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活動
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「はーい、ユーリ君は今後お酒を飲まないようにねー」
「なんでですかぁ!」
「ユーリが悪いんだよ?お酒弱いくせにそんなたくさん飲む方が悪い!」
「そんなぁ……!」
現在説教中。
国王は私と話をすることが主な目的だったらしく、すぐに帰った。
お昼頃に、何も知らないユーリが起きて、それにつられるようにレオ君も起きた。
それだけだったらお泊まり会してる友達同士……だが、ユーリに至ってはお昼からお酒をまた飲もうとしていたので、私がすべて回収した。
レオ君は状況がわかっているようで、苦笑いでユーリの隣に座っている。
「レオ君にもお酒を飲ませてたでしょ?子供なんだから、飲ませちゃダメでしょ!」
「ぐぬぬ……」
「子供……」
ユーリは文字通りぐぬぬと唸って、レオ君はなぜかしょんぼりしていた。
「ひどいよ、ご主人様……」
「はい!この話は終わり!お酒はひとまず禁止ね!」
「ねえベアトリス。それぐらいは許してあげようよ」
レオ君は意外にもユーリを擁護する。
片腕を持って、
「僕にも非があるわけですし、少しくらいなら飲んでもいいと思います……!」
非がある?
酒場をぼんやり眺めていたことだろうか?
少な!
と思ったが、レオ君は悪くないので納得しておく。
「わかったわ、ただし、人に強要はしないこと。いいね?」
「やたー!レオ大好きー!」
「わ!?ちょ、やめて!」
ユーリがレオ君に抱きついて頬を擦り付けている。
(私は……一体何を見ているのだろうか?)
そんな疑問が私の頭をよぎった時、
「なんだ?今度は何があったんだ?」
「あ!トレイル!今度からお酒持ってこなくていいからね!?」
「え、あ、うん」
昨日と同じように、玄関口からひょっこりと顔を出して現れたトレイル。
ひとまずトレイルを食卓に座ってもらい、私はひとまずレオ君とユーリを引き剥がす。
「助かった……」
「お疲れ様ね……」
無理やりお酒を飲まされて、ユーリにもお酒を飲まされて、可哀想……。
そう思いつつ、全員が食卓の席に座り直す。
もちろんお酒なんて出さないぞ!
「それで……その、今日は!」
テーブルをどんと叩いて、立ち上がったトレイル。
「その……悪魔がどこにいるかなって……手がかりについて相談しようかと……」
昨日の、お酒事件から打って変わって真面目な話。
当然、それは私も相談しようと思っていたことだったのでちょうどいい。
「精霊から教えてもらった話、あの悪魔のことだよね」
「そ、そう!」
「あの時に、聞いていたらよかったなー悪魔の居場所」
「もし、悪魔が襲ってくるのだとしたら、エルフはどうしたら……」
「そのために私たちがいるんでしょ?」
「……ありがと」
「ん?なんか言ったの?」
「いいから!これからどうするか話しましょ!」
ひとまずは敵である悪魔の居場所が分かっていない。
そして、おそらく私の居場所もバレていないことだろう。
お互いに居場所を知らないのであれば、私が見つからないように過ごすだけで、激しい戦闘が起こることもない。
つまり、エルフたちに犠牲を出さずに済むわけだ。
と言っても、魔物の増加はかなり深刻なもんだへと進んでいる。
今思えば、公爵領の近くの魔物が増加傾向にあったのは、悪魔が扇動していたからか?
どうやらかなり前から私は目をつけられていたらしいし、あり得なくない。
「相手に私の居場所がバレていない限り、直接出向いてくることはないだろうし、長期的に見てもいいんじゃない?」
「それはいいんだけど、魔物の方はどうするの?」
「そこだよねー、問題は」
結局、悪魔よりも魔物の方が厄介である。
ドラゴンが出たことから、少なからずもはやエルフが対処しきれる範囲を超えている。
このままさらに強い上位種とかが出てきたら、エルフは滅んでしまうだろう。
「もう、エルフたちの力に頼るしかないな~」
私はそんなことを口走った。
その時だった。
「それだ!」
「へ?」
トレイルが再びテーブルをたたいた。
びくっとしたのは私だけではなくレオ君もユーリも同じだった。
「あなたがエルフたちを鍛えるのよ!」
「私が?」
——ここからの話は早かった。
♦︎♢♦︎♢♦︎
——数日後のこと……。
「違う!剣の抜きに時間がかかりすぎ!あ、そこ!型を守りすぎよ!もっと自分なりの戦いを見つけなさい!」
「「「はい!トリス!」」」
私が指示をした通りにエルフのみんなが動く。
それを見る度に、ものすごい気恥ずかしさを覚えるのだ。
それは確実にトレイルのせいであって……
「先生役もだいぶ様になってきてるのね」
「なんで私が教官なの!?」
私は思わず口を滑らせ「もう、エルフたちの力に頼るしかないな~」とか言ってしまったせいで、話はとんとん拍子に進んでしまった。
何を勘違いしたのか、このハイエルフ……魔物に対処するためには自分たちが強くならなくては!と考えたらしい。
それ自体はあってるのだが、教官に私を使うとは!
流れとしてはこうだった。
トレイルは国王……最高権力者に私を指導係とすることを依頼。
国王、許可する。
ハイエルフ一同、反対する。
最高権力者に黙らせられる。
私、ダークエルフとしてエルフたちに紹介される。
そして、今に至る。
耳の部分は教官らしい帽子と、怪我をしていないけど包帯をつけてごまかしている。
悪魔がいつくるかわからない現状で変身するだけの魔力を消費するわけにはいかない。
いや、正論なんだけれども……。
どうしてこうなった?
ダークエルフとして紹介された私は、エルフたち衛兵を着々と鍛え上げる。
ただ、まだ数日しか経っていないので、なんとも言えない。
現在いる街の外れにはハイエルフであるトレイルが冷やかしに来ている。
「それにしてもトリスって……」
「偽名を使う必要ないとかいうんでしょ?いいのよ、そっちの方が面白いし!」
「トレイル……覚えておきなさいよ!」
そんなこんなで、私のエルフ教官としての活動が始まった。
「なんでですかぁ!」
「ユーリが悪いんだよ?お酒弱いくせにそんなたくさん飲む方が悪い!」
「そんなぁ……!」
現在説教中。
国王は私と話をすることが主な目的だったらしく、すぐに帰った。
お昼頃に、何も知らないユーリが起きて、それにつられるようにレオ君も起きた。
それだけだったらお泊まり会してる友達同士……だが、ユーリに至ってはお昼からお酒をまた飲もうとしていたので、私がすべて回収した。
レオ君は状況がわかっているようで、苦笑いでユーリの隣に座っている。
「レオ君にもお酒を飲ませてたでしょ?子供なんだから、飲ませちゃダメでしょ!」
「ぐぬぬ……」
「子供……」
ユーリは文字通りぐぬぬと唸って、レオ君はなぜかしょんぼりしていた。
「ひどいよ、ご主人様……」
「はい!この話は終わり!お酒はひとまず禁止ね!」
「ねえベアトリス。それぐらいは許してあげようよ」
レオ君は意外にもユーリを擁護する。
片腕を持って、
「僕にも非があるわけですし、少しくらいなら飲んでもいいと思います……!」
非がある?
酒場をぼんやり眺めていたことだろうか?
少な!
と思ったが、レオ君は悪くないので納得しておく。
「わかったわ、ただし、人に強要はしないこと。いいね?」
「やたー!レオ大好きー!」
「わ!?ちょ、やめて!」
ユーリがレオ君に抱きついて頬を擦り付けている。
(私は……一体何を見ているのだろうか?)
そんな疑問が私の頭をよぎった時、
「なんだ?今度は何があったんだ?」
「あ!トレイル!今度からお酒持ってこなくていいからね!?」
「え、あ、うん」
昨日と同じように、玄関口からひょっこりと顔を出して現れたトレイル。
ひとまずトレイルを食卓に座ってもらい、私はひとまずレオ君とユーリを引き剥がす。
「助かった……」
「お疲れ様ね……」
無理やりお酒を飲まされて、ユーリにもお酒を飲まされて、可哀想……。
そう思いつつ、全員が食卓の席に座り直す。
もちろんお酒なんて出さないぞ!
「それで……その、今日は!」
テーブルをどんと叩いて、立ち上がったトレイル。
「その……悪魔がどこにいるかなって……手がかりについて相談しようかと……」
昨日の、お酒事件から打って変わって真面目な話。
当然、それは私も相談しようと思っていたことだったのでちょうどいい。
「精霊から教えてもらった話、あの悪魔のことだよね」
「そ、そう!」
「あの時に、聞いていたらよかったなー悪魔の居場所」
「もし、悪魔が襲ってくるのだとしたら、エルフはどうしたら……」
「そのために私たちがいるんでしょ?」
「……ありがと」
「ん?なんか言ったの?」
「いいから!これからどうするか話しましょ!」
ひとまずは敵である悪魔の居場所が分かっていない。
そして、おそらく私の居場所もバレていないことだろう。
お互いに居場所を知らないのであれば、私が見つからないように過ごすだけで、激しい戦闘が起こることもない。
つまり、エルフたちに犠牲を出さずに済むわけだ。
と言っても、魔物の増加はかなり深刻なもんだへと進んでいる。
今思えば、公爵領の近くの魔物が増加傾向にあったのは、悪魔が扇動していたからか?
どうやらかなり前から私は目をつけられていたらしいし、あり得なくない。
「相手に私の居場所がバレていない限り、直接出向いてくることはないだろうし、長期的に見てもいいんじゃない?」
「それはいいんだけど、魔物の方はどうするの?」
「そこだよねー、問題は」
結局、悪魔よりも魔物の方が厄介である。
ドラゴンが出たことから、少なからずもはやエルフが対処しきれる範囲を超えている。
このままさらに強い上位種とかが出てきたら、エルフは滅んでしまうだろう。
「もう、エルフたちの力に頼るしかないな~」
私はそんなことを口走った。
その時だった。
「それだ!」
「へ?」
トレイルが再びテーブルをたたいた。
びくっとしたのは私だけではなくレオ君もユーリも同じだった。
「あなたがエルフたちを鍛えるのよ!」
「私が?」
——ここからの話は早かった。
♦︎♢♦︎♢♦︎
——数日後のこと……。
「違う!剣の抜きに時間がかかりすぎ!あ、そこ!型を守りすぎよ!もっと自分なりの戦いを見つけなさい!」
「「「はい!トリス!」」」
私が指示をした通りにエルフのみんなが動く。
それを見る度に、ものすごい気恥ずかしさを覚えるのだ。
それは確実にトレイルのせいであって……
「先生役もだいぶ様になってきてるのね」
「なんで私が教官なの!?」
私は思わず口を滑らせ「もう、エルフたちの力に頼るしかないな~」とか言ってしまったせいで、話はとんとん拍子に進んでしまった。
何を勘違いしたのか、このハイエルフ……魔物に対処するためには自分たちが強くならなくては!と考えたらしい。
それ自体はあってるのだが、教官に私を使うとは!
流れとしてはこうだった。
トレイルは国王……最高権力者に私を指導係とすることを依頼。
国王、許可する。
ハイエルフ一同、反対する。
最高権力者に黙らせられる。
私、ダークエルフとしてエルフたちに紹介される。
そして、今に至る。
耳の部分は教官らしい帽子と、怪我をしていないけど包帯をつけてごまかしている。
悪魔がいつくるかわからない現状で変身するだけの魔力を消費するわけにはいかない。
いや、正論なんだけれども……。
どうしてこうなった?
ダークエルフとして紹介された私は、エルフたち衛兵を着々と鍛え上げる。
ただ、まだ数日しか経っていないので、なんとも言えない。
現在いる街の外れにはハイエルフであるトレイルが冷やかしに来ている。
「それにしてもトリスって……」
「偽名を使う必要ないとかいうんでしょ?いいのよ、そっちの方が面白いし!」
「トレイル……覚えておきなさいよ!」
そんなこんなで、私のエルフ教官としての活動が始まった。
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