら、ヤンキーの攻撃を鼻で笑い飛ばしながら遊んでいる女性に行った解析の結果を待つ。
そして、リョウヘイくんの表情はどんどん青ざめていった。
なんとなくだが、想像はつく。私たちのステータスよりも圧倒的格上なのだろう。
彼の目の前に表示されていた画面を私も無理やり覗き込む。
そして、私も驚愕に目を見開いた。
「ステータス……12000?」
バカげている。
単純計算で私の四十倍は強いことになるではないか!
ステータスが10違うだけでもかなり変わってくるというのに、約11000の差が女性と私にある。
「む、無理だ……」
そりゃあ、あのヤンキーが遊ばれているのにも納得である。
「ヤンキー!退散!逃げるわよ!」
「はぁ!?なんでだよ!」
「そいつのステータスヤバいの!逃げるよ!」
逃げ切れるかどうかは、聞かないでほしい。むしろ、生き残れる気がしない。
一応ヤンキーにも忠告をした。全員生きて戻らねば……。
そう思い、後ろを振り返るとそこには、ヤンキーと戯れていたはずの女性が立っていた。
「どこへ行く気だ?」
「っ!?」
「私の姿を見たのだ、逃がすわけないだろ」
思わず女性の手に握られている短剣に目を持っていかれる。
私たちの持っているどんな武器よりも鋭くとがっているその短剣に切り刻まれたらどれほど痛いのだろうか?
「来ないで!」
短剣がおもむろに持ち上げられた瞬間、私は死を覚悟した。
(はは……まあ、人生こういうものよね……)
そう思って、もうあきらめようかと思った時であった。
「ちょっと、うちの生徒に何してんのよ」
どこかで聞いたことある声がした。
その声の主は頭の上……頭上から響き、上を見上げる前に、ユーリさんと、レオさんの二人が上から降りてきた。
「あんなところ、生徒に見られたらたまったもんじゃない……」
そんなレオの呟きは彼女の耳には届かなかった。
「ベアトリス!?」
その代わり、赤髪の女性の声はこれでもかと森の中に響き渡る。
「あら?知り合いだったかしら?」
「……!白々しいことを!」
女性はベアトリス先生の知り合いなのだろうか?
女性の標的が私ではなくなったのを確認し、後退する。そして、なんとなく女性の気配を探ってみた。
私の目に移った気配の色は恐怖と殺意だった。
特に恐怖の色はすさまじく、それは女性の表情に色濃く映し出されている。
「あー!思い出したわ、あなた学院を襲撃した一人ね!」
「黙れ!」
数年前にあったとされるその事件、けが人を多数出しながらも死人が出なかった不幸中の幸いと呼ぶべき襲撃事件。
(こんなに強い人が強襲していたの!?)
空中に浮遊しているベアトリス先生は少女らしからぬ貫録で、答える。
「ふーん、あなた私と会ったことあるわよね?また懲りずにやってきたの?」
薄く笑みを浮かべるベアトリス先生。そして、今更気づいたが、その背後には聖女オリビアさまと同様に、『天才』として名を馳せているレイナという人物もいるではないか。
錬金術クラブの部屋で引きこもり、何やらやっているようだが……それは今は関係ないことか。
「まあ、いいわ。あなたが誰であろうと私には関係ないの。見たところせいぜいS級上位くらい?この子たちが負けるのも納得ね」
私たちなら勝てるとか思ってたのこの人!?
無理です!こんなの無理です!
「まあ、全員合わせてA級くらいだししょうがないわね」
「おい、ガキ!とりあえず降りてこいやてめー!」
若干一名、空気を読めない輩がいるようだが、そんなのこの場にいる全員が無視していた。
「とりあえず、あなたを拘束させてもらいます」
「な、なんだと?」
「拒否権はありませんわ。私、我がままなので!」
「な――」
女性が声を発しようとした時、目にもとまらぬ速さで何かが動いた。
空気?
いや違う。
ベアトリス先生である。
浮遊していたはずのベアトリス先生はいつの間にか女性の首を鷲掴みにして、地面に叩きつけていた。
「あんまり調子に乗らないでほしいですね。この世界は弱肉強食、弱い者は淘汰される運命だからね」
ステータス12000が弱者分類?
私たちがおかしいのだろうか?私たちが国のお偉いさんに絶賛されてたせいで、「強い」と思い込んでいたのだろうか?
「舐めるな!」
女性が足を蹴り上げベアトリス先生をどかす。
当たる直前で後ろに引いたベアトリス先生は、土を払いのけながら余裕綽々だ。
「あら?まだやるの?この人数差で勝てると思ってるの?」
「ちっ!」
女性はすでにボロボロであったが、戦意はまだ失っていないようであった。
そんなのんきなことを考えていると、女性がこちらをにらみつける。そして、ベアトリス先生程とはいかずとも……視界にぎりぎりとらえられるかと言った速度で私に接近してきた。
「ヤバっ」
そう思って後ずさるがそんなの無意味というように距離を詰められる。
だが、
「!?」
横からレーザー砲でも飛んできたかと思うほどの魔力が飛び出す。それをもろに受けた女性は……かろうじて短剣で弾いたが……吹き飛ばされ、何本か木をなぎ倒しながら転がっていく。
その魔法を放った人物はキツネの姿から変身した一応教師?のユーリさん。
「弱いのを人質に……って?そんなことさせるわけないじゃん」
おどけてみせるその態度は、当たり前のことであると気配が物語っている。
「くそ!なんなんだお前ら!私の邪魔ばかり!」
「それはこっちのセリフよ。私関係にちょっかいかけてくるのはやめて頂戴?」
「お前さえ!ベアトリス、お前さえいなければ狂信嬢様は死なずに済んだのだ!」
「え?」
新たな名前?が飛び出してくる。が、我々生徒一同は話においてかれているので、全く何を言っているのかわからない。
「ベアトリス、貴様と……お前だな?そこにいる獣人!」
「え、僕ですか?」
指を指されたのはレオ先生のほうである。
「お前たち二人がいなければ狂信嬢様は負けなかった!二対一で戦わなければ!」
「……そう、話は読めないけど、なんとなくあなたが怒ってる理由が分かったわ」
「ふざけるな!」
片方は苛烈に、もう片方は逆に冷静になったといわんばかりに優雅に歩を進める。
そして、女性に近づき、顔を覗き込むぐらいに近づくベアトリス先生。
すると、
「まずは、その誤解を何とかしなくちゃね」
そう言うと、女性に告げる。
「狂信嬢様だっけ?あいつならまだ死んでないわよ?」
と――。
「うっそ……先読みもできないってこと?」
ただでさえ、基礎スペックが私らとは段違いなのに、十八番の先読みも使えないとなると、私たちに勝ち目は薄いのでは?
「まだなにか……なにか勝つ方法があるかもしれない。諦めるにはまだ早い!」
どんな敵にも弱点というものは存在するのだ。
今度は看破のスキルで弱点を見破ってもらうように依頼。
結果は、先ほどと似たようなもので、「わからない」と言ったもの。
「弱点はないし、心も読めない……っあーヤンキー?もう少し一人でガンバ!」
「っざっけんな!お前らも手伝えよ!」
なにか文句が聞こえて気がしたが、気にしないでおこう。
「『解析』」
この世界には『ステータス』というものが存在する。
ステータスとは相手の攻撃力や防御力、魔力量と言ったものを数値として見ることが出来るものである。
しかし、そのことについてこの世界の人たちに尋ねてみてもすべての人が「なんだそれ?」という反応を返した。
つまり、ステータスが見れるのは私たち異世界人の特権であるということだ。
私のステータスの平均値は大体300ほどで、ヤンキーは悔しいが私もよりも200上の数値、500である。
基本的なステータスでぼろ負けしている私が、ヤンキーと少しの間斬りあえるのはかろうじて、攻撃力重視のステータスのヤンキーと素早さ特化の私の相性が良かったからだろう。
リョウヘイくんも、そこから糸口を見つけようとしたのに違いない。
どのステータスに特化しているかによって判断が変わってくる。もし、スピード特化なのであれば範囲攻撃でどうにか……。
そんなことを考えながら、ヤンキーの攻撃を鼻で笑い飛ばしながら遊んでいる女性に行った解析の結果を待つ。
そして、リョウヘイくんの表情はどんどん青ざめていった。
なんとなくだが、想像はつく。私たちのステータスよりも圧倒的格上なのだろう。
彼の目の前に表示されていた画面を私も無理やり覗き込む。
そして、私も驚愕に目を見開いた。
「ステータス……12000?」
バカげている。
単純計算で私の四十倍は強いことになるではないか!
ステータスが10違うだけでもかなり変わってくるというのに、約11000の差が女性と私にある。
「む、無理だ……」
そりゃあ、あのヤンキーが遊ばれているのにも納得である。
「ヤンキー!退散!逃げるわよ!」
「はぁ!?なんでだよ!」
「そいつのステータスヤバいの!逃げるよ!」
逃げ切れるかどうかは、聞かないでほしい。むしろ、生き残れる気がしない。
一応ヤンキーにも忠告をした。全員生きて戻らねば……。
そう思い、後ろを振り返るとそこには、ヤンキーと戯れていたはずの女性が立っていた。
「どこへ行く気だ?」
「っ!?」
「私の姿を見たのだ、逃がすわけないだろ」
思わず女性の手に握られている短剣に目を持っていかれる。
私たちの持っているどんな武器よりも鋭くとがっているその短剣に切り刻まれたらどれほど痛いのだろうか?
「来ないで!」
短剣がおもむろに持ち上げられた瞬間、私は死を覚悟した。
(はは……まあ、人生こういうものよね……)
そう思って、もうあきらめようかと思った時であった。
「ちょっと、うちの生徒に何してんのよ」
どこかで聞いたことある声がした。
その声の主は頭の上……頭上から響き、上を見上げる前に、ユーリさんと、レオさんの二人が上から降りてきた。
「あんなところ、生徒に見られたらたまったもんじゃない……」
そんなレオの呟きは彼女の耳には届かなかった。
「ベアトリス!?」
その代わり、赤髪の女性の声はこれでもかと森の中に響き渡る。
「あら?知り合いだったかしら?」
「……!白々しいことを!」
女性はベアトリス先生の知り合いなのだろうか?
女性の標的が私ではなくなったのを確認し、後退する。そして、なんとなく女性の気配を探ってみた。
私の目に移った気配の色は恐怖と殺意だった。
特に恐怖の色はすさまじく、それは女性の表情に色濃く映し出されている。
「あー!思い出したわ、あなた学院を襲撃した一人ね!」
「黙れ!」
数年前にあったとされるその事件、けが人を多数出しながらも死人が出なかった不幸中の幸いと呼ぶべき襲撃事件。
(こんなに強い人が強襲していたの!?)
空中に浮遊しているベアトリス先生は少女らしからぬ貫録で、答える。
「ふーん、あなた私と会ったことあるわよね?また懲りずにやってきたの?」
薄く笑みを浮かべるベアトリス先生。そして、今更気づいたが、その背後には聖女オリビアさまと同様に、『天才』として名を馳せているレイナという人物もいるではないか。
錬金術クラブの部屋で引きこもり、何やらやっているようだが……それは今は関係ないことか。
「まあ、いいわ。あなたが誰であろうと私には関係ないの。見たところせいぜいS級上位くらい?この子たちが負けるのも納得ね」
私たちなら勝てるとか思ってたのこの人!?
無理です!こんなの無理です!
「まあ、全員合わせてA級くらいだししょうがないわね」
「おい、ガキ!とりあえず降りてこいやてめー!」
若干一名、空気を読めない輩がいるようだが、そんなのこの場にいる全員が無視していた。
「とりあえず、あなたを拘束させてもらいます」
「な、なんだと?」
「拒否権はありませんわ。私、我がままなので!」
「な――」
女性が声を発しようとした時、目にもとまらぬ速さで何かが動いた。
空気?
いや違う。
ベアトリス先生である。
浮遊していたはずのベアトリス先生はいつの間にか女性の首を鷲掴みにして、地面に叩きつけていた。
「あんまり調子に乗らないでほしいですね。この世界は弱肉強食、弱い者は淘汰される運命だからね」
ステータス12000が弱者分類?
私たちがおかしいのだろうか?私たちが国のお偉いさんに絶賛されてたせいで、「強い」と思い込んでいたのだろうか?
「舐めるな!」
女性が足を蹴り上げベアトリス先生をどかす。
当たる直前で後ろに引いたベアトリス先生は、土を払いのけながら余裕綽々だ。
「あら?まだやるの?この人数差で勝てると思ってるの?」
「ちっ!」
女性はすでにボロボロであったが、戦意はまだ失っていないようであった。
そんなのんきなことを考えていると、女性がこちらをにらみつける。そして、ベアトリス先生程とはいかずとも……視界にぎりぎりとらえられるかと言った速度で私に接近してきた。
「ヤバっ」
そう思って後ずさるがそんなの無意味というように距離を詰められる。
だが、
「!?」
横からレーザー砲でも飛んできたかと思うほどの魔力が飛び出す。それをもろに受けた女性は……かろうじて短剣で弾いたが……吹き飛ばされ、何本か木をなぎ倒しながら転がっていく。
その魔法を放った人物はキツネの姿から変身した一応教師?のユーリさん。
「弱いのを人質に……って?そんなことさせるわけないじゃん」
おどけてみせるその態度は、当たり前のことであると気配が物語っている。
「くそ!なんなんだお前ら!私の邪魔ばかり!」
「それはこっちのセリフよ。私関係にちょっかいかけてくるのはやめて頂戴?」
「お前さえ!ベアトリス、お前さえいなければ狂信嬢様は死なずに済んだのだ!」
「え?」
新たな名前?が飛び出してくる。が、我々生徒一同は話においてかれているので、全く何を言っているのかわからない。
「ベアトリス、貴様と……お前だな?そこにいる獣人!」
「え、僕ですか?」
指を指されたのはレオ先生のほうである。
「お前たち二人がいなければ狂信嬢様は負けなかった!二対一で戦わなければ!」
「……そう、話は読めないけど、なんとなくあなたが怒ってる理由が分かったわ」
「ふざけるな!」
片方は苛烈に、もう片方は逆に冷静になったといわんばかりに優雅に歩を進める。
そして、女性に近づき、顔を覗き込むぐらいに近づくベアトリス先生。
すると、
「まずは、その誤解を何とかしなくちゃね」
そう言うと、女性に告げる。
「狂信嬢様だっけ?あいつならまだ死んでないわよ?」
と――。
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