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最終盤
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↓狂信嬢視点↓
「いてて。骨が折れた……」
「当たり前でしょう?折るつもりだったんだから」
いつの間にか現れたベアトリスが顔を覗き込んでくる。
「それに、なーんで生きてんのかなー?」
「この木、柔らかいから」
冗談を交えつつ、私は周囲を調べる。
洞窟の壁が壊され、追い打ちによって私は、森まで吹き飛ばされていた。
木々のおかげで、受けた力が分散され、何とか背骨の骨折程度で済んだ。
それにしても、依然と状況はまずいことに変わりない。
「ベアトリス、人間?」
「は?バカにしてるの?あなたも人間でしょ?」
そう言われてしまえば、何も言えない。
私は聞きたかったのは、なんで七歳で災害認定級なのだろうか、という話である。
私自身が災害認定という、まあ、一般人から見れば、化け物と扱われる存在なのだ。
そんな私が一方的にぼこぼこにされている。
(でも、嬉しい)
愛弟子が成長して師匠を超えた気分?
まさにそれである。
「私のことをなめてかかったのを後悔しなさい」
「うん、後悔した」
だから、私も、
「私もそろそろ本気だす」
「へー、面白いじゃん」
私は立ち上がり、土ぼこりを払いのける。
「確かに舐めてた。それに敬意を示して……」
私はゆっくりと目を開けるのだった。
♦︎♢♦︎♢♦︎↓ベアトリス視点↓
「へー、面白いじゃん」
とか言ってみて、煽った結果……。
「これで、私は本気になった」
そう言って目を開ける白装束。
赤眼の目がきらりと夜の森に光る。
獲物を見る狼のような目。
その目は開くだけで十分な力を持っていた。
私が支配していた空気が白装束のものへと上書きされる。
何が言いたいかといえば、私が場を支配していたはずなのに、白装束の方が優位な立場にあると思ってきてしまう。
「私はプリースト……魔を滅し、魔を欺く者なり」
ヤバイ……。
なんか強者っぽいこと言い出しちゃった!
って、もともと強いんだけどさぁ!
プリーストがなんでこんな強いんだよ!
それよりもその情報初耳なんだけど!?
私プリースト相手に全力出してるってわけ!?
いや、それでも押し切れてないんだから、相手が強かっただけ……だよね。
そもそもプリーストって幻覚魔法使えたんだ……。
ダメだ、色々と知識がない。
基本的に学校で習うような、五科目は全て完璧に仕上げている。
だが、その道の専門知識となってくると、私の理解できる範疇にない。
「な、なんでそんな力……」
「私、戦闘要員だから」
「はぁ!?」
もう完全に訳が分からなくなった。
プリーストなのに戦闘要員とか意味がわからない。
それを察したわけでもないだろうに、説明してくる白装束。
「うーん、例えばなぜ墓場にアンデットが出ないか。考えたこと、ある?」
「え……ないけど……それがなんだっていうの!」
「教会に配属されたプリーストが排除してるから」
なるほど。
言いたいことはわかった。
「つまり、あなたはもともと墓場のゴミ掃除をする役目だったのね?」
「正解、その例え……私たち、気が合う」
「合いたくないわよ!」
まさかのまさか。
プリーストにも戦える人っていたんだ。
だから、教会所属の僧侶たちは強いのか。
私だって教会に所属する僧侶たちを見たことがある。
前世の時の話になるが、十歳になった時、職業鑑定の儀で戦っている姿を見たことがある。
とは言っても、子供が能力を試すために、模擬戦をさせてもらっていただけに過ぎないが……。
いくらすごい職業の少年少女でも、その僧侶に勝つことはなかった。
一歩も動かず、片手で攻撃を受け止めて、最後は子供の方が疲弊して試合が終了になっていた。
今思えば、白装束と似ている。
白装束も一歩も動かないし、できるだけ片手しか使わないようにしている節がある。
「なるほどね。だからか」
「目を開けた時、それが私の本気」
「なんでも見通しちゃうってこと?」
「そんなとこは……あんまりない」
少しはあるかもってことかよ!
相変わらずの様子で緊張感があまり持てない。
だが、手加減する余裕もなさそうだし、一気に終わらせる。
「とりあえず、気絶して」
さっき通りの動きで接近する。
屈んだ姿勢で地面を蹴り、加速する。
その瞬間は正直音速超えたんじゃね?
って自画自賛していた。
だが、その余裕もすぐに崩れ去ることになる。
「遅い」
私の攻撃は避けられ、代わりと言わんばかりに首元にチョップを叩き込まれる。
「ぐ!」
一瞬意識が何処かへいきそうになったが、なんとか堪え、体勢を戻す。
「なんで……」
「私の視界に入ったら、勝ち目はない」
「何よそれ!」
転移し、背後を取る。
本気の私の転移だから、誤差はわずかコンマいくつかの次元のはずなのにも関わらず、
「見えた」
「なんで……ぐっ!」
横なぎに振るわれた腕に脇腹を押される。
押されると言っても、すごい速さで叩かれたので、普通に痛い。
「目を開けただけなのに……」
「ヒントをあげる。私には視界に入っている物の先が見える」
「ヒントですって……?」
ムカつくけど、ここはそのヒントをありがたく受け取らせてもらう。
罠の可能性もあるが、それ以前にこのままじゃ敗北しそうなので、忖度してる場合じゃないのだ。
「先が見えるってことは……」
単純に目がいいのか?
私の音速での動きもすべて見切られているということ?
「じゃあ、こういうのは……どうだ!」
石を手に取ると、それを消滅させる。
瞬間、白装束の後ろから突如石が出現する。
「それじゃダメ」
片手でキャッチすると横にそれをポイと投げ捨てる。
「っち!」
異納庫でしまい、白装束の背後に出現させ一気に落としてもダメ。
だったら、魔法の発動も見切られているということ?
でも、きっとそんな次元じゃないのだろう。
「考えろ……私!」
攻撃される可能性もあるが、白装束の性格上、それはないだろうと判断する。
こいつは、戦いを楽しむタイプだ。
油断してる隙を狙うよりも、正々堂々打ち負かしたいと考えるタイプ。
現に、攻撃してこないのがいい証拠だ。
(って、違う!そんなことじゃない!)
私が考えるべきは、相手の能力がなんなのかである。
「なんなんだ?もう、わけわかんない……」
私の知っている知識の中にそんな能力のスキルも魔法も存在しない。
なので、考えようがないのである。
そんな時だった。
背後から声が聞こえてきたのは……。
「未来予測……だと思います」
「それだ!……って誰!?」
反射的に私は殴りかかってしまった。
「うわ!」
声を上げながらもしっかりとそれに反応する誰か。
「なんで攻撃するんですか!」
「うるわさいわね!正体を明かしなさい!」
フードをかぶっていて姿が見えない、誰かがそこにはいた。
「えっと……正体を明かすことはできません。でも、今は協力させてもらえませんか?」
「どこの誰かもわからん奴を信用しろと?」
こいつは何を言ってるんだ。
歳は私と同じくらいの……声的に少年。
だが、どんなやつかわらかない段階で信用できるわけないだろう?
「せめて身分を明かしなさい!」
「えと、あの……ここの学院の生徒です!」
「生徒?」
「あ、はい!あの、戦いがあると聞いて、呼ばれてその……」
生徒?
もしかして、レイの兄貴さんが呼んだうちの一人ってこと?
ほんとかぁ?お前今森の方から出てきたでしょ?
どうして学院の生徒が森から出てくるのかね?
まあいいや、見たかぎり……それなりに戦えそうじゃないか。
「ロイに起こされたの?」
「え、はい!そうなんですよ!ひどくないですか?」
「そ、名前知ってるんだったら間違いなさそうね」
そんなことよりも私は聞きたいことで頭がいっぱいだった。
「それで未来予測って?」
「そのままの意味ですよ。あの変な人は視界に入った人の未来が見えるみたいです」
「そこ、変な人と呼ばない」
わざわざ会話に参加して否定してくる白装束。
「変な人だって……ちょっとそれ面白いかも」
「笑う、ダメ」
「この戦いで勝ったら盛大に笑ってやるわよ!」
なんとか勝ち筋が見えた気がした。
「あ、名前知らないけど……あんたも協力しなさい」
「え?なんで!?」
「協力させてって言ったのそっちだからね?」
「あ……」
言うんじゃなかったみたいな態度をする少年。
だが、今はそんなことを気にする余裕はない。
「続きだ!」
「やっと?手加減はいる?」
「私のことをなんだと思ってるんだ!」
ちょいちょい馬鹿にしてくる白装束。
そもそも本気の殺し合いにおいて、相手の油断を狙わない時点で変人なのは間違いない。
「なんと思ってるか……愛弟子?」
「はぁ!?」
もう話にならない。
内容が理解できないため、私は勝手に反撃に出るのだった。
「いてて。骨が折れた……」
「当たり前でしょう?折るつもりだったんだから」
いつの間にか現れたベアトリスが顔を覗き込んでくる。
「それに、なーんで生きてんのかなー?」
「この木、柔らかいから」
冗談を交えつつ、私は周囲を調べる。
洞窟の壁が壊され、追い打ちによって私は、森まで吹き飛ばされていた。
木々のおかげで、受けた力が分散され、何とか背骨の骨折程度で済んだ。
それにしても、依然と状況はまずいことに変わりない。
「ベアトリス、人間?」
「は?バカにしてるの?あなたも人間でしょ?」
そう言われてしまえば、何も言えない。
私は聞きたかったのは、なんで七歳で災害認定級なのだろうか、という話である。
私自身が災害認定という、まあ、一般人から見れば、化け物と扱われる存在なのだ。
そんな私が一方的にぼこぼこにされている。
(でも、嬉しい)
愛弟子が成長して師匠を超えた気分?
まさにそれである。
「私のことをなめてかかったのを後悔しなさい」
「うん、後悔した」
だから、私も、
「私もそろそろ本気だす」
「へー、面白いじゃん」
私は立ち上がり、土ぼこりを払いのける。
「確かに舐めてた。それに敬意を示して……」
私はゆっくりと目を開けるのだった。
♦︎♢♦︎♢♦︎↓ベアトリス視点↓
「へー、面白いじゃん」
とか言ってみて、煽った結果……。
「これで、私は本気になった」
そう言って目を開ける白装束。
赤眼の目がきらりと夜の森に光る。
獲物を見る狼のような目。
その目は開くだけで十分な力を持っていた。
私が支配していた空気が白装束のものへと上書きされる。
何が言いたいかといえば、私が場を支配していたはずなのに、白装束の方が優位な立場にあると思ってきてしまう。
「私はプリースト……魔を滅し、魔を欺く者なり」
ヤバイ……。
なんか強者っぽいこと言い出しちゃった!
って、もともと強いんだけどさぁ!
プリーストがなんでこんな強いんだよ!
それよりもその情報初耳なんだけど!?
私プリースト相手に全力出してるってわけ!?
いや、それでも押し切れてないんだから、相手が強かっただけ……だよね。
そもそもプリーストって幻覚魔法使えたんだ……。
ダメだ、色々と知識がない。
基本的に学校で習うような、五科目は全て完璧に仕上げている。
だが、その道の専門知識となってくると、私の理解できる範疇にない。
「な、なんでそんな力……」
「私、戦闘要員だから」
「はぁ!?」
もう完全に訳が分からなくなった。
プリーストなのに戦闘要員とか意味がわからない。
それを察したわけでもないだろうに、説明してくる白装束。
「うーん、例えばなぜ墓場にアンデットが出ないか。考えたこと、ある?」
「え……ないけど……それがなんだっていうの!」
「教会に配属されたプリーストが排除してるから」
なるほど。
言いたいことはわかった。
「つまり、あなたはもともと墓場のゴミ掃除をする役目だったのね?」
「正解、その例え……私たち、気が合う」
「合いたくないわよ!」
まさかのまさか。
プリーストにも戦える人っていたんだ。
だから、教会所属の僧侶たちは強いのか。
私だって教会に所属する僧侶たちを見たことがある。
前世の時の話になるが、十歳になった時、職業鑑定の儀で戦っている姿を見たことがある。
とは言っても、子供が能力を試すために、模擬戦をさせてもらっていただけに過ぎないが……。
いくらすごい職業の少年少女でも、その僧侶に勝つことはなかった。
一歩も動かず、片手で攻撃を受け止めて、最後は子供の方が疲弊して試合が終了になっていた。
今思えば、白装束と似ている。
白装束も一歩も動かないし、できるだけ片手しか使わないようにしている節がある。
「なるほどね。だからか」
「目を開けた時、それが私の本気」
「なんでも見通しちゃうってこと?」
「そんなとこは……あんまりない」
少しはあるかもってことかよ!
相変わらずの様子で緊張感があまり持てない。
だが、手加減する余裕もなさそうだし、一気に終わらせる。
「とりあえず、気絶して」
さっき通りの動きで接近する。
屈んだ姿勢で地面を蹴り、加速する。
その瞬間は正直音速超えたんじゃね?
って自画自賛していた。
だが、その余裕もすぐに崩れ去ることになる。
「遅い」
私の攻撃は避けられ、代わりと言わんばかりに首元にチョップを叩き込まれる。
「ぐ!」
一瞬意識が何処かへいきそうになったが、なんとか堪え、体勢を戻す。
「なんで……」
「私の視界に入ったら、勝ち目はない」
「何よそれ!」
転移し、背後を取る。
本気の私の転移だから、誤差はわずかコンマいくつかの次元のはずなのにも関わらず、
「見えた」
「なんで……ぐっ!」
横なぎに振るわれた腕に脇腹を押される。
押されると言っても、すごい速さで叩かれたので、普通に痛い。
「目を開けただけなのに……」
「ヒントをあげる。私には視界に入っている物の先が見える」
「ヒントですって……?」
ムカつくけど、ここはそのヒントをありがたく受け取らせてもらう。
罠の可能性もあるが、それ以前にこのままじゃ敗北しそうなので、忖度してる場合じゃないのだ。
「先が見えるってことは……」
単純に目がいいのか?
私の音速での動きもすべて見切られているということ?
「じゃあ、こういうのは……どうだ!」
石を手に取ると、それを消滅させる。
瞬間、白装束の後ろから突如石が出現する。
「それじゃダメ」
片手でキャッチすると横にそれをポイと投げ捨てる。
「っち!」
異納庫でしまい、白装束の背後に出現させ一気に落としてもダメ。
だったら、魔法の発動も見切られているということ?
でも、きっとそんな次元じゃないのだろう。
「考えろ……私!」
攻撃される可能性もあるが、白装束の性格上、それはないだろうと判断する。
こいつは、戦いを楽しむタイプだ。
油断してる隙を狙うよりも、正々堂々打ち負かしたいと考えるタイプ。
現に、攻撃してこないのがいい証拠だ。
(って、違う!そんなことじゃない!)
私が考えるべきは、相手の能力がなんなのかである。
「なんなんだ?もう、わけわかんない……」
私の知っている知識の中にそんな能力のスキルも魔法も存在しない。
なので、考えようがないのである。
そんな時だった。
背後から声が聞こえてきたのは……。
「未来予測……だと思います」
「それだ!……って誰!?」
反射的に私は殴りかかってしまった。
「うわ!」
声を上げながらもしっかりとそれに反応する誰か。
「なんで攻撃するんですか!」
「うるわさいわね!正体を明かしなさい!」
フードをかぶっていて姿が見えない、誰かがそこにはいた。
「えっと……正体を明かすことはできません。でも、今は協力させてもらえませんか?」
「どこの誰かもわからん奴を信用しろと?」
こいつは何を言ってるんだ。
歳は私と同じくらいの……声的に少年。
だが、どんなやつかわらかない段階で信用できるわけないだろう?
「せめて身分を明かしなさい!」
「えと、あの……ここの学院の生徒です!」
「生徒?」
「あ、はい!あの、戦いがあると聞いて、呼ばれてその……」
生徒?
もしかして、レイの兄貴さんが呼んだうちの一人ってこと?
ほんとかぁ?お前今森の方から出てきたでしょ?
どうして学院の生徒が森から出てくるのかね?
まあいいや、見たかぎり……それなりに戦えそうじゃないか。
「ロイに起こされたの?」
「え、はい!そうなんですよ!ひどくないですか?」
「そ、名前知ってるんだったら間違いなさそうね」
そんなことよりも私は聞きたいことで頭がいっぱいだった。
「それで未来予測って?」
「そのままの意味ですよ。あの変な人は視界に入った人の未来が見えるみたいです」
「そこ、変な人と呼ばない」
わざわざ会話に参加して否定してくる白装束。
「変な人だって……ちょっとそれ面白いかも」
「笑う、ダメ」
「この戦いで勝ったら盛大に笑ってやるわよ!」
なんとか勝ち筋が見えた気がした。
「あ、名前知らないけど……あんたも協力しなさい」
「え?なんで!?」
「協力させてって言ったのそっちだからね?」
「あ……」
言うんじゃなかったみたいな態度をする少年。
だが、今はそんなことを気にする余裕はない。
「続きだ!」
「やっと?手加減はいる?」
「私のことをなんだと思ってるんだ!」
ちょいちょい馬鹿にしてくる白装束。
そもそも本気の殺し合いにおいて、相手の油断を狙わない時点で変人なのは間違いない。
「なんと思ってるか……愛弟子?」
「はぁ!?」
もう話にならない。
内容が理解できないため、私は勝手に反撃に出るのだった。
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